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子供にはすごい力があり、教師はそれを支えていく存在〜2026年度「日本生活科・総合的学習教育学会」福島大会レポート〜

2026年6月26〜28日、日本生活科・総合的学習教育学会の全国大会が福島県で開催されました。この大会は、今後の日本の教育のあり方を考える上でも大きな意味があると、文部科学省の田村学主任視学官も説明されてきています(記事URL:https://kyoiku.sho.jp/393027/)。そこで、この大会の3日間について、概要を紹介していくことにします。

中学生自身と地元の未来を探究する「ふくしま未来学」

初日は、東京電力福島第一原発の事故によって、長期の避難生活を余儀なくされた福島県双葉郡での「双葉郡スタディツアー」を開催。その一環として、福島県立ふたば未来学園中学・高等学校と大熊町立学び舎ゆめの森に分かれて、研究授業が行われました。取材者が見学した学び舎ゆめの森では、双葉郡内の中学生が集まり、それぞれが自身と地元の未来を探究する「ふくしま未来学」の1回目の交流会が行われました。

各校の子供たちがそれぞれ探究しているテーマを、大きくジャンル別に分類。「自分たちの未来」「文化の継承」「地域の産業」「交流の創出」など、12種に大別された内容によって各教室に分かれ、それぞれが探究し始めた内容や活動の方向を発表し、疑問や改善案などを出し合っていました。

例えば、浪江の地元産品を使った「なみえライスバーガー」プロジェクトに取り組むグループは、国内外からの来客を増やそうという意図や商品と試験販売の方法などを説明した後、「私たちが目指すのは、この商品を通年販売できる浪江の定番にすること。浪江に来たら『あれを食べたい』と思ってもらえるような商品にしたい」と説明します。他校の生徒からの「他のアイデアはあった?」との質問に、「浪江産のシラスのアイスクリーム」などの意見も出たと話し、近く予定する試験販売時にはオリジナルのキャラクターを描いた缶バッジもプレゼントするなどと説明していました。

このように、各校のグループが探究の意図や進捗状況などを説明。他校からより質の高い探究実践に向けた、質問やアドバイスを受けていました。

授業後、全員で集まって学習を振り返る双葉郡の中学生たち
授業後、全員で集まって学習をふり返る双葉郡の中学生たち(日本生活科・総合的学習教育学会の広報画像を転載)。

学習指導要領改訂論議でも大きな課題の「生成AI」がテーマの研究発表

2日目の午前は、福島市内の、ふくしま中央認定こども園、福島市立福島第三小学校、福島大学附属小学校、福島市立松陵義務教育学校、福島県立福島高等学校で、公開保育・公開授業が行われました。

例えば、第三小学校の3年の教室では、生活科での「まちたんけん」をふり返り、その間に訪ねていなかった校区内の山上にある羽黒神社で行われる12mの大草鞋を使った「福島わらじまつり」について探究。動機付けとなる、羽黒神社を訪ねて大草鞋を見る過程が、熊の市内出没によって急遽できなくなる中、授業者が苦労しながら探究過程をつくり上げた結果、熱量に個人差はあるものの、複数の子供が、祭りに関わる人たちの思いに触れながら、自分たちが祭りの存続に関わっていきたいという考えを発表する様子を見ていきます。

「福島わらじまつり」の探究を行っている3年生の授業の様子
「福島わらじまつり」の探究を行っている3年生の授業の様子(日本生活科・総合的学習教育学会の広報画像を転載)。

授業後には、子供の姿を基に多様な質問が出されましたが、その場で、熊の出没によって動機付けに苦労してきた過程を知り、それでも多くの子供が大草鞋に驚き、祭りに関わる人たちの熱に感動し、自分たちも祭りに関わっていこうという思いを発表する姿に、参加者も心を動かされていました。

午後は会場を福島大学に移し、多様な研究発表が行われました。まず、午後1時10分から3時までは、自由研究発表を実施。42の分科会に分かれ、約160のテーマでの発表が行われました。例えば、「架け橋プログラム」をテーマとした分科会では、幼保と小が連携を取る時期や方法、回数について、「園の運動会を見に行く」「小学校の運動会を見に来る」「生活科の時間を活用し、園児の体験入学のときに1年生が案内して一緒に遊ぶ」など、具体的な実践を説明。会場からの、計画作成の時期や参加者、検討方法などについての質問に対し、「計画を残せば形は残せるが、マインドが伝わらない。子供観と指導観が伝わることが大切だし、その人をつくっていくことが難しい」といった深い洞察からの回答が印象的でした。

さらに、午後の後半は課題別研究発表を実施。9つのテーマで発表が行われました。例えば、学習指導要領の改訂論議でも大きな課題の1つとなっている「生成AI」をテーマとした課題別研究発表では、関西大学の黒上晴夫教授をコーディネーターに、大商学園高校の原田秀一教諭と、大阪市立東田辺小学校の光田匠教諭が、それぞれAIを活用した実践を発表。100人以上が集まった参加者からは、多様な視点からの質問が出されていました(光田教諭の具体的な実践は以下URLでご覧ください:https://kyoiku.sho.jp/456230/)。

「子供たちは好きや得意なことに没頭して探究していくと、自ら学ぶ大きな力をもつ」

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