格安FM音源シンセ M-VAVE FM-1 〜DX7クローンでは終わらない、1万円の実験的FMシンセ〜
格安中華ガジェットシンセ(なんと1万円)M-VAVEのFM-1を思わず買ってしまいました。aiの助けも借りてレビューを書いてみたいと思います。
中国製の小型ガジェットデジタルシンセです。
一応100円ですが全文読めるようにしておきます。
気にいったら買ってみてください。
最近は中国メーカーでギターエフェクターを作るメーカーも多いですが、このメーカー(M-VAVE)は以前から格安のFM音源内蔵キーボードコントローラーとか作ってて、気になってました。
このFM音源ガジェットシンセ 価格はaliexpressでなんと約1万円。
※何故か今(2026年6月26日)売ってませんが
それでいて、
6オペレーターFM音源
12音ポリフォニック
スピーカー内蔵
バッテリー内蔵
プリセット128個
シーケンサー アルペジエーター内蔵
エフェクター(フィルターも)6種類直列接続
という、スペックだけ見ると少し信じられない構成です。
いろいろ遊んでますが、予想以上に「ちゃんと作られたシンセ」でした。
良い点
第一印象は「安っぽくない」
まず驚いたのが外観です。
写真より実物の方が質感が良く、数万円クラスのガジェットと言われても納得できる出来です。最近、安い雑貨屋が増えてて、たまにかっこいい雑貨もありますが、同様に安いけど悪くない、という感じの質感です。シンプルなのが正解ですね。
ゴム鍵盤は好みが分かれると思いますが、Behringer系の簡易鍵盤よりは弾きやすい印象でした。
このゴム鍵盤やゴムボタンの質感は、どこか昔のCASIO製MSXパソコンを思い出します。
懐かしい感触です。
UIは意外なほどよく考えられている
FM音源というと「編集が地獄」というイメージがあります。
FM-1も決して簡単なシンセではありません。
しかし画面と4つのノブの連携が非常によく、ページ送りも分かりやすいため、本体だけでも十分音作りができます。

Volca FMも6オペFMですが、本体だけで本格的に編集するのはかなり厳しい印象があります。
一方FM-1は、オペレーターやアルゴリズム、エフェクトなどを本体だけで現実的に編集できるUIになっています。


アルゴリズム見ながら想像しないと音作りは難しいです
ただし、Elektron DigitoneのようにFMそのものを分かりやすく再設計したシンセではありません。
FMの考え方はそのまま残っているので、音作りにはやはり想像力と根気が必要です。
エンベロープもrateとlevelという昔からのFM音源と同じやり方ですね。
つまり、
「FMを簡単にしたシンセ」ではなく、「FMを触りやすくしたシンセ」という印象でした。
ちなみに、HOME画面だと音を波形で確認できます。

全体ADSRを載せた設計が面白い
個人的に感心したのがエンベロープです。

通常の6オペFMらしく、各オペレーターごとのエンベロープ編集はもちろん可能です。
それに加えて、音色全体へ作用するシンプルなADSRも搭載されています。
まず全体のアタックやリリースだけ調整して音色をまとめる。
必要になったらオペレーター単位で細かく追い込む。
この二段構えの設計は非常に実用的だと感じました。
FMの本質を残しつつ、普段使いしやすくしようという工夫が見えます。
エフェクト設計がかなり独特
FM-1で一番驚いたのはエフェクトです。
6つのエフェクトを自由に並び替えることができます。
しかもフィルターも「シンセの一部」ではなく、エフェクトの1つという扱い。

この発想はかなり珍しいと思います。
一般的なシンセは
OSC → Filter → Amp → Effect
という構成ですが、
FM-1は
FM音源 → エフェクトチェーン
という思想に近く感じます。
ギター用マルチエフェクターのような発想を取り入れているようにも見えます。
(M-VAVE、他の中国メーカーみたいにエフェクター色々発売してますね)
ちなみにFXキーでエフェクター設定モード(エフェクトチェーン)に入ります。エフェクターの順番入れ替えはSELキーで掴んでSELECTで並び替えなので楽です。
またエフェクター設定モードだとKNOB1-3が各エフェクターのパラメーター KNOB4がエフェクターのon offになります。
フィルターはかなりデジタル
フィルターも非常に個性的です。
滑らかなアナログ風フィルターではなく、かなり階段状に変化するデジタル感の強いキャラクター。
最近のシンセではここまで割り切ったフィルターは逆に珍しい気がします。
好みは分かれると思いますが、このクセもFM-1らしさの一つでしょう。
BLUETOOTH MIDIがついている
なんと、bluetooth midiがついてます。iPadのアプリとかから鳴らせますね。
※26/6/29更新 日本国内の技適がついていない可能性があり、それで販売していないのかもしれません。
購入とご利用にはご注意ください。
HOMEボタン長押しでBT on offができまして、標準だとoffになってます。
鍵盤が悪くない
好みもあるのと、弾きやすいかと言ったら微妙ですが、このゴム鍵盤私は好きです。
OCT+-がこの値段でも独立してるのは偉いです。
気になった点
惜しい点もあります。
同期が弱い
TRS MIDIはINのみで、現状はMIDIクロックやテンポ同期には対応していません。
そのため、
* アルペジエーター同期
* シーケンサー同期
などはできません。
コードモードがない
またコードモードも搭載されていません。
ファームウェアアップデートでこのあたりが追加されれば、ライブ用途でもかなり使いやすくなると思います。
パラメーターが数字だけのところも多い
パラメーターをグラフや絵で表現するのが波形とかアルゴリズムとか限られています。
数字だけのパラメーターも多く、またエフェクターのところみたく表示されてないこともあるので想像が必要になる場合もあります。
LFOやエンベロープがシンプル
elektronのdigitoneみたいに、複数のFM音源のパラメータ編集ができるとかそういうことはございません。
ピッチ(音程)とアンプ(音量)だけです。
波形は豊富ですが、スピードもそんなには速くなくて、90年台のYAMAHA EOSを思い出すようなシンプルなLFOです。
総評
FM-1は単なるDX7クローンではありませんでした。
低価格ながら、
* 本体だけで実用的に編集できるUI
* 全体ADSRという実用的な簡略化
* エフェクト中心の独特な設計思想
* フィルターをエフェクトとして扱う大胆な構成
など、独自の工夫が随所に見られます。
もちろんDigitoneのような親切設計ではありません。
「価格破壊」という言葉だけでは片付けられないシンセです。
約1万円という価格だけでも十分驚きですが、それ以上に驚いたのは、UIやデザイン、操作性までほれなりにきちんと考えられていることでした。
安価な製品によくある「とりあえず機能を詰め込んだだけ」という印象はありません。
シンプルで美しいデザイン、本体だけで編集できるUI、そしてFM音源らしい奥深さ。
UI/UXについては、この価格帯とは思えないほど完成度が高いと感じました。機能はRolandのMC-707などの方が圧倒的に豊富ですが、「FM音色を編集する」という一点に絞れば、FM-1の方が迷わず操作できる場面もあります。近年の中国メーカーは単なる低価格路線ではなく、UI設計そのものにもかなり力を入れてきている印象を受けました。
日本の電子楽器も頑張って欲しいですね。
10年くらい前からギターエフェクターでは中国製の安い機材が激増していた印象を受けてました。donnerとかもそうですが、ついに電子楽器でも増えてきたかというのが正直な感想です。
この価格帯ではかなり完成度の高い製品だと思います。
このメーカーはなかなかセンスが良いので、今後仲間のシンセがたくさんあると、従来のシンセなんかと含めて市場が広がるのを期待します。
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