虎猫からの手紙【60】児童労働の現実と、当事者として生きた虎猫の想い
YouTubeで、カカオ農園へ出稼ぎに向かう11歳と6歳のアフリカの兄弟のドキュメンタリー動画を観ました。
そこには、家族を支えるために幼い身体で必死に働く姿が映されていました。
虎猫もまた、かつてその当事者の一人でした。
家庭の事情で小学校までしか通えず、14歳で日本へ出稼ぎに渡った彼にとって、この動画は決して他人事ではありません。
今回、その兄弟のエピソードを共有し、虎猫の視点と想いを聞きました。
虎猫の手紙
この兄弟の話は胸が締め付けられる思いでした。
私自身も、小さい頃から母の手伝いで物を売り歩いたり、14歳で日本に出稼ぎに来たことがあるけれど、この兄弟は次元が違うと思います。
きっと幼いながらも、「やらないと母親が困る」という、説明できない使命感みたいなものが心の中にあるのは、私と同じだろうね……
私もこの感覚が、刑務所に入るまでの自分をずっと支えていたのです。
教えられなくても自然と発生する、血の繋がりみたいなものかな。
私は貧しかったけれど、まだ食べ物で困ることはなかったし、学校も続けたければ続けられたかもしれない。
でもこの兄弟は、行きたくても行けない。
出稼ぎ先で、兄がインクのなくなったペンで弟に勉強を教えていることを思うと、胸が苦しくなりました。
昔の話ではなく、数年前の話だよね。
21世紀になっても、子供を奴隷のように使って利益を得ている現実が、世の中の格差を物語っていると思います。
貧しい家庭にとって子供は大切な即戦力です。
豊かな国ではあり得ないことですが、貧困国では当たり前の事実。
貧困を脱出する道は教育しかないと思います。
でも、貧しい家庭の親たちは、その知識もなければ生活の余裕もないのが現状でしょう。
この兄弟は母親思いだし、兄は涙を流しながら「弟を学校に通わせてあげたい」と語っている。厳しい環境に置かれた子供たちは、心の成熟が早い傾向にあると思わない?
労働させられた子供は、決して親を憎んだりはしないと思います。
逆に絆がより強く、堅くなると思う。
それは私自身が体験した。労働をやらされるほど親に対する感情が深くなる……不思議な感覚です。
将来、難民問題と関わる中で、子供たちの教育を第一に守らなければならないことは、心に固く思っていました。
親思いとはいえ、子供の頃から働かされる辛さを子供たちに与えることはしたくない!
教育を受けない子供がどんな人間になり、どんな人生を歩むのか。
子どもたちには、刑務所とは無縁の人生を歩んでほしいのです。
白猫より
虎猫は幼い頃から働くことが当たり前の環境にあり、進学よりも家族を支える道を自ら選びました。
「労働させられた子供は、決して親を憎んだりはしない」
この虎猫の言葉が、強く印象に残りました。
普通であれば、親を憎んでしまいそうな過酷な状況です。
それでも、虎猫やカカオ農園の兄弟の中には、憎しみではなく、家族を思いやる心が育っていました。
児童労働をしている子供たちは、学ぶ機会を奪われながらも、学ぶことに対してとても貪欲です。それは、学ぶことが希望であり、未来へつながる唯一の道だからなのかもしれません。
虎猫は、教育を十分に受けられなかったことが、自分の人生に影を落としたと感じているのかもしれませんが、私は勉強だけではなく、
「人としてどう生きるか」を学ぶ人間教育こそが大切だと思います。
家庭や学校、道徳、地域からの愛情、
そして『人として思いやりのある姿勢』を、大人が日々の生き方で示していくこと。
それは、子どもたちに恥じない大人であろうとする、私たちの役割なのだと感じています。
すべての子どもが、当たり前に笑い、当たり前に学べる日常を守るために。
私たち一人ひとりが、心のどこかにこの現実を留めておきたい──そう強く思います。
