250110 ”英雄たち”
今日のプレイ・リストから 083
デヴィッド・ボウイ
1987年6月6日、西ベルリンのブランデンブルグ門の前にある共和国広場で8万人を集める大きな野外フェスがありました。
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巨大なモニター・スピーカーが4基は東ベルリンに向けて設置されていました。前には鉄筋コンクリートで造られた高さ3.6mの壁がめぐらされています。壁の向こうには、こちらからは見えない聴衆が5千人も集まっていました。当時、東ドイツでは集会が禁じられていたにもかかわらず。
夕刻になってようやく40歳の男がステージに立ちました。「今夜はみんなで幸せを祈ろう。壁の向こう側にいる友人たちのために」とドイツ語で呼びかけました。デヴィッド・ボウイのグラス・スパイダー・ツアー、ベルリン公演が始まりました。
全24曲、アンコール3曲。15曲目に本曲「”英雄たち”」が歌われました。男女が「一日だけならボクらは”英雄”でいられる」と叫び、銃に狙われながらベルリンの壁の前でキスをするという悲痛な歌です。コンサート後、東ドイツで初めての、激しい抗議暴動が起こりました。
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その2年後、1989年11月9日、ついにベルリンの壁が崩壊しました。ボウイは2016年の今日、69歳で亡くなりました。翌日、ドイツ外務省は次のようにツィートしました。
Good-bye, David Bowie. You are now among #Heroes. Thank you for helping to bring down the #wall. https://t.co/soaOUWiyVl #RIPDavidBowie
— GermanForeignOffice (@GermanyDiplo) January 11, 2016
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多分、ボウイには音楽の故郷がありません。拠り所となる音楽がないのです。どんなスタイルも器用にこなし、そこそこ売れているのに落ち着きがない。
きっと、いつも違和感や疎外感、焦燥感にさいなまれていたんでしょう。だから、彼は流行のスタイルを追いかけ、目まぐるし変身し続けるしかなかったのだと思います。
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亡くなった日の二日前、最後のアルバムがリリースされました。死を予感して準備を進めていたんですね。最後の最後まで、人を喜ばせるために過剰に芝居がかった人でした。抱き締めたくなるほど好きです。今日はボウイしか聴きません。
