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lazy_planet
掌編小説 ソースの匂い
夜店からいい匂いがする。これはソース焼きそばの匂いだな。こっちはいか焼き。中学生になって初めてお友達だけで夜店に来た。お母さんからは「知らない人についてっちゃだめよ。お金も無理して使い切らなくていいからね」と再三注意されてやっとのことで受け取った2000円を握りしめて夜店にやってきた。
「真由ちゃん、何買う?私はたこ焼き!」
そう言うと友人の恵理ちゃんはたこ焼き屋さんの方にずんずんと向かっていった。
「おじさんたこ焼き一つね」
恵理ちゃんがそういうと夜店のおじさんは「あいよ」と返事をしたかと思うと鉄板の上にダーッと生地を流し入れた。たこ焼き作りって見てるだけで面白い。
「はい、たこ焼き。600円ね」
恵理ちゃんは大事そうにたこ焼きを受け取ると、「真由ちゃんにも分けてあげるね」とにかっとした。
私はやっぱり初志貫徹だなと思い、最初の焼きそばの屋台で立ち止まる。
「お姉さん焼きそば一つ。箸2つつけて」
「はぁい」
お姉さんが手早く焼きそばを焼いてる横で同じクラスの渡辺くんをふと見かけた。隣にいる男性はお父さんだろうか。私たちは何となく声をかけるのをやめておいた。思春期の男の子がお父さんと一緒に出かけているところを見られたら恥ずかしく思うものだろうなと何となく予想がついたからである。渡辺くんはチョコバナナを食べていた。
いただきます。私たちは焼きそばとたこ焼きを分け合って食べた。私はまだ1400円も持っているのだ。次は何食べようと私たちは人ごみのなかに駆け出したのだった。
こちらに参加させていただきました。よろしくお願いします。
