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時間は存在しない
購入オプションとあわせ買い
◎タイム誌の「ベスト10ノンフィクション」
各メディア絶賛
●「科学に関する一般書には古典とさえ呼べるようなものもあるが、
本書にはその列に加えられるべき文学的な達成がある。」――福尾 匠(批評家)
「朝日新聞」の「売れてる本」(2019年11月16日付朝刊)
●難解なアイディアをどうしてこんなにもわかりやすくクリアに説けるのか。
驚きながら最後まで夢中になって読んだ。
時間についての「思い込み」を一つずつ解きほぐしていくプロセスは見事。――森田真生(独立研究者)
時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、
過去から未来へと流れるわけでもない――。
“ホーキングの再来"と評される天才物理学者が、
本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」
という驚くべき考察を展開する。
後半では、それにもかかわらず私たちはなぜ
時間が存在するように感じるのかを、
哲学や脳科学などの知見を援用して論じる。
詩情あふれる筆致で時間の本質を明らかにする、
独創的かつエレガントな科学エッセイ。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2019/8/29
- 寸法13.9 x 2.1 x 19.5 cm
- ISBN-104140817909
- ISBN-13978-4140817902
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| カスタマーレビュー |
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5つ星のうち4.3 508
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5つ星のうち4.2 20
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5つ星のうち3.8 10
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| 価格 | USD 14.10USD14.10 | USD 14.10USD14.10 | USD 14.10USD14.10 | USD 15.51USD15.51 |
| 著者 | カルロ・ロヴェッリ(著), 冨永 星(翻訳) | カルロ・ロヴェッリ(著), 冨永 星(翻訳) | カルロ・ロヴェッリ(著), 冨永 星(翻訳) | カルロ・ロヴェッリ(著), 冨永 星(翻訳) |
| 内容 | "ホーキングの再来"と評される天才物理学者が、本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」という驚くべき考察を展開する。後半では、それにもかかわらず私たちはなぜ時間が存在するように感じるのかを、哲学や脳科学などの知見を援用して論じる。 | "ホーキングの再来"と評される天才物理学者が"真実"を明かすイタリアで12万部を売り上げ、世界23か国で刊行予定の話題作!科学界最大の発見であり、最大の謎とされる量子論。はたして量子論の核心とは何か、それはどんな新しい世界像をもたらしたのかを、研ぎ澄まされた言葉で明快に綴る。 | 『時間は存在しない』『世界は「関係」でできている』等の著書で、物理学の最先端を詩的な言葉で解説しベストセラー生み出してきたカルロ・ロヴェッリ。彼が10年以上にわたりイタリアの新聞各紙に発表してきたコラムから、約50篇を厳選して収録。「ループ量子重力理論」を牽引する理論物理学のトップランナーであるだけでなく、哲学や文学にも造詣が深く、社会問題にも鋭く切り込む「発言する知識人」ロヴェッリはこの世界をどのように見ているのか? 常識にとらわれず真実を明らかにしようとするその思考の核心に迫る一冊! | 『時間は存在しない』『世界は「関係」でできている』で常識を覆し、"ホーキングの再来"と評された天才物理学者が、満を持して自身最大のテーマである「ブラックホールとホワイトホール」の謎に挑んだ集大成の一冊。 |
| 発売日 | 2019/8/29 | 2021/10/29 | 2023/12/25 | 2025/2/25 |
| ページ数 | 240ページ | 240ページ | 320ページ | 192ページ |
| 寸法 | 13.9 x 2.1 x 19.5 cm | 13.7 x 2 x 19.5 cm | 13 x 2.3 x 18.8 cm | 13.8 x 1.9 x 19.4 cm |
商品の説明
出版社からのコメント
●きわめて独創的。現代物理学が時間に関する私たちの理解を壊滅させていく様を紹介している。――「ニューヨーク・タイムズ」紙
●わかりやすく目を見開かせてくれるとともに、われわれの時間・空間・現実の見方を覆すような読書体験をもたらす。――「タイム」誌
●時間の本質へと向かう、実に面白くて深い探求。この作品を読む人すべての想像力をとらえて離さない詩情と魅力がある。――「フィナンシャル・タイムズ」紙
●スティーヴン・ホーキングの『ホーキング、宇宙を語る』以来、これほどみごとに物理学と哲学とを融合した著作はない。――「ガーディアン」紙
著者について
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。
イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。
「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。
