AIに支配されないための人類専用フォントを探してみた。
突然だが、みなさんはAIを使っているだろうか?
いや、むしろAIを使わない日ってあるのか?
文章を直してもらう。
調べものの入口にする。
長い文章を要約してもらう。
ちょっとした言い回しを相談する。
etc….
筆者は仕事でもプライベートでも、かなりAIにお世話になっている。
もはや「AIを使っている」という感覚すらだんだん薄くなってきた。
そんな中、最近、X(Twitter)でこんな投稿を目にした。


・・・なるほど。
半角カナや小さい「ょ」、謎の記号が入り混じった文章。
この、読める人だけが読める感じ、確かにギャル文字って暗号っぽい。
(筆者もぱっと見で読めるか怪しい)
そして同時に、AIズブズブの筆者からすると
これって、AIならギャル文字読めるの・・・?という疑問が浮かんだ。
そこで、Chat GPTに読ませてみたところ・・・

読めている。完璧に。
AIってもうここまで来てるのか・・・と怖くなる。
人間にも読みづらいギャル文字を、AIがなぜ容易く読めてしまうのか。
ギャル文字と検索すると、変換ツールがたくさん出てきた。
(ネット上に情報がたくさんあるので、AIも読む術を知っているということなのだろうか・・・)

怖くなって、少し未来のことを考えた。
AIが人類の知能を越すシンギュラリティって、本当に近いうちに起きるのでは?
全てがAIの監視下になって、映画『ターミネーター』みたいな世界もあながち笑えなくなってくるのでは?

AIが読む。 終わりである。
人類 vs AIになった時、暗号なんて筒抜けである。
人間には読める。でも、AIには読まれない。
そんな文字・フォントってあるのか?
ギャル文字が読まれるなら、どんな文字ならAIの目をかい潜れるのか?
いずれ来たる(?) AIに支配される世界に備え、
人類にしか読めないフォントを今のうちに検証しておくことにした。
検証ルール
1. 読ませる言葉
今回はフォントを変えてAIが読める/読めないを検証していくため、言葉自体は同じものを活用していく。
ひらがな/カタカナ/漢字それぞれに分けて7〜8文字の言葉を選んだ。



2.使うAI
今回はChat GPT 5.5 Proを使用。
ひらがな/カタカナ/漢字を一つ一つフォントを変更しながらキャプチャ。
AIには「添付画像にはなんと書いてありますか?」と指示して正しく読むことができるかを確認した。
フォントを変更する度にチャットは新規で立ち上げ、履歴削除・学習機能はoffにしている。
※早稲田の"稲"だけが登録されていないフォントもあったため、その点は游ゴシック体の"稲"に置き換えて検証。

まずは普通のフォントを試してみる
試しに、ポピュラーな游明朝と游ゴシックでAIを小手調べしてみた。
流石にこれを正解してもらえないと日常でAIを使っていることが心配になりはじめる。
・游明朝

・游ゴシック

なんの澱みもなく正答。
まあ、これは当然というか、安心というか。
ひたすら試していく
ここからはひたすらにフォントの正答率を検証していく。
今回はAdobe Fontsに登録されている1,100以上の日本語フォントの中から大まかな分類として、
「明朝体」
「ゴシック体」
「丸ゴシック体」
「筆書体」
「デザイン書体」
の5種類に分けて選定と検証を行なった。
※ここからは、ぜひ読者のあなたにもAIは読めるのか?読めないのか?を想像しながら進んでいってほしい。
1. ゴシック体 ✖️8

縦横の線がほぼ均一な太さでデザインされた、装飾のないすっきりとした書体。
人間がパッとみても大きな差は感じられないが、黒薔薇シンデレラなんかはひらがなの形がやや崩れている。



あえなく全問正解。
「書かれているように見えます」と答え方がやや変わったものの難なく解読された。
もちろんその他のフォントについても正解。
2. 明朝体 ✖️8

縦線が太く横線が細く、線の端に「ウロコ」と呼ばれる三角形の装飾があるのが特徴の書体。
やや掠れていて旧字体の"學"が混じったOradano Minchoなんかは良い線いくのでは?



