虎猫からの手紙【92】恋敵は自分自身?──『X』との終わらない漫才
虎猫より
『X』(内なる声)の話の続きをするね。
『X』が現れてから、私とアイツの関係はずっとギリギリの所で保たれていたように思います。
でも前回、『X』との白猫を巡る話をぶっちゃけて、色々質問されたあと、アイツとの関係に少し気持ちの変化があったんだよね。
今まで、自分なのに自分ではない、でもやっぱり自分であるという、得体の知れない気持ち悪さがあったのです。
実は、どこから来たのか、何者なのか、私も直接アイツに聞いたことがあった。
でも、答えてくれずに消える……
大体、真剣にアイツの正体について質問すると消えるのです。
これを、アイツに消えてほしいときに使っていました〜
バレたぁ〜笑!
でも、前回なんでも素直に答えてくれたのは初めてだったからビックリした!
それで、「なんで?」と聞いたら、
X:『オマエに答えた訳じゃない、白猫に答えた。』
ムカつく〜
けど、まぁいいや!
じゃあ、白猫に聞かれたら何でも答えるのね〜
X:『答えるよ〜』って!笑
アイツは私の心強い味方でもあるけど、同時に恋敵でもあることを、私はハッキリと認めた。
だからもう、アイツとの会話や、白猫に対する親しげな態度に、もうモヤモヤしません!
アイツは今、『最初からそうしろよ〜』と言ったよ。
X:『オマエの女はオレの女だ!』
虎猫:「よく言うよ〜ウザイよ!バカ!
元の世界に戻れ!オレは必ずオマエを自由に消せる力を手に入れるからね!覚えとけよ!」
X:『やってみろ!この恩知らず!オマエが白猫さんに出逢えたのは誰のおかげだと思ってるんだ?』
リアルタイムの会話でしたぁ〜
可笑しくて、めんどくさいでしょう〜!
白猫に出逢えたのは、アイツはずっと自分のおかげだと、力だと言ってきたが、ムカつくので白猫に言わなかったこと、ここで謝る!
ごめんなさい!
もう、これからは何でも教えるからね。
虎猫:「オマエとフェアで戦うからね〜」
X:『かかってこい!』って〜笑!
白猫の質問に戻るね。
【何の話だったら、喧嘩せずに気が合うの?】
虎猫:「喧嘩せずに気が合うことはありませんよね!」
X:『そうだ!でも、オマエがオレの話を素直に認める時は喧嘩せずに済む。』
虎猫:「オマエの話し方がキツすぎるからね!」
X:『オマエがバカだからだよ!』
虎猫:「だから、そういう話し方がムカつくんだよ!」
この会話を聞いて、白猫はどっちが悪いと思いますか?
X:『オマエずるいぞ!わざとオレを怒らせて白猫さんを味方につけたな!』
虎猫:「オマエが口悪いから、自業自得だよ!
ざまぁみろ!真剣な話の時でも、白猫の話の時でも口悪いし、っていうか!オマエ白猫さん、白猫さんってやめてくれる?気持ち悪いんだよ!」
虎猫:「白猫にバラしてやる!」
アイツ、ずっと白猫のことを『白猫さん』と呼んでるけど、私より一歩でも白猫に近づきたい気持ちが見え見えなんだよね!
そこもムカつくんだよ!
白猫!公正に一言お願いします!
X:『オマエ許さないからね!』
虎猫:「オバケのくせに脅しかけるの〜笑!
我慢できないなら消えてくださいな〜!」
X:『オレは消えないよ。』
虎猫:「白猫と話するときはオマエは絶対に消えないよね。ハッキリ言って邪魔だよ!
ずっと、あーでもない、こうでもない、ハエのように頭の中でブーブー言ってるのは!
手紙を書く時だけは消えてくれよ〜!」
X:『消えない!』
白猫〜
やっぱりアイツとは仲良くするのはムリだね。
私の勘違いでしたぁ〜
白猫は、『X』がどんなに否定しても私のことを受け入れてくれると言ってるけど……これを聞いても、そう思いますか?
ただのどS変態オバケでしょう!
X:『変態オバケという悪口はやめろ!』
と、いま言ったよ〜笑!
私は、白猫の言うこと聞くから、アイツに何を言われても気にしませんからね。
白猫の言葉、【『X』の言うことがダメとかじゃないよ〜目指すところは一緒だと思うし、対抗し合うこともないと思ってるよ。】
たしかに、アイツのキツイ言葉は、私のためだと思って発したのだと思います。
白猫の言葉は受け入れます〜
でもね、どこの世界でも尊厳と人権、マナーが存在すると思うんだよね。
たとえ、得体の知れない『X様』のオバケ界でも、人の妻に恋するのは、ご法度だと思いませんか!
