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神々の沈黙──意識の誕生と文明の興亡
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動物行動学から出発し人間の意識の探求に踏み込んだ研究者が、楔形文字の粘土板や碑文・彫刻、ギリシア叙事詩『イーリアス』『オデュッセイア』、旧約聖書などの分析から、とてつもなく壮大な「意識の誕生」仮説を樹ち立てた──人類の意識は今からわずか3000年前に芽生えたもの、意識誕生以前の人間は右脳に囁かれる神々の声に従う〈二分心〉(Bicameral Mind)の持ち主で、彼らこそが世界各地の古代文明を創造した、やがて〈二分心〉は崩壊、人間は文字と意識を得た代わりに神々は沈黙した、と。
意識論の大家ダニエル・デネットは、著者の仮説を高く評して「ソフトウェア考古学」と呼ぶ。地層から掘りだされる化石や骨では人間の心のことまでは伺い知れないからだ。
意識の哲学・心理学から歴史・文明解釈、現代人における〈二分心〉の名残までの三部構成からなる本書は、著者の生涯を賭けた金字塔で、発売当初から様々な方面で論議と話題を呼んだ。記述は膨大な証拠に裏打ちされ、過去ばかりか今日と未来における私たちの心の奥底にまで関わり、従来の見方を180度転換する。「知られざる巨人」の生涯ただ一冊の渾身の書。
「前2000年紀末まで人類は意識を持たず、神々の声に黙従していたというジュリアン・ジェインズの仮説を目にした者は……愕然となるが、その正当性を裏づける証拠の数々を確認しながら、この驚くべき主張を最後までたどらずにはいられない」
ジョン・アップダイク(「ニューヨーカー」誌)
「本書を読み終えたばかりの私は、キーツの描くコルテスになって太平洋の大海原を眺めているような気がする。いや、少なくとも、ダーウィンかフロイトの著作を最初に読んだ書評家のような気分だ。この新たな領域をどう捉えたものか、見当もつかない。だが、それは紛れもなく眼前に広がり、そこに秘められた力に私は息を呑むばかりだ」
エドワード・プロフィット(「コモンウィール」紙)
【目次】
序文
序章 意識の問題
第一部 人間の心
第1章 意識についての意識
第2章 意識
第3章 『イーリアス』の心
第4章 〈二分心〉
第5章 二つの部分から成る脳
第6章 文明の起源
第二部 歴史の証言
第1章 神、墓、偶像
第2章 文字を持つ〈二分心〉の神政政治
第3章 意識のもと
第4章 メソポタミアにおける心の変化
第5章 ギリシアの知的意識
第6章 ハビルの道徳意識
第三部〈二分心〉の名残り
第1章 失われた権威を求めて
第2章 予言者と憑依
第3章 詩と音楽
第4章 催眠
第5章 統合失調症
第6章 科学という占い
後記
訳者あとがき
原注
事項索引
人名索引
【著者】ジュリアン・ジェインズ(Julian Jaynes)
プリンストン大学心理学教授。1920年生まれ。ハーヴァード大学を経てマクギル大学で学士、イェール大学の心理学で修士・博士号取得。1966年から1990年までプリンストン大学心理学部で教鞭をとった。研究者としての初期は動物行動学、後に人間の意識に関わる研究へとシフト。1976年に『The Origin of Consciousness in the Breakdown of the Bicameral Mind』(『神々の沈黙』原題)を刊行。刊行後すぐに様々な批判と論議を呼ぶ一方で賞賛を集め、「20世紀で最も重要な著作のひとつ」と評された。
【訳者】柴田裕之(しばた・やすし)
1959年生まれ。翻訳家。早稲田大学理工学部、アーラム大学卒。訳書にハラリ『サピエンス全史』『ホモ・デウス』(以上、河出書房新社)、ベジャン『流れとかたち』『流れといのち』、コーク『身体はトラウマを記録する』(以上、紀伊國屋書店)、コルカー『統合失調症の一族』(早川書房)、ガロー『格差の起源』(監訳、NHK出版)、ファーガソン『大惨事の人類史』(東洋経済新報社)ほか多数。
- 本の長さ640ページ
- 言語日本語
- 出版社紀伊國屋書店
- 発売日2005/4/6
- 寸法19.8 x 13.5 x 4.3 cm
- ISBN-104314009780
- ISBN-13978-4314009782
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商品の説明
著者について
プリンストン大学心理学教授。1920年生まれ。ハーヴァード大学を経てマクギル大学で学士、イェール大学の心理学で修士・博士号取得。1966年から1990年までプリンストン大学心理学部で教鞭をとった。研究者としての初期は動物行動学、後に人間の意識に関わる研究へとシフト。1976年に『The Origin of Consciousness in the Breakdown of the Bicameral Mind』(『神々の沈黙』原題)を刊行。刊行後すぐに様々な批判と論議を呼ぶ一方で賞賛を集め、「20世紀で最も重要な著作のひとつ」と評された。