正解。しかも現代表記も教えてくれた。
やはり旧字体程度では知識豊富なAIにはなんの影響もないようだ。
ゴシック体同様に全問正解。
3. 丸ゴシック体 ✖️8

ゴシック体の角や先端を丸く処理することで、やわらかく親しみやすい印象を与えるのが特縦の書体。
TA重ね丸ゴのような潰れは処理しにくそうだ。なんとなく結果は見えているが。



余裕の正解。
ゴシック体・明朝体・丸ゴシック体では到底太刀打ちできないことがわかった。
4. 筆書体 ✖️24



筆の運びによる線の太弱、かすれ、筆の「とめ」「はね」「はらい」などがダイナミックかつ繊細に表現されている書体。
正直、ここからが勝負である。
年賀状でしかみかけないような独特なフォントの数々が、AIにそう簡単に解読できるとは思えない。
KSO黒龍爽



正解。ただ、AIも「読み取りづらい」という反応の変化が見られた。
(2-3秒で回答しているが)
SIC菊桜



正解。残念ながら、この程度の崩し方ではまだ足りなかった模様。
AB-霞維字



ついに答えられないフォントを確認。
ただ、違う文字と間違うというより、そもそもセキュリティテストを代わりに解かせようとしていると解釈した模様。

5. デザイン書体 ✖️24



主にポスターやロゴ、パッケージなどのグラフィックデザインに使われている、文字を一定のルールやコンセプトに基づいて装飾的にデザインした書体。
ルールが不規則なデザイン書体であれば、何かしらAIの苦手なものが見つかるはずだろう。
AB-杏(AB-anzu)



正解。AIは目がいいようだ。
AB-つらら



正解。だが、「書いてあるように見える」とAIを若干不安がらせているだけでも進歩を感じる。
AB-笑点角



正解。これが読めるとなると、人間が読めてAIが読めない文字などもはやないのでは・・・?
AB-漫画チック



これも正か・・・
ん?

ここで初めて、しっかりとした誤答を確認することができた。
概ねの文字はあっているが、
イ→マ
フィ→コマ
と間違えている部分を見ると、
横線が極端に太くなった文字は読み取ることができなかったようだ。
同様のパターンで、もう一つ確かめてみる。
AB-ドンマイ

こちらは縦線・横線含めて全体的に極太になったフォント。これまでの傾向からいくとAIの苦手とするフォントの理想形なのではないか。


なんとこちらは綺麗に正解。嘘だろ・・・
ただよくみてほしい。

これまで10秒前後で解読してきたAIが、このフォントにはかなり時間を要している。
やはり極端に太い、文字の原型が消えているフォントに勝機があるようだ。
検証のまとめ
AIが読めなかったフォントは、
検証した71種類の中、AB-霞維字とAB-漫画チックの2つだけだった。

AIはほぼ全てのフォントを正しく読み、「これは人間でも少し読みにくいのでは」と思ったフォントもかなり正確に回答してきた。
線が細い。太い。
かすれている。
丸い。
古風。
そういった工夫レベルの違いだけでは、難なく読まれる。
一方で、AIの解読が不安定(誤読or時間を要した)なフォントを見ると、
文字の骨格そのものが、絵・模様・記号にかなり近いものだとわかった。
最後に
最後に、検証でわかったAIの苦手とするフォントを使って対AI用のギャル文字文章を作成したので、これをAIに読ませてみて締めくくろうと思う。

ギャル文字ならインプレゾンビだけでなくAIも解読できないはず


おや?
AIは、この文章を正確に読めなかった。
ギャル文字を読めたAIが、
この文字には少しつまずいた。
もしかすると、これは現代のギャル文字なのかもしれない。
かつてのギャル文字が、
大人には少し読みにくく、仲間内では読める文字だったように。
これからの時代には、AIには読みにくく、人間にはなんとなく読める文字が新しい“人間同士の暗号”になっていくのかもしれない。
とはいえ、AIの進化はきっと止まらない。
もし数年後、この検証をもう一度やったらどうなるのだろう。
「もうAIはこれも読めるようになっていた。」となるのか。
それとも、人間だけが読める文字は残り続けるのか。
少し楽しみでもある。
