恋する香港 ー 1泊3日弾丸旅行記14
それぞれにヴィクトリアハーバーの夜景を
楽しむカップルやファミリーを横目に、
年齢的なものなのか、
久しぶりの海外旅行だからか
1人で居ることを考え過ぎたなと反省し、
思わず自嘲した。

これから向かう
アベニュー・オブ・スターズで
是非見てみたい俳優の手形の事を
考えてみることにした。
なぜ久しぶりの海外への旅の行き先を
香港にしたのか...
その答えの一部ともなっているのは、
彼これ30年ほど前、
10代の頃夢中になって観た
王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の
恋する惑星や
ブエノスアイレス
などの影響だ。

こーゆーところがカッコいい!
正直に言うと、
現在はあの頃に比べたら映画自体に対する
情熱もだいぶ冷めてしまい、
20代前半までは何度か見直した内容も
今では断片的になってしまった。
あの頃の僕は
メジャーなジャッキー・チェンの
アクション大作には目もくれず、
神奈川のはずれの田舎街では、
アングラでアートな雰囲気が漂っているであろう
王家衛作品を見ることが
オシャレで尖っている証だと思っていたし、
それは何も香港映画だけに限らず、
ハリウッドの大作なんかより
芸術性の高い単館系映画を見る事が
格好いいことを体現していると
信じて疑わなかった。

そんなマジョリティに反する= オシャレで
格好のいい事だと鼻息をあらくしていた
あの頃の僕は今の自分をみて
どう思うのだろうか、
30年の月日は僕自身もそうだし、
興味や価値観がずいぶん変わったなと。
夜風を受け海沿いを歩きながら、
再びセンチメンタルな気持ちが
込み上げてきた。
一人旅は内省をしたり、
時間や時代を超越して何かに思いを馳せるには
うってつけなのかもしれない。
様々な思考が蠢きながらも、
僕はお気に入りの俳優の手形の写真を
撮ったり、
自分の手を添えてみたりして、
アベニュー・オブ・スターズを堪能した。
歩いていて気づいたのだが、
ほとんどの人は夜景にばかり気が向いて、
等間隔に並ぶスターたちの手形には
あまり興味を惹かれていないように見えた。
興味関心なんてのは各々違うものだし、
僕は僕の旅を楽しめばいいのだと心に留め、
もう一つの目的ブルース・リーの銅像へも
足を向けた。
お恥ずかしい話、
僕はブルース・リーの映画をしっかりと
みた事はなく、
伝説的な偉人という観点でのミーハー心で
銅像を見に行ったが、
こちらも旅の予習でみたYouTubeの動画ほど
混雑しておらず、
なんだか拍子抜けしたと同時に
自分のミーハー心はさておき、
世の中の移ろいやすさや時の流れの速さを
感慨深く感じた。

って聞こえてきそうな
ブルース・リー像
海風は相変わらず静かに吹いていた。
30年前の自分が憧れた香港で、
これからの自分は何に憧れるのだろうか...
とふと考えずにはいられなかった。
つづく