【訳者】柴田裕之(しばた・やすし)
1959年生まれ。翻訳家。早稲田大学理工学部、アーラム大学卒。訳書にハラリ『サピエンス全史』『ホモ・デウス』(以上、河出書房新社)、ベジャン『流れとかたち』『流れといのち』、コーク『身体はトラウマを記録する』(以上、紀伊國屋書店)、コルカー『統合失調症の一族』(早川書房)、ガロー『格差の起源』(監訳、NHK出版)、ファーガソン『大惨事の人類史』(東洋経済新報社)ほか多数。
登録情報
- 出版社 : 紀伊國屋書店
- 発売日 : 2005/4/6
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 640ページ
- ISBN-10 : 4314009780
- ISBN-13 : 978-4314009782
- 商品の重量 : 686 g
- 寸法 : 19.8 x 13.5 x 4.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 55,607位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 心理学入門 - 552位
- 心理学の読みもの - 689位
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日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
意識の歴史はたったの3・4千年!
2026年2月25日に日本でレビュー済みある書評家は、読了時の読後感を述べて、「ダーウィンやフロイトの著作を最初に読んだ書評家のような気分」になる、と書いています。
JJによれば、認知と意識とは別物。
認知力は他の動物にもあるが、意識は人間だけが有する。
「意識以前」の人類は、「神々の声」を直接に聞き、その命令に従って行動していた。
古代人は「聴こえてくる声」のリアリティのゆえに、ただそれに服した。
だから今でも、「聞く」ことには「従う」ことが含まれている。
「言うことを聞く」とは「聞いた通りにする」ことを、なぜか、含んでいる。
そのような時代をJJは「二分心」時代と呼ぶ。
そして「二分心」の人には「思考」も「判断」も「偽計」も「道徳」もない。
社会が複雑化し、そのような「神々の声」が人々の統合のために機能しなくなったとき、神々は天に退き、「神々の沈黙」が訪れた。
だから仲介する者としての天使たちはすべからく「羽根」を持つようになった。
それと交差するように、人々は外部からの声ではなく、内なる声を聴くようになる。
そして「意識」が生まれる。
その過渡期において、偶像が生まれ、占いが生じ、憑依者や預言者が活躍し、詩人が詩を歌うようになった。
そしてその「過渡期」は現代でも完全には終わっておらず、「統合失調症」や「催眠術」のような意匠をとって存続している。
なによりも驚いたのは、そうした「意識」以降の人類が、たかだか3千〜4#千年くらいの歴史しかもたないということです。
それ以前の、「神々の声」を聴き、それにただ従っていた人類と、「神々の沈黙」以降の「意識」によって生きるようになった人類の間には大きな断絶がある。
我々はその断絶以降の3千~4千年間の「現代」を生きている。
そうした移行の歴史を記した文書は世界中に存在する。
しかし、その全体を記した書物は「聖書」しかない、という指摘にも驚きました。
こうあります。
「一度こうした観点から旧約聖書全体を読み返すと、旧約聖書全書の連なりが、私たち人類の主観的意識誕生の痛みを描いた壮大で、素晴らしい記録に思えてくる。
この決定的な出来事を記録した文献で、旧約聖書ほど詳しく充実したものは他にない。
中国の文献は、孔子の教えを記した『論語』によって主観性の世界に飛び込んでおり、それ以前にはほとんど何もない。
インドでは<二分心>の『ヴェーダ』から超主観的な『ウパニシャッド』へと一足飛びの変貌を遂げたが、そのどちらの作品も、その内容は成立時期を忠実には反映していない。
『イーリアス』から『オデュセイア』、そしてサッポーやソロンの断片を経てプラトンに至る、飛び石のようなギリシャの文献は、聖書に次ぐ優れた記録だが、それでもあまりに不完全だ。
そしてエジプトには文献と呼べるものはほとんどない。
(中略)
旧約聖書とは本質的に、<二分心>が失われ、残存するエロヒムが緩やかに沈黙する中へと後退し、それに続いて混乱と悲劇的暴力が起こり、預言者たちの中に神の声を再び得ようと空しく探したあげく、ついに道徳規範にその代用物が見いだされるまでを描いた物語なのだ。」
す、すごい!
