我が家はみんな食いしん坊
私はたまの外食以外は基本的に毎日晩御飯を作る。
結婚当初は妻が専業主婦だったので家事の大半を任せっきりにしていたがそれからウン十年で状況は大きく変わった。
今では家事は手が空いている方が率先してやるという暗黙のルールが出来上がった。
とはいえ私の方が圧倒的に早起きなので洗濯やちょっとした掃除なんかは日々やっている。
妻はお休みの日などに日頃手がなかなか行き届かないフローリングの床を拭いたり、お風呂のカビ取り、洗面台の掃除などに精を出してくれるので非常に助かっている。
料理に関しては妻は少々苦手意識があり特に献立を組み立てるのが苦痛らしい。
私は生粋の食いしん坊なので朝御飯を食べている時にはその日の晩御飯の事を真剣に考えている。
そんな感じなので我が家の料理担当に私が就任させていただいてもう結構長い。
大人の二人暮らしなのでその日思いついた料理を作らせていただいている。
妻は苦い物や辛い物、癖の強い食材はあまり好みではないのでその辺りのメニュー調整はしっかりしている。
例えばゴーヤーは私の好物であるが妻は見るだけで口の中が苦くなると言って調理しても決して箸をつけない。
ところが妻が苦手な食材は大抵私の好物なので、どうしても食べたい時は気にせずに二人前拵えてお弁当のおかずにしたりする。
私は幼い頃から母と一緒に台所に立つ機会が何かと多く、調味料のさしすせそから食材の目利き、旬の知識などを一通り叩き込まれたのでおのずと料理が好きになっていった。
父も食べる事が大好きで特に料理マンガを集めることに熱中しており、家には包丁人味平やスーパー食いしん坊、ザ・シェフ、クッキングパパ、美味しんぼ、味いちもんめ等と珠玉の名作がずらりと並んでいた。
なのでそれらのマンガを読むことでさらに料理は身近な存在になっていった。
実家は決して裕福ではなかったが食べる事に関しては財布の紐が緩みがちで年に一度か二度ある位の外食では何でも好きなものを頼めと大盤振る舞いであった。
とまあ、そんな環境で育ったので人の何倍も食に興味津々の今の私が出来上がった次第である。
今でもよく読む本は食べ物が出てくる小説やエッセイで、その中で登場した料理を再現してみる事もある。
またそういう遊びをしている時が抜群に楽しい。
実際に食べたことが無くても自分の舌を納得させるものが出来上がったらそれだけでもうかなり満足する。
思えば祖父も大正生まれの人にしては料理が好きだった。
バリバリの男子厨房に入らずの世代だが、土曜日に学校が半ドンの日に母が不在だと祖父がお昼ご飯を作ってくれたものである。
焼きめしが多かったが、刻んだラッキョウが入っていたり梅干しとシラスが具になっていたりとバリエーションは豊富だった。
祖母は料理があまり好きでは無かったみたいで私は一度も手料理を食べたことがない。
父に言わせると婆さんのチャーシューは美味かったというのだが、そんな手の込んだものを作るような人には思えなかった。
母が嫁入りした時に祖母から台所仕事を全権移譲されたそうで一緒に料理をした記憶は母にも全くないらしい。
一度でいいから幻のチャーシューを食べてみたかったなぁと思う次第である。
とまあ、我が家の家事分担から台所事情と私の食いしん坊のルーツをつらつらと書いてみたがなるべくして今の私があるのだなというのがよく分かる。
そんな食べる事大好き一家出身の私の昨日の晩御飯がこちら。
昨日は今シーズン初のお鍋。
豚しゃぶの支度をする。
お肉はそのままでいいのでとっても楽ちんである。
野菜は白菜と舞茸、ニンジン。
食べやすい大きさに切り分けたら下拵え完了。
副菜は長芋を小さな角切りにカットして、しその実をつけ込んだ自家製しそ醤油を回しかけたあっさりした一品。
もう一品はひきわり納豆。
何だかネバネバが多めだなと思いつつ鍋を居間に運んで火を点ける。
沸騰する直前に昆布を引き上げて酒をドバドバと加える。
妻といただきますをして食べ始める。
昨日は休肝日。
鍋に野菜を入れて蓋をして火が通るのを待つ間に長芋のしそ醤油和えをショリリとかじる。
しその実がプチプチと口の中で弾けて爽やかな風が吹く。
長芋との相性も良くて箸休めにうってつけ。
納豆は最近はナットウキナーゼの吸収率のいいひきわりを食べるようにしている。
そのうちに鍋が湧いてくるのでふたを開けて豚肉をしゃぶしゃぶしてゴマダレで頂く。
私がもたもたとお肉を鍋に入れているとそれだと煮えすぎるんじゃないと言って妻がしゃぶしゃぶ係を引き受けてくれた。
妻は若い頃に料亭で仲居のアルバイトをしていたので給仕はお手の物である。
抜群のタイミングでお肉を引き上げて私の取り皿によそってくれる。
これが火の通りが絶妙でお安い輸入肉のグレードがかなり上がっていた。
白菜や舞茸、ニンジンといった野菜の補充は私がしつつ連係プレイで晩御飯を楽しんだ。
あらかた具を食べ終えた後に締めにうどんを一玉いれて仲良く半分こ。
すっかり身体が温まってご馳走様。
鍋はやっぱり楽だなぁと思いながら後片付けをして、ここの所の睡眠負債を取り戻すために早めに就寝。
皆様のご家庭では家事の分担ってどうなっていますか?
お子さんのいる家庭だとやっぱりお母さんの負担が大きいのでしょうね。
とはいえお互いが仕事をしているとつい愚痴りたくなることもあると思います。
時には今日は俺に任せとけと胸をドンと叩ける旦那さんってかっこいいですよね。
あと大きな声では言えませんが料理上手は床じょ…ゲフンゲフン。
今の無しでお願いしまーす。
