恋する香港 ー 1泊3日弾丸旅行記17
前日の寝不足の影響もなく、
6時間余りぐっすりと眠れたおかげで、
心地よい寝起きを迎えられた香港2日目の朝。
身支度を整えホテルを飛び出すと、
今日も太陽の光を微かに感じられるものの、
雲の多いどんよりとした空模様が
広がっていた。

昨日買った折り畳み傘を持っていくか
一瞬悩む。
ただ空腹には勝てず、
目星をつけていた朝食の店へと歩き出した。
すると、ほどなくしてパラパラと雨が降り出す。
やっぱり傘を取りに戻るべきか。
朝の混み合う時間帯にエレベーターを
往復するのも面倒だな、
なんて考えながら気持ちは揺れたが、
結局そのまま進むことにした。
──その判断は、見事に裏目に出た。
雨足は一気に強まり、
スコールのような大雨が、
まだ気温の上がりきらない香港の街を
冷たく包み込んだ。
道中にあった小さな公園のような場所で雨宿り。
10分、15分ほどだろうか。
激しかった雨は嘘のように弱まり、
なんとか傘なしでも歩ける程度に落ち着いた。
急いで店へ向かう。

そこは、
旅行前に香港のカップルYouTuberのvlogで
見つけた、ザ・ローカルなファストフード店。
トーストに目玉焼き、
そして名物のポークチョップが乗った一皿と、
レモンティーを注文した。
半分にカットされたシンプルなトーストに
半熟気味の黄身がとろりと絡む目玉焼き。
しっかりと味付けされたポークチョップの
旨みが重なる。
シンプルなのに不思議と満足度が高い。
こういう何気ない一皿に、
その土地の日常が詰まっている気がして、
やっぱりローカル飯はやめられない。
レモンティーは甘さ控えめでさっぱりとしていて、
自分で砂糖を足して調整するスタイルの、
軽やかな一杯だった。

ふと店の外に目をやると、
さっきまでの大雨が少しずつ
落ち着き始めている。
そこには、犬の散歩をする人たちの姿。
欧米人らしき飼い主と地元の人たちが
混ざり合い、
この街らしい国際色を感じさせる
朝の風景が広がっていた。
店内に目を戻すと、
タクシーの運転手らしき男性が路上に
車を停め、
ふらっと朝食をとりに来ている。
観光客向けではない、
この街の“いつもの朝”がここにはあった。
食べ終えて店を出る頃には、
雨はすっかり止んでいた。
結果的に、傘を取りに戻らなかったのは
正解だったのかもしれない。
そんな都合のいい解釈をしながら歩き出す。
このあとは、近くにある文武廟へ
立ち寄ってみることにした。
特別な目的地というよりは、
散歩の延長のような感覚で……
つづく。
