【SS】ドローンの課長
「部長、私は反対です。彼が我がドローン課の課長になるなんて。」
「なぜだね?」
部長と呼ばれた男は、ゆっくりとした口調でドローン課の操縦係長に訊ねた。
「彼は責任感がなく、危ないと思ったらすぐ持ち場を逃げ出します。」
「それで?」
「そのまま雲隠れしちゃうんです。残された人が苦労する。」
「ああ、知っている。」
「それじゃあ、なんで彼を。」
トントン。
部長室の扉が叩かれた。
「入れ。」
部長の秘書が部屋に入る。
「部長、やはり直接操作するしかないようです。GPSやジャイロの情報は狂わされてしまう模様です。」
「ああ、わかった。ありがとう。下がっていい。」
秘書は、部屋から出て行った。
「係長、聞いての通りだ。これからドローンの操縦は、電波の届く範囲に限られる。危険性も増すわけだ。」
「覚悟はしていましたが…。」
「そこでだ。ドローン課員には、うまい雲隠れの方法を習得してほしい。そのための課長だ。」
「我々に、雲隠れドローンの課長を見習えと?」
いいなと思ったら応援しよう!
お読み頂いありがとうございます。記事が役に立てばうれしいです。このエリアまで読んで頂いた方が、これまでもこれからも幸せでありますように。