虎猫からの手紙【66】愛が人の心に与えるもの─愛着形成と回復のプロセス
罪を犯した人の愛着形成は、どのようなものだったのだろうか。
虎猫は、それを自分の言葉で語ってくれました。
虎猫より
この前の手紙で、幼少期の愛着経験が、その後の人間関係や愛情の表現に影響を与えるという話があったけど、もちろん記憶はないんだよね。
ただ、愛着形成が不十分な人の特徴に、あまりにも多く当てはまる……
かなり愛着形成の薄〜い、カラカラな環境の中で育てられたんだなぁと思いましたよ〜汗
思い返せば、そうだろうなぁと思いましたね。
家族に対して、自分の中では強い絆のような繋がりを感じつつも、心に残る温かい感情のようなものはなかった。
特に父親に対しては嫌悪感しかなかった。
母親には、愛より「畏怖の念」のほうが強かった。
手紙に書いてある、愛着形成不十分な15の特徴の中の10個が当てはまった。
こんなに当てはまったら、ちょっと怖い〜笑
他人を信頼できない、感情コントロールが苦手、依存的傾向、衝動的な行動、リスクの高い行動、攻撃的な行動、反社会的な行動、自己肯定感の低さ、抑うつ的な気分。
不安障害は、一旦心がその不安事項に陥ると、抜け出せなくなるくらいエスカレートしてしまう傾向があるんです。
こうやって自分の内面を可視化すると、いかに異常であるかが分かるね……
今はほぼない感じだけど、全部消えたわけでもないんです。
なんで今まで自己嫌悪になったり、人間嫌いになったりするのか、これを見ると納得です。
白猫に出逢えなかったら、愛に触れなかったら、と思うとちょっと怖いよね。
愛との関わりで、こんなにも変わることを実感しました。
そして、幼少期に愛着形成が不十分で、愛情欠乏の中で育ったことが、
その後の心の育ちにどれほど大きな影響を与えるのかを、身をもって感じましたよ……
子どもにちゃんと愛情を注いで育てることの大切さを、改めて思いました。
年齢関係なく、愛に触れることや、日頃から愛を持って生きること、人と接することも大事だと思います。
愛を持てば、親切や心遣いや思いやりが生まれる。
人に温もりと心地よい感触を与えることができると、不必要な争いやゴタゴタも自然と減るし、世の中にとっても良いことだよね。
白猫のように、子どもに愛情を注いで育てること自体が、もうすでに世の中を良くする活動の一つになっているよね。
そして、この私も白猫の愛によって、人様に幸せを与えたいという考えを持ちました。
この世の中の「恵まれない」と言われる人たちが、少しでも笑顔になれるように、一緒に活動しようね。
白猫より
「記憶はないけど、感情の質は残っている」
これは、幼少期の愛着を表す、とても素直な実感だと思いました。
自分の感情と向き合い、自己理解と他者理解を深めることで、虎猫の視線はすでに「自分」だけでなく、次の世代や社会へも向かっています。
回復へと歩いている文章だと感じました。
私自身も、子どもの頃の温かな感情の記憶は薄いです。
けれど、虎猫の言葉からも分かるように、
愛着形成が不十分な人は、壊れているわけでも、愛せないわけでも、問題があるわけでもありません。
むしろ多くの場合、
感受性が高く、他人の痛みに敏感で、物事を深く考え、心で感じ取る資質を持っています。
愛着は子ども時代だけに限らず、大人になってからも、安全な関係や尊重される経験を通して少しずつ再形成されていくことが分かります。
子どもを育てる親として、愛着形成不十分な当事者として、虎猫の変化は「愛が人にどう作用するのか」を示す、生きた証拠だと感じました。
心の回復とは、何かを「取り戻す」ことではなく、関係の中で少しずつ育ち直していく過程であり、人生のどの時点でも「心に寄り添う関係」に出逢うことが、回復の可能性を生む鍵だと思いました。