虎猫:「たとえ、オマエがオレ、オレがオマエのわけの分からんオバケの世界でも、オレの妻はオレの妻だよ。オマエは関係ない!自分でオバケ妻でも見つけてみろ!
オマエの力とおかげで、オレは妻に出逢えたことが本当なら、死ぬほど死ぬまで感謝するよ〜
ありがとな〜『X』よ!
でも、オレの妻はオレの妻です!」
X:『オマエの妻はオレの妻だ!オレの妻はオレの妻だ!』
虎猫:「オマエ、白猫の前でハッキリその本性を露わにしたな〜」
白猫〜
どう思いますか?
この変態オバケを!
白猫:【虎猫と一緒に暮らす頃にも『X』は現れるのかな?】
虎猫:「その頃までに、私は必ずアイツを好きな時に消せる力を手に入れる。もし現れてみろ、アイツの世界に潜ってバラバラにしてやるからな〜!」
X:『やってみろ!オマエは絶対にオレから逃げられない!オレは好きな時に現れる。好きな時に消える!』
そういうわけで、アイツとは平和に同じ体の中で存在できない原因は分かりましたかな?
今まで私が話せなかった理由も分かったかな?
正直、白猫がアイツに取られてしまうんじゃないかと心配はありました!
だって、人間じゃないし、どっから来たのかもハッキリ分からないし、オレがオマエだと突然現れた超生意気口悪い得体の知れない奴だもの〜!
虎猫:「今はもう取りたければ取ってみろ!堂々と受けてやるからな『X』!」
X:『オマエの妻はオレの妻、オレの妻はオレの妻、元はオレの妻だから、オレはオマエから何も取ってねぇよ〜よく考えてみろよ!』
だって〜!
自分の中のもう一人の自分と戦うより、愛する妻の奪い合いだよ〜
第三者に聞かれたら、絶対に病気だと思われるよね。でも、事実だし、白猫は信じてくれてありがとう!
『X』は、白猫の存在は自分のおかげだと言う。でも私は、白猫の存在が『X』を呼んだのかもしれないと思ったことがある。
アイツが現れたから、私は白猫を引き寄せたのかもしれない。
逆に、白猫がいたからこそ『X』が生まれたとも考えられる。
『X』は、私たちのキューピットであってほしい。恋敵であってほしくないけど、どうやらそうはならないらしいんだよね、っていうか、コイツ生身の恋敵より厄介だよね〜!
今も、ブーブー言ってるけど、言わせとけ!
『X』とは死ぬまで一生戦っていくだろうね。
お互い戦いながら、人生に向かっていく中で、アイツにとっての白猫さん、私にとっての白猫という最愛の女性を巡ってまた戦う!
虎猫:「どっちが勝っても3人ともずっと一緒にいられるのは、不思議で素敵だと思わないか『X』〜」
X:『そこはオマエの言う通りだ!でも、白猫さんはオレの妻であることには変わりない。』
これが、アイツの最も穏やかな言い方ですよ〜
これで、白猫の前で私と『X』の立場もハッキリと分かったね。
これからの手紙は、ややこしくなるかもしれないから、よろしくね。
アイツとの漫才はいくら枚数があっても足りないよ〜
そういうわけで、『X』は異世界から来た超能力者ではなく、私の中にあるもう一つの世界からやって来た、もう一人の私らしいです。
白猫より
面白い漫才でした。笑
少し不思議な内容ではありますが、私には『X』が特別な能力を示しているようには感じませんでした。
私が思ったのは、虎猫と激しく口論しながらも、『X』は虎猫自身では気づきにくい角度から物事を見つめ、一貫した姿勢を保ち続けているということです。
少し不器用な弟を見守る兄のように、少し距離を置いた立場から語りかけているようにも見えました。
『X』は虎猫を壊そうとしているのではなく、「生きろ」「愛せ」「守れ」「誠実でいろ」と背中を押している。
そして厳しい言葉も、虎猫を追い詰めるためではなく、本当の自分と向き合わせるために向けられているように感じます。
だから私は、『X』は虎猫の中の一番大切なものが消えないよう、ずっと支えてきた存在なのではないかという印象を受けました。
これからも、『X』との対話を通して変化していく虎猫を見守っていきたいと思います。