『世の中ががらりと変わって見える物理の本』は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。
本書はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。
タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。
登録情報
- 出版社 : NHK出版
- 発売日 : 2019/8/29
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 240ページ
- ISBN-10 : 4140817909
- ISBN-13 : 978-4140817902
- 商品の重量 : 1 g
- 寸法 : 13.9 x 2.1 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 6,878位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

カルロ・ロヴェッリ Carlo Rovelli
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。『時間は存在しない』(NHK出版)はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。
カスタマーレビュー
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日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
「時間とは何か」という切り口で、アインシュタインから量子力学までやさしく説明してくれる
2026年6月17日に日本でレビュー済み〇 ちょっと饒舌な感じはあるが、親しみやすくて一般啓蒙書のお手本のような本。「時間はこの世にひとつだけあって、過去・現在・未来へと流れている」という常識をくつがえしてしまう。この本を読む前と読んだあとで、私の世界の見方はがらりと変わった。
〇 まず「世界にはひとつの時間がある」というニュートン以来の概念を壊した「アインシュタイン」が登場する。この人は若くして、「時間は場所によって早く経過したり遅く経過したりする」「質量の大きな物体の近くでは時間は遅くなる」という発見をした。(一般相対性理論はそういうことを言っているらしい)
〇 つぎに登場するのが「エントロピー」。「すべてのモノは整然とした状態(低エントロピー)から雑然とした状態(高エントロピー)に不可逆的に移行する」「エントロピーの低いのが過去で高いのが未来だ」という。過去と未来の区別はあるが「現在」というものはないと思った方がいいらしい。そうなのか、と感動する。感動したところでさらに、「しかし、実はこのエントロピーの高低も、我々のモノの見方が曖昧だからそう見えるだけで、客観的にはそうした区別はないのだ」と畳みかけられて、また何やらわからなくなる。
〇 そして「量子力学」が登場する。すべてのもの(物でも、時間でも、光でも、長さでも、すべて)には「最低のサイズ」があって、すべては「粒」でできているのだと言う。その粒は現れたり消えたりするうえに揺らぐ。この世界とは手ごたえのある確固たる物質で構成されているのではなくて、あちらこちらで勝手に現れたり消えたりする数多くの出来事が集まっているものらしい。
〇 それで、結局のところ時間はあるのか?ものが変化すると言う意味ではそこに時間はあるのだが、世界全体に共通な物差しのような時間は存在しない。最後は人間の内面の問題に行き着く。人は一つの視点から世界をながめ、世界を組織化して認識し、過去を一本の糸で貫いて記憶することによってアイデンティティを獲得する。複数の映像を一つのモノの動きとして記憶しその先を予測する—人間はこうした神経系を持っている。そのような人間が世界と相互に関係するなかで自分のなかに感じ取るものが時間だということに落ち着くようなのだ。だから時間というものは主観的なもので、客観的には「時間は存在しない」ということになる。
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感情の物理学者
2026年3月15日に日本でレビュー済み読書・哲学が好きな、40代のサラリーマンです。イタリア在住です。
以前、『すごい物理学講義』を読んだ際に、真実を知ることの大切さを感じたことと、著者が、私の大好きなギリシャの自然哲学から大きな影響を受けていることがとても印象に残りました。
私たちにとって、時間はあって当たり前のものであり、与えられた時間の中でどのように過ごしていくかということを考えながら生活をしています。ただ、何となく概念みたいなものなのかもしれないという思いもあり、その辺りを物理学者はどのように考えているのかと思いつつ、本書を手に取りました。
哲学を引用したり、詩的なものに触れたりしながらも、メインのテーマである時間については、例として、トランプのシャッフルについて挙げたりしながら、第九章で、以下のように説明しています。
「マクロな状態を観察すると、この世のぼやけた像が得られ、それをエネルギーを保存するような混ぜ合わせと解釈することができて、そこから時間が生まれる。」
「(詳細を無視した)マクロな状態によってある特定の変数が選ばれ、それが時間のいくつかの性質を備えている。」
「非可換性(電子の位置を測ってから速度を測ると、速度を測ってから位置を測ったときとは違う状態に変化する)は、量子力学の特徴となる現象の一つであり、それによって二つの物理変数が確定する祭の順序が決まり、その結果、時間の芽が生まれる。物理的な変数の確定は孤立した行為ではなく相互作用であって、これらの相互作用の結果はその順序によって定まる。そしてその順序が、時間的な順序の原始形態なのである。」
