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目黒区美術館のバームクーヘンの意味。

 妻が興味を持ったので、目黒区美術館の岡田謙三の展覧会を見に行った。

 戦争前に日本で生まれた一人の美術家が、戦争の時代を経て、戦後にニューヨークに渡り、作品自体が根本的に変わる(変えざるを得ない)ことを示すような展示が、静かにされていた。

 それが、作家が50歳を超えてからのことだと、年表を見るとわかって、その時代の、その年齢での変化がどれだけ大変だったのかと想像すると、やはりすごいことではないか、と思った。

バームクーヘンの意味

 目黒区立美術館のミュージアムショップはこぢんまりとしているが、例えば、ポストカードが100円という低価格で、それは購入するたびに、今だにありがたい気持ちがする。

 さらには、展覧会ごとに、その展示に関連するグッズなどを販売もしていて、それは、展示を見たあとだと、やっぱりちょっと楽しい。

 今回は、関連商品としてバームクーヘンが売っていた。

 おいしそうだったこともあり、妻はすぐに、欲しい、というので、購入をしたのだけど、ふと思ったのは、このバームクーヘンは、展示とどのように関係しているのだろうか、ということだった。

 展覧会の受付でもあり、ミュージアムショップのレジも兼ねているスタッフの方がいたので、そのことを、聞いてみた。

 すると、その人は、少し考えてから、静かに、だけど、はっきりと答えてくれた。

 ちょっと笑われてしまうかもしれませんが…。

 そんな前置きをしてくれて、言葉を続けた。

 岡田謙三の中に、アルファベットのOが2つあって、そのOを象徴するバームクーヘンです。

 細かい点は違うのかもしれないが、そんな話をしてくれた。

 納得はできた。

 確かにバームクーヘンは、Oだった。ただ、それならばドーナツでもいいのかも、などとも思ってもいいのだけど、岡田謙三の作品を見たあとだと、そこにあるバームクーヘンの色味も含めて、他の選択肢はないように思えた。

 だから、実はかなり考えて選択して、さまざまな工夫や知恵を絞って、この商品にしたのだと思った。

 2つ購入した。かたちが崩れないように、カバンに気をつけて入れた。

バームクーヘンの味

 そのあと、公園に行って、座って、コーヒーなどを飲む機会があった。

 そのとき、そのバームクーヘンを半分ずつにして、妻と二人で食べた。

 カリッとした部分と、しっとりした食感の両方があって、おいしかった。

 バームクーヘンは、これまでの限られた経験だけど、そのおいしさの差がある。それは実感として分かっていたつもりなのだけど、今回は、おいしいバームクーヘンだった。

 家に帰ってから、違う日に、おやつとして、やっぱり半分ずつにして、妻と一緒に食べた。

 おいしかった。

 同じはずなのに、公園で食べたときと、少し違う味がした気がした。

 それは、ちょっと不思議だった。






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