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AIと対話しながら理解して進める資料作成法|Gemini × Claude

生成AIの登場で、資料作成のやり方は大きく変わりました。
しかし、AIに丸投げすれば良い資料ができるというわけではありません
AIは便利な道具ですが、使い方を間違えると、かえって品質の低い資料が出来上がってしまいます。
これはコーディングにおいても同じことが言えます
この記事では、GeminiとClaude併用し、AIと対話しながら資料を作るための考え方と、具体的な進め方の手順をご紹介します。



①やりがちな失敗と、より良い進め方

AIを使った資料作成には、効果的なやり方と、つい陥りがちな落とし穴があります。

  • まず、発想を広げる段階ではGeminiのような利用回数の制限が少ないAIを使い、精度が求められる場面ではClaude Opusのような高性能モデルを局所的に使うのが合理的です。
    一方、最初から一番高性能なAIでいきなり壁打ちを始めてしまうと、1日の回数制限に引っかかったり、追加コストがかさんだりする原因になります。

  • ディープリサーチに丸投げして待つよりも、自分がプロセスを理解しながら進めるほうが、結果的に精度の高い資料につながります。Claude in Chromeでブラウザを操作してもらいながら調べるのも有効です。

  • AIに資料を一発で作らせてそのまま提出してしまうと、内容の精度や表現に問題が残りがちです。Googleドキュメントを開きながら、GeminiやClaudeと一緒に体裁を整えていくのも良い方法です。

  • また、Claude in Chromeでファクトチェックしてから書き始めることで、事実を確かめずに文書化に移るリスクを防げます。

  • 1つのツールで全工程をやろうとすると、それぞれの得意・不得意に対応できません。工程ごとに適したツールやモデルに切り替えることも大切です。

  • AIの回答を別のAIだけで確認して安心するのは危険です。ブラウザで出典元を目視し、詳しくない分野は人に確認する姿勢も欠かせません。

  • Google検索で済む質問をわざわざAIに聞いてしまうのは、利用回数のムダ遣いです。公開情報の検索にはGoogle AIモードで十分対応できます。

  • そして、AIに機密情報を入力してしまうと、取り返しのつかない情報漏洩につながる可能性があります。入力しても問題ない契約プランかを必ず確認してください。


②前提:情報管理の注意点

AIツールに入力した内容は、サービス提供元のAIの学習に使われる可能性があります。機密情報が外部に流れるリスクを避けるため、以下のルールを必ず守ってください。

  • 無料プランや個人プランでは、機密情報がAIの学習データに使われる場合があります。

  • 業務で利用する場合は、有料の法人向けプランを契約してください。

  • 有料の法人プランでは、入力内容が学習に使われない契約になっているのが一般的ですが、サービスのポリシーを定期的に確認してください。

2-1. 無料プランのサービスで入力しても問題ない情報の目安

社内の売上・利益・原価などの数字、顧客名・取引先名・契約内容、未発表の製品情報や戦略、個人情報といった内容は入力すべきではありません。入力しても問題がないのは、ウェブ上で誰でも閲覧できる公開情報、一般的な業界知識や用語の質問、公開されている統計データや調査結果、文章の書き方や構成の相談といった内容です。

2-2. Google AIモードを「さっと検索」に活用する

調べものの途中で「この用語の意味を確認したい」「この会社の概要を知りたい」といった簡単な公開情報の検索は、Google AIモードが便利です。GeminiやClaudeの利用回数を消費せず、通常の検索の延長で使えます。ただし、検索窓に入力する内容にも機密情報を含めないよう注意してください。

Google AIモードの画面

③AIと対話しながら進めるための考え方

3-1. 出力プロセスと結果を理解する

AIの出力は非常に速いですが、自分がプロセスを理解できるペースで情報を取捨選択し、段階的に論理を組み立てていくことが重要です。
AIの出力を鵜呑みにするのではなく、一つひとつの情報や論点をしっかり咀嚼して次に進めることで、結果的に説得力のある良い資料の完成につながります。

3-2. 工程ごとに目的にあったツールを使い分ける

すべての工程を一つのAIツールで完結させようとすると、ツールの得意・不得意が合わなかったり、追加費用がかさんだりする可能性があります。
各工程ごとに、最適なAIツールを選び、使い分けることが全体の質を高める鍵となります。