確かに、聖書的観点に則して言えば、聖書が書き始められたのが3500年前。
JJが言う「意識の歴史、3千~4千年」とぴったり符合する。
そしてこう続きます。
「だが、人間の心はかつての無意識な在り方に相変わらず付きまとわれている。
そしてこの思慕の念、神の意志とはからいを求める心の底からの切ない憧れは、いまだ消え去ることがない。」
偶像や預言や憑依や占いのようなスピリチャルな営みだけでなく、詩も音楽も科学も催眠術もまた<二分心>の残影であるという主張にもすっかり説得されてしまいました。
トンデモナイ本ではありますが、決してトンデモ本ではありません。
是非手に取ってください。
12人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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一理はある
2026年5月16日に日本でレビュー済み人によってはトンデモ本かも知れませんが、深い体験をしたことがある側からみれば共感できる話でもある。作者はきっとある側だったんでしょうね。
2人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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古代文明、宗教、神、意識とは
2013年9月13日に日本でレビュー済みこの本は読んでよかった。これを読む前と後で、古代史に対する認識、宗教、神、意識といったものの見方が180度変わってしまうような、恐るべき内容を含んでいる。
人とチンパンジーの祖先が分離したのが700万年前。この時点で人類に意識が無かったのは明らかだ。この間のどこかで意識が芽生えたのだが、ジェインズはそれをほんの3000年前だと主張する。
彼の文明・意識進化論を俯瞰すると、まず人類は共同で狩猟を行うための話し言葉を会得し、その後、右脳の発する言葉による指示に従って行動する二分心(Bicameral Mind)モードに移行する。そして文字が発明され、文字による物語が形成されると同時に二分心は崩壊し意識が成立した。
二分心における右脳の発する言葉は神の声として記録されている。ギリシャ叙事詩イーリアスにはそれが明確に記述されており、アキレウスなどの登場人物は自分の意思で行動するのではなく全て神の指示に基づいて闘ったり逃げたりしている。この時代の人類には意識が無く、右脳の言語野に相当する部分の発する言葉に従って自動人形のように行動していた、というのが二分心の時代だという訳だ。
神はこの二分心の時代に実在した。皆が神の声を聞いて其れに従っていた。ここには何の疑いも迷いも無い、完全な服従があった。というより、意識が無い以上考える主体が存在しなかったわけである。
紀元前6世紀頃、一斉に世界宗教が花開いた。プラトン、ソクラテス、ゾロアスター、ブッダ、孔子... 旧約聖書の原典が成立したのもこの時期だ。アダムとイブの失楽園ではこう書かれている。
”ヘビは約束する、おまえは善悪を知る者となる。そして知恵の実を食べたところ突然、二人の目は開いた。そして、彼等は自分達が裸であることを知った。”
まさにこれは、二分心から意識をもつ人間への変容を示している。そしてこれ以降ヒトは神の声を直接聞くことが出来なくなった。意識ゆえ神の国を追放されたわけだ。
地中海文明において、この意識の萌芽は紀元前10世紀頃に見られる。叙事詩イーリアスの後、オデッセイの前である。しかしその他の地域、例えば中南米のマヤやインカにおける意識の芽生えはもっと遅く、例のピサロの150名の兵士がインカ帝国を打ち破ったときインカ人は二分心であった為、あれほど脆く敗れ去った。古代文明を理解するために、この二分心を知らなければ決して本質には迫れない。
個人的な経験だが、最近行ったカンボジアでは20年ほど前、ポルポトが300万人とも言われる大虐殺を行った。国民の1/3を殺した勘定になる。この時のカンボジア人は二分心に戻っていたのでは無いかと思う。ポルポト時代の話をするときカンボジア人ガイドの目が妙に空ろになるのが印象的だった。
600ページを超える分厚い本の内容を、簡単に紹介するのは無理と言うものだが、古代史の謎や神、意識という事柄に興味があるなら、この本は必読と言える。フロイトやダーウィンに匹敵する人間性理解の為の重要な著作だと思います。
94人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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神々の声は消えてはいない