これはいわゆる、量子力学の「観測問題」を言っているのかと思いますし、その原因は私たちにあるということなのだと思います。
ここまでであればなんとなくわかるのですが、最初のエントロピーを低く定義する特別な変数を通して世界の残りの部分と相互作用する物理系が、宇宙にたまたま存在するのだろうという著者の主張まで来ると、宇宙の広大さに圧倒されると共に、何がなんだかよくわからなくなってきます。
また、ギリシャ自然哲学で挙げられているのは、アナクシマンドロスの、不変なものは存在せず、継続的に変化するか現象や出来事があるのみで、時間はあとから付いてくるという考えであり、著者のループ量子重力理論は、その系譜の考えだとのことです。また、「熱」がキーポイントであると考えると、やはり、ヘラクレイトスの思想は外せません。
ほか、個人的には、10^-44秒というブランク時間について興味があります。
最後の訳者あとがきで、著者の言葉が書かれています。
「わたしは物理学に取り組む際に、感情を退けず、むしろ解放する。物理学をするということは、考え、計算し、文献を読み、議論するということだが、それらを推し進めているのは感情だ。」
これはドストエフスキーが、「感情は絶対的だ。」、「思想は感情のなかから生まれる。」と言っていることと通じるのかと思います。
結局のところ、人間を人間たらしめているのは感情であり、それによって概念が生み出され、その概念の中で我々は生き、何かをきっかけにそれが変化したり、覆されるということを繰り返しているのだと思います。
また、不在だから悲しいのではなく、愛着があり、愛しているから悲しいのだという記述も、心に残りました。
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面白い
2026年8月5日に日本でレビュー済みまったく理解出来ないんだけど、面白い。楽しすぎる。なんでだろ
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他者に薦めるなら第一部だけを読んでもらいます
2022年1月31日に日本でレビュー済み第一部から第三部までの三部構成であり分けて言及します。
第一部『時間の崩壊』
近代物理学に沿ってエントロピーや一般相対性理論や特殊相対性理論に言及しつつ、我々が常識として培ってきた、時間の順序や流れ、そして「三次元」としての時間の概念を解体していく展開は興味深く読みました。また、ニュートンとアリストテレスを比較する中で最終的アインシュタインの理論を展開する部分も斬新に感じられました。
特にインパクトのあった表現を抜粋します。
時間の持続時間を定める基層は、この世界を構成する他のものと異なる独立した実体ではなく、動的な場の一つの側面なのだ。跳び、揺らぎ、相互作用によってのみ具体化し、最小規模に達しなければ定まらない側面...。
冗長すぎる面があってもエレガントな文体と物理学理論の後支えがあるゆえに看過できる-ここまでが第一部「時間の崩壊」で本全体の半分にあたります。
第二部『時間のない世界』
これは抽象的な認識論のなかで書かれたエッセイです。物理理論から離れた表現が多く、文体の調子も一定ではありません。注釈すら粗雑になり、自身の過去の作品を参照せよというばかりになります。第一部と比べると、一冊の本の中で、同じ作者が書いたとは思えない内容でした。
第三部『時間の源へ』では、一方的に主張だけが展開されていきます。宇宙と主観をテーマにエントロピーとエネルギーについて言及した第10•11章は読み応えもありました。しかし、第十二章ではナーガセーナ、デカルト、アウグスティヌスを持ち出した脳科学的•精神学的展開は、文章がハイ過ぎてちょっと読めたものではありませんでした。次いで、フッサール、ハイデッガー、しまいにはプルーストまで巻き込むが、焼け跡の後には著者の自己満足以外何も残っていない気がしました。
総じて、これほど一貫性のない著作を最後まで読み通すことができたことは、個人的になかったことだと思います。この本がたくさん売れたと喧伝されてはいますが、物理学エッセイとして、またサイエンスエッセイとしてクラシック或いはエッセンシャルの域に達することはまずないと思います。ただ、部分的に強く惹きつけられるところがあったのは事実であるだけに、残念というか複雑な印象が残りました。
25人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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人生を豊かにするきっかけになります。
2026年5月17日に日本でレビュー済み大変わかりやすいです。普段の生活に落とし込むとどう捉えられるかを考えながらこの本を読み終えると、見える世界をまた少し俯瞰することができるようになりました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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ある意味分かりやすく、かつ難しい。ホワイトヘッドの「過程と実在」を読む位ならこちらがお勧め
2022年11月23日に日本でレビュー済み以前、「世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論」を読んだことがあるので、著者の勘所が分かっていることが大きく、2時間程で読めてしまった。
著者はイタリアの物理学者であり、しかも現地人としての教養(リベラルアーツ)が高く、古典の引用がエレガントで文体も優れているせいで、思ったほど読みやすい。けれど、9章と10章はちょっと難しいかもしれない。著者も読み飛ばして構わないと述べているので、安心されたい。それに「まとめ」となっている13章を読んでから最初に戻って読むと初心者には良いかと思われる。
