【MASH UP! KUWANA 2025】誘引餌「ジャンタニコイコイ」の開発の裏側に迫る!

皆様、こんにちは!
三重県 桑名市 スマートシティ推進課です。
桑名市では7月に最高気温40.8℃を観測し、全国1位の気温となりました🔥
皆様も、体調には十分お気を付けください。

さて、そんな熱いまち桑名市が策定した「くわなスタートアップ・オープンフィールド戦略」。スタートアップの革新的な技術やアイデアを街の課題解決に活かすこの取り組みのもと、事業共創プログラム「MASH UP! KUWANA」から様々なイノベーションが生まれています。

今回、ご紹介するのは、※昨年度の「MASH UP! KUWANA 2025」で採択された菊池拓仁さんの取り組みです。熊本大学大学院に在籍しながら、スタートアップ「株式会社QUINT」として活動する菊池さん。彼が挑んだのは、地域農家を悩ませる「対ジャンボタニシ」の実証実験です🌾
三重県、桑名市、そして地元の農家さんとともに行い、「MASH UP! KUWANA」登壇時にも大きな反響を呼んだこのプロジェクト。異色のキャリアを持つ若き起業家と地域がマッシュアップした、挑戦の全貌をお届けします!

MASH UP! KUWANA 2025にて登壇する菊池さん

1.稲作農家を脅かす「水田の魔物」と、重いコスト・労働負担

米どころ日本において、農家を最も悩ませる害虫の一つがスクミリンゴガイ(通称:ジャンボタニシ)です。南米原産で、年間2,000〜8,000個もの卵を産む圧倒的な繁殖力を持ち、放置すれば水田の稲を全滅させるほどの凄まじい食害をもたらします。

ジャンボタニシの被害は、単に収穫量が減るだけではありません。三重県が属する近畿地方のデータによると、ジャンボタニシが生息する地域では、生息しない地域と比べて10aあたり数千円〜2万円以上の追加の防除・対策経費が発生するとも言われています。さらに労働時間も跳ね上がり、「防除作業は4倍、管理作業は1.8倍」にまで増加。高齢化と人手不足に悩む日本の稲作農家にとって、極めて重い足かせとなっています。


2.農薬成分を一切使用しない誘引餌「ジャンタニコイコイ」

この深刻な課題に立ち上がったのが、スタートアップ「株式会社QUINT」の菊池拓仁さんです。菊池さんは熊本大学院の博士後期課程に在籍する現役の研究者でありながら、元陸上自衛隊予備自衛官、自動車メーカー勤務という異色の経歴を持ち、ビジネスコンテスト等で21タイトルを獲得してきた実力者です。

彼が開発したのが、稲よりも圧倒的に食いつく誘引餌のジャンタニコイコイです。
農薬成分を一切使用せず、ジャンボタニシが好む複数の栄養成分を分析して作られたこの餌は、設置後すぐに多くの個体を引き寄せる誘引力を誇ります。
捕獲機にジャンタニコイコイを入れ、捕獲することで、農薬の使用量を従来の4分の1に、さらに防除にかかる労働時間を90%低減させるという効果が実証されています👏

ジャンタニコイコイ

3.桑名市での実証実験:市販品との比較で見えたジャンタニコイコイの価値

2026年春、桑名市農林水産課や同市スマートシティ推進課、三重県桑名地域農業改良普及センター、そして地元の農家が協力し、実際の桑名市内の水田でジャンタニコイコイの大規模な比較実証実験がスタートしました。

実験では、箱型捕獲器を設置し、市販の誘引剤と効果を直接比較しました。5月12日から6月30日までの約1ヶ月半にわたる追跡調査の結果は…

初動の強さは市販品、しかし持続性はジャンタニコイコイが優勢となりました。
強い匂いを持つ市販品は、設置直後の初動の誘引力で強さを見せました。しかし、市販品は水に溶けやすく、約1週間後には分解して泥状になり消失してしまいます。
対するジャンタニコイコイは、初動の捕獲数こそやや劣るものの、驚異的な持続性を発揮。水中に設置しても長期にわたって形を保ち、効果が持続することがデータで示されました。


4.まだまだ続く開発とこれから

菊池さんと桑名市が目指すのは、単に良い餌を売ることではありません。誘引剤「ジャンタニコイコイ」の最適な設置手法を体系化し、誰でも高い防除効果を再現できるモデルの構築です。
今後は、ジャンボタニシの行動解析やドローン散布、さらには海外展開も視野に入れ、開発を進めていくとのこと。この挑戦が桑名市から世界へと広がっていくのが楽しみですね!

菊池さんからのコメント

KUWANA MUSH UPを通じて、自分の事業の実証を全力で支援していただける素晴らしい支援事業でございました。今後桑名市のみならず三重県発で製品展開をし、農家さんの負担が軽減されるようにしていきたいです。

そして今、桑名市では、菊池さんに続いて新たなチャレンジを行いたい方を募集しています。

「役所って、どうしてもお堅いイメージがある」
「新しい企画を提案しても、スピード感がなくて進まないんじゃない?」
いえいえ、そんなことはありません!私たちはこれまでの常識にとらわれず、新しい未来を一緒に創り出してくれるスタートアップの皆さまを、本気で募集しています!

その一環として、菊池さんに続く次なる挑戦者を募るプログラム「MASH UP! KUWANA 2026」の募集を開始いたしました!
桑名市を実証実験の場として、新しい事業を大きく育てていきたい方のエントリーをお待ちしております。募集要項などの詳細は、下記よりご確認ください。

▼「MASH UP! KUWANA 2026」の最新情報・事前案内はこちら
https://kuwana-city.eiicon.net/mashup2026