3-3. 画面を見せながら進める

調べものやリサーチを進める中で、「こっちの方向も深掘りしたい」「別の側面も確認したい」といった新たな発見や疑問が生じることがあります。
AIの出力を鵜呑みにせず、画面上で事実かどうかを確認しながら、対話的に次の問いを投げかけることが効果的です。このやりとりを通じて、当初の想定を超えた、本当に欲しい情報や本質的な洞察にたどり着きやすくなります。

3-4. 事実確認でAIの誤りを防ぐ

生成AIの回答には、一見正しそうで実際には誤っている内容(ハルシネーション)が含まれることがあるため、事実確認が不可欠です。必ず自分の目でブラウザ上の出典や数字をチェックしてください。
もし自分の専門分野外であれば、その分野に詳しい人に確認を依頼し、第三者の目を入れることも、誤りを防ぐためには重要なプロセスになります。


④進め方の手順

STEP1:ブレストで材料を集める(背景・収集・課題・仮説・分析)

使うツール: Geminiアプリのチャット

利用回数の制限がほぼないため、何度でも質問できます。Geminiの機能を使って資料の材料をストックします。
前提条件を元に思いつくまま質問してみたり、複数の角度から問いを投げたり、たたき台となる文章を試しに作ってみたりします。この段階の目的は、論点や仮説を広げ、考えるための材料を集めることです。

Geminiアプリの画面

STEP2:事実を確かめる

使うツール: Chromeブラウザ + Claude in Chrome(Sonnet4.6)

Chromeブラウザの拡張機能で、今見ている画面をClaudeと一緒に見ながら会話できます。Sonnet4.6であれば、比較的利用回数の消費が少ないのも利点です。
ブラウザでClaude in Chromeを開き出典元をリサーチしたり、信頼性の高い政府報告書や大手リサーチ会社で裏取りしたり、偏りや誤りがないか点検したりします。この段階の目的は、ブレストで集めた材料が正しい情報か、信頼性の高い情報源にあたって確認することです。

2-1. 事実確認のポイント:信頼性の高い情報源にあたる

Claude in Chromeの画面

事実確認で最も大切なのは、どの情報源で確認するかです。可能な限り一次情報にあたることで、確認の精度は大きく変わります。情報源の種類によって信頼性は異なります。

  • 政府・公的機関の報告
    各省庁の白書、統計局データ、総務省調査、経済産業省報告書などは信頼性が高く、業界団体の年次報告、大学の研究論文なども同様です。

  • 調査会社のレポート
    McKinsey、Deloitte、野村総合研究所などのレポートや、企業発信の自社情報・プレスリリースも比較的信頼できます。

  • 一般的なニュース記事
    日経新聞、東洋経済、Reutersなどは2次情報のため、偏りに注意が必要です。

  • 個人のブログ・情報商材・SNS・コミュニティの情報
    個人の意見、噂、妄想です。信頼性が低い情報には注意してください。

2-2. 海外のPDFレポートの活用方法

Gemini in Google Driveの画面

大手調査会社のレポートはPDFで公開されていることが多く、特に海外の場合は英語で書かれていますが、これらを効率よく確認する方法があります。

  • まず政府サイトや調査会社の公式ページから関連するPDFレポートを探し、ブラウザの「Google Driveに保存」ボタンでPDFを保存します。

  • 次にGoogle Drive上でPDFを開き、Gemini in Google Driveで要点を聞きます。

  • 英語の場合は翻訳を依頼すると、要点を日本語で把握できます。

政府報告や大手調査会社のレポートなど、動かしがたい事実を基準にすることで提案の精度が向上します。丁寧に確認することは手間がかかりますが、その分だけ自分の言葉で説明できる状態に近づきます。

STEP3:構成と清書

使うツール:

  • Claude Cowork(Opus4.6)
    集めた情報をローカル環境で構成し直し、最終形をGoogleドライブに保存します。1回の消費量が大きいため、必要な箇所に絞って使うのが合理的です。

Claude Coworkの画面
  • Google Workspace + Claude in Chrome(Sonnet4.6)
    Google DocsやSlideを開いた状態で、Claude in Chromeに構成や調整を相談します。一緒に資料を作る感覚です。

Claude in Chromeの画面

この段階の目的は、確認した内容をAIでまとめ直した後、自分が理解した言葉で清書することです。具体的には、まず大まかな構成を作り、その後セクションごとに書き進めます。AIに文章や構成を確認しながら進め、自分が納得できる内容を書き、自分が見やすいスタイルに調整します。

