七夕の歩幅|毎週ショートショートnote
七夕には、彼と神社へ行く。
幼馴染の二人の恒例行事だ。
願い事を書いた短冊を、笹に結んで帰る。
小さい頃は、手をつないで歩いた。
浴衣姿の二人。
同じ速さ、同じ歩幅。
いつからか私は、
早足にならないと、隣を歩けなくなった。
高校生になった今は、彼は私の前を歩いている。
私は、その背中を見ている。
私は手の中の短冊を握りしめる。
彼が立ち止まり振り返る。
「遅いぞ」
その時、気づいた。
歩幅は違ってしまったけれど、
二人で神社に行くのは変わらない。
彼は私を待ってくれている。
私は短冊に今年も同じことを書いた。
ずっと叶わずにいる願い。
「好きだと言えますように」
追いついた私は、せき込んで彼に尋ねた。
「ねぇ、短冊になんて書いたの?」
「アホか。願い事をばらしたら意味ないだろが。」
彼が視線を逸らしたと思ったのは、
私の気のせいだろうか。
田原にかさんの毎週ショートショートnoteに参加します。
今週のお題は「七夕の歩幅」
田原にかさんの創作のヒントが参考になりました。
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