歩いて帰ろう
おはようございます。
昨日は高校時代の友達と、むちゃくちゃ飲んできた。
駅で待ち合わせして、まずは昔からよく行っている中華料理屋へ。
ここの中華、安くてうまい。
しかも昨日は飲み放題。
もう飲むしかない。
ビールを浴びるように飲みながら、前菜、天津飯、チャーハン、エビマヨ……。
次々と料理が出てくる。
友達と昔話をしながら、
「そんなことあったなー!」
なんて盛り上がって、気づけば1時間。
かなりいい感じに酔っ払った。
普通なら、ここで帰る。
でも昨日の俺たちは違った。
「もう一軒いけるやろ。」
という謎の自信。

そして2軒目。
立ち飲み屋へ。
ここでも常連さんとたわいもない話をしながら飲む。
結局、そこでもしっかり飲んでしまった。
そして、そろそろ終電。
「今日はこのへんにしとこ。」
店を出て、電車に乗る。
無事、最寄り駅に到着。
あとは家に帰るだけ。
……と思ったら、
バス、もうない。
マジか。
仕方ない。
歩いて帰ろう。

家までは歩いて10分くらい。
普段なら余裕。
でも今日は酔っ払っている。
10分がめちゃくちゃ遠い。
しかも田舎なので、夜になると街灯がほとんどない。
暗い。
静か。
そして遠い。
歩いても歩いても、
遠い……。
遠い……。
遠い……。
そんな暗い道を一人で歩いていると、だんだん心細くなってきた。
そこで思いついた。
「そうや。歌でも歌おう。」
誰もいないし。
ちょっとくらい大きな声で歌っても大丈夫やろ。
ということで、気分よく歌い始める。
酔っ払っているので、いつも以上に感情が入る。
「俺、めっちゃ歌うまいやん。」
完全に気分は歌手。
1曲終わっても、まだ歌いたい。
そのまま2曲目へ。
暗い夜道を歩きながら、気持ちよく熱唱。
すると――
角を曲がった瞬間。
若い男女が歩いてきた。
「……。」
「……。」
目が合う。
「あっ……。」
向こうも一瞬止まる。
俺も止まる。
そして、お互い何事もなかったかのようにすれ違う。
……。
…………。
聞こえる。
後ろから、
クスクス……。
笑い声が聞こえてくる。
うわ。
やめてくれ。
恥ずかしすぎる。
さっきまで、
「誰もおらんし大丈夫。」
と思っていた俺。
よりによって、
一番見られたくないタイミングで人がいた。
しかも、よりによって若い男女。
普段なら誰も歩いてないような道なのに。
なんで今日に限っておるねん。
昨日の俺へ。
酔っ払って気持ちよく歌うのはいい。
でも一つだけ覚えておいてくれ。
田舎の夜道でも、たまには人が歩いてる。
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