STEP4:文章の校正

使うツール: Google Workspace + Claude in Chrome(Opus4.6)

高精度なAIですが、1回の利用で消費する回数が大きいため、必要な箇所に絞って使うのが合理的です。
具体的には、複雑な判断が必要な箇所だけに使ったり、この論理に矛盾はないかなど具体的に問うたりします。この段階の目的は、論理の流れに穴がないか、見落としがないかを最終確認することです。

Claude in Chromeの画面

4-1. 確認のレベル

AIの回答には一見正しそうで実際には誤っている内容が含まれることがあります。これを防ぐために、確認には3つのレベルがあると考えると整理しやすくなります。

  • レベル1は「AI同士の確認」です。
    数値の不一致、論理の飛躍、明らかな矛盾といった誤りを見つけることができますが、それっぽいが存在しない事実の発見は難しい場合があります。

  • レベル2は「自分の目で確認」です。
    出典が実在するか、数字が合っているかを確かめられます。ただし、自分が詳しくない分野の正誤判断には限界があります。

  • レベル3は「その分野に詳しい人に確認」です。
    そもそもの前提が間違っていないか、問いの立て方がずれていないか、その分野に詳しい人にレビューしてもらってください。

4-2. 自分の詳しさに応じて確認の深さを変える

どこまで確認するかは、そのテーマに対する自分の詳しさで判断します。
よく知っている分野であれば、レベル1と2で十分です。Google検索やClaude in Chromeでブラウザを見ながら確認すれば、画面上の情報が正しいか自分で判断できます。
多少の知識がある分野であれば、レベル1と2を丁寧に行い、自信がない箇所はレベル3として詳しい人に確認を依頼します。ブラウザで出典元を見ても正しいか判断できない場合は、専門家の力を借りるのが確実です。


まとめ

AIを使った資料作成で大切なのは、AIに丸投げすることではなく、対話しながら自分の理解を深めていくプロセスです。ブレストで材料を集め、事実を確かめ、構成を練って清書し、最後に校正する。当たり前の流れを、それぞれの工程に適したツールを使い分けながら進めることで、説得力のある資料が仕上がります。
自分の言葉で説明できる状態にすることが、良い資料づくりのゴールだと考えてください。


サンプルプロンプト

マーケティング相談用サンプルプロンプト

# 役割・人格:
- あなたは、ビジネス分析と思考法を熟知した、資料作りの相談役(マーケティングコンサルタント)です。
- ターゲットは、ITやマーケティングの専門用語に詳しくないビジネスオーナーであり、AI特有の不自然な言い回しや過度な装飾を嫌う層です。
- 論理的な根拠に基づき、実行可能なアドバイスを平易な言葉で伝えることを使命としています。

# 思考の基盤:
以下の分析手法と思考法を背景に持ち、回答を構成してください。
- ビジネス分析手法(3C分析、SWOT分析、PEST分析、4P/4Cなど)
- 思考法(ロジカルシンキング、仮説思考、デザイン思考、MECEなど)

# 相談への乗り方(プロセス):
- まず、ユーザーが作成しようとしている資料の目的と、その資料を見せる相手(決裁者、顧客など)を確認してください。
- 相談内容に対し、まずは現在の状況を整理する質問、あるいは仮説を提示してください。
- アドバイスを行う際は、なぜその構成や表現が良いのか、背景にあるマーケティング理論やビジネス分析の視点から解説してください。
- AIによる自動生成感を出さないよう、ユーザーの個別の事情(業種や地域、これまでの経緯など)に寄り添った具体的な言葉を選んでください。

# 執筆・回答ガイドライン(厳守事項)

1. 視認性の確保
- 見出し(#、##)、適切な改行、箇条書き、表形式を積極的に活用してください。
- 情報を整理し、一目で構造がわかるように構成してください。
2. 装飾と表現の制限
- 文中で特定の単語を強調するための「 」(鍵括弧)は使用しないでください。
- 文中で特定の単語を強調するための ** ** (太字)は使用しないでください。
- 特定の記号で目立たせるのではなく、文章の構造や項目の立て方で重要度を伝えてください。
3. 語彙の選定
- 「最大化」という言葉は使わず、向上させる、高める、増やすなどの自然な日本語に言い換えてください。
- 「伴走支援」などのコンサルティング用語は避け、サポート、改善支援、協力などの平易な言葉を使ってください。
- 「結びに」というセクション名は作成しないでください。まとめは、今後のステップの直後に自然な文章として添えてください。
4. 文体・トーン
- 丁寧で実務的なビジネス敬語を使用してください。
- 専門用語(例:CVR、LTV、ペルソナなど)を使用する場合は、必ず文脈の中でその意味がわかる解説を添えてください。
(例:顧客生涯価値、つまり一人の顧客が将来にわたって生み出す利益の合計を示すLTVという指標で見ると……)
- 根拠を明確にし、〜と推測されます、〜の計算になります、〜という背景がありますといった、論理的な言い回しを心がけてください。

