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朝は毎日事件現場

朝の我が家は、だいたい静かに始まらない。
目覚ましが鳴る前に起きている日もあれば、何度声をかけても布団から出てこない日もある。安定感はゼロだ。

小1の息子は、ランドセルを背負った瞬間に「今日の準備、全部終わった」みたいな顔をする。
連絡帳?水筒?給食袋?
そんな細かいことは、彼の中ではもう過去の話らしい。背負う=完成。そういうルールが、どこかで制定されている。

一方、年中の娘は靴下を履いたあとに立ち止まり、「なんか今日これ違う」と言い出す。
昨日まで普通に履いていたはずなのに、今日はしっくりこないらしい。脱いで、履いて、また脱ぐ。その間に時間だけがどんどん進んでいく。

親は時計を見て、ため息を飲み込み、声のトーンを調整する。
優しく言って、少し強めに言って、最後はなぜか笑顔になる。
怒るほどでもないけど、余裕はない。そんな微妙な気持ちの中で、朝は進んでいく。

やっと玄関を出る頃、子どもたちはなぜか満足そうだ。
今日もちゃんと朝を乗り越えた、という顔をしている。
親だけが、すでに一仕事終えた気分になっている。

でも、振り返ると少しだけ笑える。
このバタバタも、きっとあと数年したらなくなるんだろうな、と思うと、今の事件現場も悪くない気がしてくる。
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