音楽レビュー - the pillows「パントマイム」(1990)
【情報】
the pillows
Indies 1st. mini album
1990.05.21 out!!

キャプテンレコード
GONG-6021
全作詞曲 : the PILLOWS (#1,3~5 作詞曲:山中さわお / #2 作曲:上田ケンジ 作詞:山中さわお)
STAND UP AND GO
夢のような約束は…
RAZORLIKE BLUE
パントマイム
エネルギー
the pillowsのインディーズ・ファースト・アルバムで、通称第一期の第一作品。1998年に再発されたが廃盤となり、現在はオークション等で高額で取引されるという状況になっている。
「STAND UP AND GO」、「RAZORLIKE BLUE」、「パントマイム」は山中がピロウズの前にやっていたバンド・THE COINLOCKER BABYSの楽曲であるが、山中は「パントマイム」については、「努力してまで、その曲を聴こうと思わないでほしい」と語っている。
現在のthe pillowsの所属事務所はバッドミュージックであるが、「パントマイム」リリース時は違う事務所に所属していた。「パントマイム」の版権についてはその事務所が管理しており、山中によると「1998年の復刻時にも一切連絡がなく、ファンからの手紙で初めて知った」、「当時も今も、一切お金(印税)を払ってもらっていない」との事(2004年1月19日「PENALTY LIFE Tour」京都MUSE HALLでのMCにて発言)。
2012年10月24日リリースのオムニバス盤「ミク★パンク 80's オン キャプテンレコード」にて「RAZORLIKE BLUE」が hr@えっちPによりカバーされているものの、本人らによるセルフカバー盤などへの収録は行われていない。ライブでも長らく演奏される事はなかったが、2014年1月21日に初代ベーシスト・上田ケンジを迎えて新宿LOFTで行われたライブにおいて「RAZORLIKE BLUE」、「エネルギー」の2曲が久々に披露されている。
【レビュー】
2025年現在、安くても5000円で取引されている本作。
ネットで中古を3000円で見つけ、思わず購入しました。手に入れたのは、1998年に発売された復刻盤。歌詞カードには、同時期に復刻された他のCDのリーフレットや、当時を知る人物によるライナーノーツが掲載されていました。
しかし、その内容には少し違和感を感じました。
まず、ボーカルの「山中さわお」さんの名前が「山中さわを」と誤記されていたり、「ファン待望の復刻!」と大きく謳われているものの、
Wikipediaによると実際にはさわおさん自身が「1998年の復刻時にも一切連絡がなく、ファンからの手紙で初めて知った」「当時も今も、一切お金(印税)を払ってもらっていない」と語っているのです。
つまり、旧所属事務所が権利を持っているため、本人たちの関与や監修は一切なく、ライナーノーツの内容もどこまで本当なのか疑わしい。
正直、そこにバンドや曲への愛情は感じられませんでした。
また、さわおさんが「努力してまで、その曲を聴こうと思わないでほしい」と語っていたのも、「若いころに作った作品を聴かれるのは恥ずかしい」という気持ちだけでなく、こうした複雑な事情が背景にあったのだろうと、改めて思わされました。
ファンとしては複雑な気持ちですが、作品自体にはthe pillowsの原点が詰まっています。高額転売されて手に入りづらい本作ですが、せっかく手に入れたので、大切に聴き続けたいと思います。
