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虎猫からの手紙【97】『X』との対話①──「お前とは別であり、一緒でもある」

約40年前、懲罰房という極限状態の中で生まれたと語られる『X』。

虎猫の中にある、
「内なる声」ともいえます。

その声は、虎猫にとって忘れたい過去と結びついています。

しかし、その存在と向き合うことは、かつての自分を否定することではなく、自分自身を受け入れていく作業なのかもしれません。

今回も、『X』との対話を通して、虎猫自身の内側にある問いを見つめます。


虎猫より

虎猫: 「『X』は約40年前、ドブ(懲罰房)の中で生まれたんだよね。推定40歳で誕生日不詳ということでいいんだね〜」

X: 『ドブの中で生まれたとか、オレのことバカにするのはやめろ!オマエが忘れたかった過去だろうが。』

虎猫: 「悪かったよ!そういう意味じゃないよ。」

実は、前回の手紙のあと、『X』と色々話をしたんだ。
私が『X』の存在を無理やり自分の中に閉じ込めたわけじゃないことは、『X』も分かっているんだけど、長い間、人生をメチャクチャにされたことを目撃してきたせいなのか、なかなか許せなかったらしいです。

一番許せなかったのは、刑務所の中で生まれたのに、また刑務所に戻ることになったことです。
それは私も同じだった。刑務所に戻ることは、私にとって一番のトラウマだったからね。
人生をメチャクチャにしたことは謝ったよ。
心を閉じたこともね。仲良しとは言わないけど、なるべく喧嘩しないようにしたよ。

私も『X』という存在を、自分の中で少し整理できたのかな?
こんなことってある〜?って思ってる。
妄想じゃないかと思うほどだけど、リアルすぎるくらい存在感が凄いです。

『X』の質問いくね。

虎猫:「白猫の質問だよ、いいかい?」

X: 『遅いんだよ、オマエは。』

虎猫:「白猫の質問だけ答えればいいんだよ。
オレへの文句はいらないよ〜
白猫とオレが出逢えたのはオマエのおかげだと言ったよね。それはどういう意味?人の出逢いも引き寄せる力を持ってるの?」

X:『オマエが生きているから白猫さんに出逢えただろう。オレが出てきたからオマエは自分自身を受け入れられただろう。向き合ったから白猫さんと繋がっただろう。だからオレがいないとオマエは白猫さんと出逢わないんだよ。』

虎猫:「白猫がいたからオマエが生まれた、白猫の存在がオマエを呼んだかもしれないと思ったことを前の手紙に書いたんだけど、白猫がオマエを生んだのか?」

X: 『白猫さんがいたからオレが生まれたんじゃない。白猫さんの存在がオレを呼んだかもしれないのはオマエが勝手にそう思って書いただけだろうが!でも完全には間違ってない。白猫さんの存在がオレたちを引き寄せている。』

虎猫:「毎日ケンカ漫才をやっているの〜?と聞かれたけど、ほぼ毎日だよね~『X』!」

X: 『オマエがオレの言うことを受け入れ、白猫さんとの邪魔をしなければ済むことだ!』

虎猫:「邪魔なんかしてないよ!邪魔するのはオマエだよ〜手紙を書く度にブツブツ言ってくるだろう?ずっとだろう!もう慣れたし、気にしないけどね。白猫はどっちも悪くないって言ってるよ〜ちゃんと白猫に言うべきことは言うから。
だからもう今までみたいのはやめろよ〜」

X: 『………。』

虎猫:「ありがとう!オマエも見ていただろう?白猫はオレもオマエも愛しい存在だって。
オレたちはライバルかもしれないけど、白猫から見ると2人は一つだって…オレは複雑な気持ちだけど、それでいいのかい?」

X: 『それは白猫さんが決めること。オレは言うことない。オレはオレの繋がり方がある。』

虎猫:「オレもオレの繋がり方があるからな!
質問全部答えてくれるよね〜?と白猫が聞いてるよ。」

X: 『答えられないものもある。前にも言った。』

虎猫:「オマエは魂の声に近い存在なのかい?
それをオマエは認めるのか?」

X: 『オレはオマエにとって何の存在なのか。
それがオレの声だ。』

虎猫:「認めてるのかな?」

X: 『オレ次第じゃない。』

虎猫:「よく分からんけど、オマエは具体的な答えは教えてくれない。でも、私と白猫が間違っていたら『違う!』と教えてほしいと白猫は言ってたよ。」

X: 『そのための存在でもあるが、オマエの声でもあるから、すべての間違いを教えられるとは限らない。』

虎猫:「なんでオレに関係あるの?オレとは別人格だろう?」

X: 『オマエとは別であり、一緒でもあるのだ。』

虎猫:「余計分からんよ!」


白猫より

『オマエとは別であり、一緒でもあるのだ。』

一見すると、矛盾しているように聞こえます。

自分の心の奥から聞こえてくる『X』の声。

それは自分とは別のもののように感じても、自分自身の中から生まれたものなのかもしれません。

『X』は、自分が何者なのかをはっきり断言しませんでした。

『オレはオマエにとって何の存在なのか。それがオレの声だ。』

この言葉は、『X』自身の正体を説明しているようでありながら、同時に答えを私たちに委ねているようにも感じます。

「正体を決めることより、オマエにとってどういう存在なのかが重要だ」と返しているように読めます。

何者なのかという答えを急いで決めるよりも、虎猫がその存在と向き合い続けていること自体に意味があるのではないでしょうか。

この対話を通して、これからも人間の心の奥にあるものを見つめていきたいと思います。

次回、虎猫からの手紙【97】『X』との対話②──「私にも『X子』はいるの?」に続きます。


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