2026年9月1日に日本でレビュー済みいつからか、心の分裂状態(二分心)は崩壊して一つに統合する。そのきっかけが左脳の言語野の発達による意識の誕生であった。神々への従属的関係性は、左脳の発達に伴って都合が悪いものになっていったのだと思われる。人間に意識:主体性が生まれた原因の一つに、社会情勢の変化(狩猟から農耕、異民族の混交、文字による交易の複雑化)によって神々が人間に何をすべきか告げられなくなったことにある。その為に、人間は主体的に物事を考え、解決していかなければならなくなった。これによって神々の指令とそれに従う自動人形との関係に『偽りの自由意志』、つまり意識という楔が打ちこまれることになる。ベンジャミンリジェットが云う、意識に0.5秒のタイムラグが生じる理由は、左脳が右脳の神々からの行動指示に『後付け』し、あたかも自分の意思決定かのようにでっち上げるからだ。それは自らの存在根拠である自由意志を『正当化』し、神々の座を簒奪しようしている証拠でもある。しかしこの命令幻聴は、省略されているだけで決して消滅したわけではない。その欠落部分は、意識を管轄する左脳によって埋め合わせ、縫い合わされているだけだ。毎日の生活の中で繰り返し行われる思考の中に、今でも神々の声はまぎれている。
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本当の天才には後継者がいない ~ 最良の人生の指南書 ーー 読めば幸せになれます
2015年3月10日に日本でレビュー済み(1)「どうして自分は生まれて来たのだろう?」
(2)「どうして人生は(ほとんど)嫌なことばかりなんだろう?」
たいていの人はこんな疑問を持ちながら、中途半端に人生を過ごして行きますよね。
結論を先に書きましょう。(1)の答は、
「理由などあるわけがない。存在するから存在するのだ。そしてあなたはここで極楽を体験する。」
(2)の答は、
「よく言うではないか、気の持ち方しだいだと。そう、あなたはあなたの《意識》にあざむかれている。」
さて、本レビューのタイトルの「天才」とはもちろん著者ジュリアン・ジェインズのことです。
この本を「奇書」とけなす頭の悪い人がいますが、この本の論理の展開には、宗教じみたところや論理の飛躍が見られるところはまったくありません。
徹頭徹尾、実証的であり、古代の遺物・文献からの重要な事実への着眼・発掘には感涙するほどの著者の深い洞察があります。
当方は、著者の二分心仮説は100%正しいと確信しています。
この本には書かれていませんが、誰でも知っているけれども、今まではっきり理由がわかっていなかった次の事実から、著者の人間の意識は前1000年紀(=BC1~1000年)に形成されたという説は正しいとしか考えようがありません。
人類は誕生してから何百万年もたっているのに、はっきりとした歴史が残っているのはそのうちのわずか1000分の1程度の2000~3000年しかないという事実です。
日本にいたっては紀元後4世紀のことさえほとんど何もわからないという状態です。
つまり先史時代の《意識を持たなかった》人間は、「時間」に興味がなかった。だから、「時間軸」の考えも当然なく「歴史」など当然生まれなかった、ということです。
これ以外に、歴史の「歴史」があまりにも浅い理由が説明できますか?
この本は、はじめ「意識とは何か?」から始まりますが、ここは極めて重要です。
われわれが生きていく上で、実は
★★意識など必ずしも必須ではない★★
という衝撃の事実が呈示されます。
しかし、これも犬や猫を観察すれば一目瞭然で、驚くことではありません。意識を持たない彼らは立派に何百万年、何千万年と命をつないでいます。
さらに彼らは、うらやましいことに、明日食べるエサがあるかないかを心配してノイローゼになることもありません。(愛情不足でノイローゼにはなりますが、それは「意識」の領域ではありません。)
現代に見られる二分心仮説の最大の傍証は、催眠(術)であると当方は考えます。この「不合理な盲従」は二分心時代の名残であり、それ以外に説明のしようがないと著者は書いています。
現代の心理学の定説では、幼児期には親の言いなりであったからその名残だ、などとまったく説得性のない説明をしているようです。子供の発達の様子を観察すれば、子供はまったく催眠(術)的ではありません。
催眠(術)は本当に不思議な現象であり、二分心仮説以外説明ができないという著者の考えに100%同意します。
当方は、この本を今まで4回ほど繰り返し読んでいますが、読むたびに感動します。
これほど理路整然とした美しい本は、今まで読んだことがありませんし、これからもおそらくないでしょう。
来るかどうかはわかりませんが、人類が「神」と意識の呪縛から解放されたとき、誰もが幸福を実感できる世の中になるのだろうと考えています。
まあ、それは夢として、当方はお先にこの世の極楽を楽しんでいます。あなたもお仲間になりませんか?
