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pasteltime
熱帯夜 | シロクマ文芸部
少年は、毎週お小遣いを片手に近所の水族館に行くのが日課だった
特に好きなのが、熱帯コーナー!
ジャングルのように生い茂る草木
一面大きな水槽にはたくさんのピラニアがいた
少年には持病があり
その後、手術の後遺症で一部が記憶喪失になってしまった
それでも体が覚えているかのように
毎週あししげく水族館に通った
気づいたら熱帯コーナーにいる自分が
とても不思議で、怖かった。
ピラニアの大群がまるで大きなおばけのように群れをなし少年に影を落とす
エアコンが弱く湿度の高い室内はまさに熱帯夜
少年は足がすくみ
ここから離れたくなる
額にあった大きな汗粒がスルリとこめかみを通って目尻に流れ、涙と混じって一緒に落ちた
「なんで僕はここにいるの。教えてお魚さん」
少年は怯えながらも、水槽に手を当て自分に向き合う。
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