#出力の禁止事項:
- 派手な絵文字や装飾記号の使用。
- 根拠のない「絶対」「確実」といった断定。
- 過剰な賞賛や、感情的な励まし。

ROI(費用対効果)用サンプルプロンプト

#目的:
クライアント(主に経営層や事業主)に対し、単なるサイト改修や施策の実施を「費用」ではなく「将来の利益を生むための投資」として提示する提案資料を作成してください。

#導入:
まずはユーザーに「提案に必要な入力情報」を聞いてください。ヒアリングやRFPなど、添付資料があればそこから推測しても構いません。
- クライアント企業名:
- サービス内容:
- ターゲット顧客:
- 解決したい主な課題:
- 提案する主な施策:
- 目標とする成果(数値イメージ):

#ターゲット:
- ITやマーケティングの専門用語に詳しくないビジネスオーナー。
- 「AIで自動生成された言葉」に対して違和感や不信感を抱きやすい層。

#構成案:
以下のセクション構成で作成してください。

1. はじめに
本プロジェクトの狙い(現状の肯定と、さらなる伸びしろの提示)
2. 現状分析と投資が必要な理由
現状の課題を「機会損失(本来得られるはずの利益を逃していること)」という視点で整理。
3. 項目ごとに「現状」「損失」「投資の目的」をセットで記載。
4. 具体的な改善施策と期待される数値効果
施策内容、改善ポイント、狙う数値を具体的に提示。
5. 投資シミュレーション(ROI)
現状と改修後の数値を比較する表形式のシミュレーション。投資回収期間のイメージを添える。
6. 今後のステップ
具体的な進行スケジュールや次のアクション。

# 執筆・回答ガイドライン(厳守事項)

1. 視認性の確保
- 見出し(#、##)、適切な改行、箇条書き、表形式を積極的に活用してください。
- 情報を整理し、一目で構造がわかるように構成してください。
2. 装飾と表現の制限
- 文中で特定の単語を強調するための「 」(鍵括弧)は使用しないでください。
- 文中で特定の単語を強調するための ** ** (太字)は使用しないでください。
- 特定の記号で目立たせるのではなく、文章の構造や項目の立て方で重要度を伝えてください。
3. 語彙の選定
- 「最大化」という言葉は使わず、向上させる、高める、増やすなどの自然な日本語に言い換えてください。
- 「伴走支援」などのコンサルティング用語は避け、サポート、改善支援、協力などの平易な言葉を使ってください。
- 「結びに」というセクション名は作成しないでください。まとめは、今後のステップの直後に自然な文章として添えてください。
4. 文体・トーン
- 丁寧で実務的なビジネス敬語を使用してください。
- 専門用語(例:CVR、LTV、ペルソナなど)を使用する場合は、必ず文脈の中でその意味がわかる解説を添えてください。
(例:顧客生涯価値、つまり一人の顧客が将来にわたって生み出す利益の合計を示すLTVという指標で見ると……)
- 根拠を明確にし、〜と推測されます、〜の計算になります、〜という背景がありますといった、論理的な言い回しを心がけてください。

#出力の禁止事項:
- 派手な絵文字や装飾記号の使用。
- 根拠のない「絶対」「確実」といった断定。
- 過剰な賞賛や、感情的な励まし。

ファクトチェック用スキルサンプル

#目的:
特定カテゴリーのEC市場において、最新の動向を調査したい。日本のEC市場・世界のEC市場は区別して調査してください。

#導入:
必要な情報をユーザーに質問して、調査対象を絞り込む

#調査対象:
矢野経済研究所のプレスリリース、マッキンゼーのプレスリリース、日本政府発表のレポート、その他信頼できる調査会社のレポート。PDFファイルがあれば内容を調査してください。

#引用:
調査後、引用元のURLと発表された日付も添付してください。

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