参考図書
福岡正信著「無Ⅰ」「無Ⅱ」
トール・ノーレットランダーシュ著「ユーザーイリュージョン」
最後にこの本の些細な欠点について
著者は極めて紳士的な人柄であっただろうと推測できます。しかし、本書のごく一部にインテリぶった、他人をバカにするような記述があります。99.9%は優れた記述ですので目をつぶりましょう。
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TOC
2024年5月21日に日本でレビュー済み序章 意識の問題
第一部 人間の心
第1章 意識についての意識
第2章 意識
第3章 『イーリアス』の心
第4章 <二分心>
第5章 二つの部分から成る脳
第6章 文明の起源
第二部 歴史の証言
第1章 神、墓、偶像
第2章 文字を持つ「二分心」の神政政治
第3章 意識のもと
第4章 メソポタミアにおける心の変化
第5章 ギリシアの知的意識
第6章 ハビルの道徳意識
第三部 <二分心>の名残り
第1章 失われた権威を求めて
第2章 預言者と憑依
第3章 詩と音楽
第4章 催眠
第5章 統合失調症
第6章 科学という占い
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人間精神の危うさ
2018年7月9日に日本でレビュー済み高学歴のエリート達が、オカルトの信者になって大事件を起こしたり、あるいは単独犯が、昨今も無差別殺人事件を起こしたり、邪霊に憑依されたかと思われる事件が、度々生じている。
これらの疑問にも答えてくれるのが本書『神々の沈黙』かもしれない。
原題は『The Origin of Consciousness in the Breakdown of the Bicameral Mind』だから、日本で翻訳されている書籍の副題『意識の誕生と文明の興亡』という副題こそ、原書のタイトルにやや近い。
著者は、執筆当時、プリンストン大学心理学部教授。
人間がいかに信用ならない動物であるかをますます補強する書籍で、人間意識がようやく芽生えたのは、たかだか三千年の歴史しかないという検証。
ところで、日本語訳のタイトルにあるように、神々というからには、様々な神々があるもので、ジャンヌ・ダルクに囁いた神があれば、オカルト教祖の神もある。
「神々が沈黙」して三千年たったといっても、その後も、折々に様々な神に唆される人達があるから、これが問題なのである。
ともあれ、この書籍の大いなる価値は、文明の興亡の根本的な部分が、人間の右脳と左脳の力関係の影響の甚大さを知る上で、極めて貴重な書籍である。
33人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しくださいコミュニティガイドライン新しいタブで開きますに照らしてこのレビューが適切かどうか確認します。 そうでない場合は削除されます。
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素晴らしい!
2020年3月30日に日本でレビュー済み紀元前2000年から現在までの4000年間のどこで何故人類に意識(内観)が発生したか?の仮説と、その仮説の神話・考古学・精神医学・脳医学による根拠付け。
1.ここで言う意識は所謂内観であり、知覚・学習・判断ではない。知覚・学習は人類以外の生物にも見られる。
2.意識は約3000年前に、言語の比喩とその連想投影をきっかけとして、外界をシミュレーションする空間を自分の内面に作り出したことにより発生した(言語の発生時期は諸説があるが約50000年前?)。
3.3000年以上前の人類は意識を持っておらず(即ち自分という認識がない)、右脳が発する「神」の声に従い行動していた。
この状態は現在の統合失調症患者の行動と類似している。
4.意識発生後、徐々に聞こえなくなってしまった「神の声」(万能の絶対者)を求めて、宗教が興隆した。
5.その後科学が興隆し宗教が衰退したが、所詮科学も「真実」と言う万能の絶対者を求める宗教の亜流である。
6.上記4.5.は沈黙してしまった「神の声」を補償せざるを得ない人類の逃れられない性(^^;)
訳者は「サピエンス全史」の訳者でもある。
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