ロヴェッリの最近の方の本を読んでから、今回の古い方の本を読むというのは新鮮味が無い様な感じもあったが、それでも読後感は悪くなかった。
フッサールとかハイデガーも出てくる割には難しさを感じないのは、著者の幅広い教養量に寄るところが大きいのだろう。
私個人的なことを言わせてもらうと、ロヴェッリの哲学的な勘所がホワイトヘッドの有機体哲学に近い様なところがある。これは「世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論」のレビューでも書いたことがあるが、根底が似ているという程度のものではない。かなり近い。
著者が言いたいことは、時間というのは関係性の問題ということに至る。時間というのは非可逆性を持つのは熱力学第二法則、エントロピーの概念から相対化していくこと以外に尺度が無いということになりそうだ。
ロヴェッリのループ量子重力理論には時間の概念が存在しない様であるが、これを理解出来る様な物理学の学徒でもない私には、これが正しいと指摘出来ないけれど、興味深い理論には違いない。
分かりやすさから言えば、後に出版した「世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論」の方が良いのであるが、これはこれで独立して良著の思う。
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時間の常識が覆る、衝撃と発見の一冊
2025年4月5日に日本でレビュー済みタイトルを見た瞬間、「時間が存在しないなんて、本当だろうか」と思わず声に出してしまいました。毎日のスケジュールや朝起きる時間、夜寝る時間など、あらゆる場面で「時計」を基準に生活している私たちからすると、あまりにも衝撃的な主張です。しかし本書を読み進めるうちに、「実は私たちが当たり前に思い込んでいる“時間”は、物理学の最先端から見ればかなり不思議なものらしい」と納得させられます。
理由は三つあります。まず一つ目が、アインシュタインの一般相対性理論です。たとえば海辺と山頂の時計は、重力の差によってわずかに進み方が異なる。GPS衛星で時間を補正しないと地上に大きな誤差が生じることも有名です。こうした事例から、ニュートン的な「どこでも同じ時間」という前提が揺らぎ始めます。
次に、熱力学や統計力学で語られるエントロピー増大の問題があります。卵が割れたら元に戻らない、温かいコーヒーはいつか冷める――私たちの身の回りには“不可逆”な現象があふれているため、時間は過去から未来へ流れていると思いがちです。しかし、物理の方程式そのものには過去と未来を区別する仕組みが見当たらないのだそうです。著者いわく、エントロピーが増えるように見えるのは、私たちが現実をすべてミクロレベルで観測できない“ぼやけ”に起因する可能性があるという。つまり、不可逆だと思い込んでいる現象の裏には、私たちの視点の限界があるのではないか――その発想は私たちの日常観を大きく揺さぶります。
三つ目の決定打が、著者が研究をリードする量子重力理論、特にループ量子重力です。なんとその数式には“時間変数”が登場しないというのです。マクロな世界であれほど意識する時間が、理論の最深部では必要とされない。さらに、時空が離散的な“粒”から成るかもしれないという話まで飛び出します。これを知ると、自分が当然のように受け入れてきた時間という存在が、実はかなりあやふやなものに思えてきます。ところが著者の説明は詩的で、プルーストや仏典の引用をさりげなく挟みながら進むので、難解なテーマにもかかわらず読む手が止まりにくい。理系の最先端理論と人文学的な感性が絶妙に調和している点は、本書の大きな魅力だと感じました。
もっとも、「時間なんて幻想だから、すべてが無意味」という冷めた結論にはなりません。むしろ著者は、人間が過去を記憶し、未来を思い描くこと自体が豊かな時間体験を生み出していると肯定的に語ります。私たちが主観的に感じる「時間の矢」があるからこそ、死という概念も愛の感情も成り立つ――そうした指摘は、不思議な安堵感を与えてくれるのです。時間が存在しないと聞くとニヒリズムに陥りそうですが、本書はむしろ「私たちこそ時間をつくっている」という、生き方に温かみを与えるメッセージを含んでいるのだと思います。
ただし、本書は直接的なビジネスや人生の指南書ではありません。もし「では時間の正体が分かったから、明日からこうしよう」といった即効性を期待しているなら、肩透かしを食うかもしれません。ですがアインシュタインや量子論の歴史を概観し、エントロピーや人間の認識論まで一挙に横断して「時間とは何か」を深く考えるにはうってつけの一冊です。読み終えたあとに時計を眺めると、「ああ、今測っているのは存在しないものかもしれない」と、どこかくすっと笑ってしまう。とはいえ、自分の記憶は失われず、未来への期待も消えない――そんな不思議な安心感が残るのです。時間が足りないと嘆きつつ過ごす日常に、ほんの少し違う色彩を帯びさせてくれる良書だと感じました。
最後に、私としては「時間は存在しない」ことを知ることで、むしろ人生の有限性を思い切り味わえるようになるという逆説が、何より大きな魅力でした。タイトルに込められた大胆な主張が、自分たちの認識を揺さぶりつつ、かえって生の愛おしさに気づかせてくれる。その二重構造を楽しむためにも、ぜひ時間をかけて読んでいただきたい一冊です。
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期待とおり。
2026年2月3日に日本でレビュー済み期待どおりの本です。ありがとうございました。
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