お墓参りに行けないあなたへ。——それでも、ちゃんと繋がっている。
最後に、お墓参りに行ったのは、いつですか。
少し間があいている人ほど、
このまま読んでほしいと思います。
忙しかったから。
タイミングが合わなかったから。
そう思っているかもしれません。
でも——
本当は、少し違うのかもしれません。
行けば、思い出してしまうから。
あの時、言えなかった言葉。
ちゃんと伝えられなかった想い。
もう、戻れない時間。
それに触れるのが、少し怖い。
だから、なんとなく遠ざかってしまう。
でも。
それでいいんです。
本当に、いい。
お墓参りに行けていないあなたは、
冷たい人なんかじゃない。
むしろ——
ちゃんと、感じている人です。
今日は、昼と夜の長さが同じになる日。
少しだけ、時間の感覚がやわらぐ日。
過去と、今と、未来が、
静かに重なりやすい日です。
そんな日に、ひとつだけ。
覚えておいてほしいことがあります。
お墓に行かなくてもいい。
無理に、行かなくていい。
大切なのは、「場所」じゃない。
ほんの一瞬でいい。
名前を呼ぶ。
顔を思い浮かべる。
それだけで——
もう、繋がっています。
時間は、不思議です。
過去にあったことも、
まだ起きていない未来も、
ふとした瞬間に、今ここに現れる。
お墓は、その“きっかけ”にすぎません。
ただ、そこに立つことで、
思い出しやすくなる場所。
ある家族の話があります。
お父さんを亡くしてから、
毎年、お墓に通い続けた家族。
最初は、ただつらかったそうです。
でも、10年が経った頃。
長男が、ぽつりとこう言いました。
「見られてる気がすんねん」
だから、ちゃんと生きようと思う。
その言葉を聞いたとき、思いました。
お墓って、過去のための場所じゃない。
これからを生きるための場所なんだ、と。
もし、今。
少し立ち止まっているなら。
無理に変わらなくていい。
無理に行こうとしなくていい。
ただ——
ほんの少しだけ、思い出してみてください。
その人が、確かに生きていたこと。
そして、
その先に、今のあなたがいること。
……それだけで、いい。
でも、もし。
ほんの少しだけ、足が向くなら。
お墓に、立ってみてください。
何も考えなくていい。
ただ、そこにいるだけでいい。
きっと、気づきます。
後悔じゃない。
静かな覚悟が、残ることに。
「ちゃんと生きよう」
誰に言われたわけでもないのに、
そう思っている自分に。
お墓は、過去のための場所ではありません。
これからを、生きるための場所です。
いってらっしゃい。
