データ活用|短期の得と長期の得を、同じ設計にする
データ活用やMIを推進するとき、ツールの良さを先に言いがちです。入れてみたのに、使われない。うまく回らない。そこで、データの取り方や入力のルールを決めないと始まらない、という入口に辿り着く。このnoteでも、表の形や空白の意味、ヘッダーの揃え方として、その手前を書いてきました。
ただ、そこまで来ても、「大事だから使おう」と意識を高めるだけでは、チームで使う、まで行きにくいと思っています。推進側に必要なのは、啓発より、使う理由が現場に届く設計です。
PoCでは短期を見せる。本丸は長期
相手の期待は、短期に寄りやすいです。PoCやトライアルでは、短期間で結果を見せられるテーマを選ぶことが多い。トライアル中は、その期待で進めてよい場面もあります。見せるために組んでいるからです。
一方で、MIやデータ活用の本丸は、長期のメリット側に寄ります。あとから使える表になる。次の実験の判断が楽になる。モデルが回る土台ができる。思想としては、「長期が大事」は理解してもらいやすい、と思っています。
難しいのは、理解したあとの方です。理解しただけでは、日々の入力やルールの実行に移るとは限らない。PoCの数字が終わったあとに、定着の話が残ります。トライアルでは短期を見せつつ、本丸は長期だと同じ場で持っておく。定着の設計では、その両方を分けて考えないと、あとから期待がずれます。
以前、失敗は早く見えて、成功は遅い、と書きました。成功側が見えるまでの時間が長いほど、途中の負担だけが目立つ。理解はあるのに手が止まる、が起きやすい理由だと思っています。
定着には、運用の短期の得も要る
定着で効く短期の得は、PoCの派手な精度だけではありません。今日の入力が少し楽になる。次に何を試すかの候補が減る。説明の材料が残る。そうした「いま効くこと」を、長期の土台づくりと同じ設計の中に置く。
意識を高めてから道具を渡す、より、道具と運用の中に短期の得が見えるようにする。チームでこれを使う、という認識は、啓発の結果というより、得が見えたあとに揃いやすい、と思っています。
その設計ができると、ボトムアップでも回りうる。出なければ、トップダウンでやれ、と言われるしか残らない場面もある。推進側が先に持つべきなのは、PoCで見せる短期と、定着で効く短期と、本丸の長期を、どこでどう見せるか、だと思っています。
短期の得と長期の得を、同じ設計にする。PoCの期待は短期に寄り、本丸は長期でも、定着には運用の短期の得が要る。意識の話の前に、短期で見せることと、長期で持つことを決める——いまの仕事では、そこが効くと感じています。
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材料研究×データ活用の実務的な話は、「データ活用の実務」マガジンにまとめています。
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