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我が家にゲーム機を置かなかった理由



「うちの子、ゲームばかりしていて困るのよ」

子どもが小さい頃、ママ友からそんな話をよく聞いた。

学校から帰るとすぐゲーム。

宿題より先にゲーム。

休みの日もゲーム。

「何回言ってもやめないの」

「取り上げると怒るのよ」

「ゲームばかりしていて、この先大丈夫かしら」

子育てをしていると、ゲームの悩みは本当によく聞いた。

でも、我が家にはゲーム機がなかった。

正確に言うと、ゲームを禁止していたわけではない。

ゲーム機を置いていたのは、近所に住んでいた私の母の家。

つまり、おばあちゃんの家だった。



子どもはゲーム。大人はおしゃべり。

私は、ときどき母の様子を見に行っていた。

もちろん、子どもたちも一緒に連れて行く。

子どもたちにとって、おばあちゃんの家は退屈する場所ではなかった。

ゲームがある。

私が母と話をしている間、子どもたちはゲームをしている。

子どもたちは退屈しない。

私は母とゆっくり話ができる。

大人の会話の途中で、

「まだ帰らないの?」

「暇なんだけど」

と言われることもない。

子どもはゲーム。

大人は大人の会話。

我が家にとっては、なかなか都合がよかった。


家にないから、毎日ゲームをすることもない

おばあちゃんの家に行けばゲームをする。

でも、家に帰ればゲームはない。

だから、

学校から帰ってすぐゲーム。

宿題より先にゲーム。

休みの日も一日中ゲーム。

ということにはならなかった。

「もうゲームやめなさい」

「いつまでやっているの?」

そんなことで毎日言い合うこともなかった。

特別なルールを作ったわけでもない。

ゲームの時間を厳しく管理していたわけでもない。

ただ、家に置かなかった。


もう少し外で遊んでもいいんじゃないかと思っていた

ゲームを禁止したかったわけではない。

でも、子どもたちには、もう少し外で遊ぶ時間があってもいいんじゃないかと思っていた。

特に我が家の息子を見ていると、学校だけでは体力を使い切れていないように思えた。

パワーが有り余っている。

一日中、教室で座って授業を受けている。

学校が終わって家に帰れば、また座ってゲームをする。

それよりも、外で走り回ったり、友達と遊んだり、体を思い切り動かす時間があったほうがいいんじゃないか。

私はそんなふうに思っていた。

我が家の場合は、家にゲーム機がなかったことで、ゲーム以外の時間も自然にできた。

学校から帰れば、友達と外で遊ぶ。

家ではゲームができない。

だから、自然とゲーム以外のことをする。

私には、そのくらいがちょうどいいように思えた。


ゲームをしないと、友達づきあいに困るのかな?

ママ友から、こんな話もよく聞いた。

家に帰ってから、友達とオンラインでゲームをするという。

学校で一日一緒に過ごした友達と、家に帰ってからもゲームを通してつながる。

「みんなで同じゲームをしているから、うちの子だけできないと仲間に入れないのかな」

そんな話を聞くと、少し考えたこともあった。

でも、実際には、公園には公園で外遊びをしている子どもたちがいた。

学校が終われば公園に行く。

そこには、外で遊びたい子たちがちゃんといる。

鬼ごっこをしたり、走り回ったり、ボールで遊んだり。

ゲームをしない子が、誰とも遊べないわけではなかった。

むしろ、外遊びをする子どもたちには、外遊びをする子どもたちの仲間がいた。

どうせ友達とつながるなら、会って遊べばいいのに。

私は、そんなふうにも思っていた。

直接会って、走って、笑って、遊ぶ。

私には、そちらのほうが子どもらしいように思えた。


今思えば、私が楽をするためでもあった

正直に言えば、子どものためだけではなかったと思う。

私が毎日、

「ゲームやめなさい」

と言いたくなかった。

ゲームを取り上げてケンカするのも嫌だった。

だったら、最初から家になければいい。

そして、母の家に行ったときには、子どもたちも楽しめる。

私は母とゆっくり話ができる。

子どもたちを連れて行くことも苦にならない。

今振り返ると、かなり合理的だった。

子どものため。

私のため。

母との時間のため。

みんなにとって悪くなかった。

ゲームを禁止する家庭もある。

時間を決める家庭もある。

自由にさせる家庭もある。

我が家は、ゲーム機をおばあちゃんの家に置いた。

ただ、それだけだった。

それが我が家にはちょうどよかったと思っている。


これまでの子育てについて

夫婦ともに高卒の私たちが、二人の子どもを育ててきた記録を書いています。

教育に詳しかったわけでも、特別な教育方針があったわけでもありません。

悩み、失敗しながら二人の子を育て、結果的に二人とも慶應に進学しました。

これは「こうすれば慶應に入れます」という教育法の話ではありません。

高卒の私たち夫婦が、子育ての中で悩み、失敗し、考え、気づいてきたことの記録です。

▶︎ 夫婦そろって高卒。それでも子ども二人が慶應に行った。
https://note.com/19691108n/n/n3a8fac9b6415