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メンバーに「自身のコアを言語化しろ」と言った経営者は、自分のコアの言語化を終えることができているのか

「自分の中でのコアを言語化しろ」

燻っている、メンタルケアが必要な自走できていないメンバーに向けて、
経営者が言う言葉だ。

ただ、実際どれほど多くの経営者が、
自分の原体験やバックボーンをもとに会社経営をしているだろうか。

普段経営者の方々とお話する中で、
「明確にコアの重要性に気づいている人と気づいていない人の違い」と、
「なぜコアを言語化せずに創業する人が多いのか」
を整理してみた。

ベンチャーフェーズの経営者がメンバーに求めているものは、数字と自立だ

毎月の数字がプレッシャーで、押しつぶされそうになる時に、
経営者もメンバーも、自身のコアがある人はメンタルが強く、自走できる。

押しつぶされてしまう人は、コア(自身の拠り所)を持っていない。
だから経営者が、メンバーに「自分の中でのコアを言語化してみるといい」「他人と比べるのではなく、自身の絶対評価で自分を評価すること」
と言うシーンがあると思われる。

なかなか若手で自身の軸の形成期には難しい話だと思うが、
確かに、メンタルの波を抑えるためにも、
自身のコアを言語化することは重要だ。

ただ、アドバイスしている経営者にコアはあるのだろうか。

起業した時には原体験があった

何者かになりたいという思いや、
目立ちたいという思いなど、
経営者の原体験は様々だ。

ただ、会社としてどんな世界を実現したいのかではなく、
自分が社会的にどうなりたいのかをベースで考えている場合、
その人ならではのオリジナリティのある創業意思ではない可能性が高い。

特にお金、富、名声、羨望といった、 資本主義の物差しに則って
起業の目的を決めると尚更オリジナリティが欠ける可能性が高い。

起業してから長期間の間、自分のコアを深掘らない。
会社のミッション・ビジョン・バリューの重要性にも気づくことがない。

起業してみてからの現実や、解像度・価値観が変わっていく中で、
経営に疲弊し、コアを言語化する前に経営に対して
諦めモードになってしまう経営者もいる。

ただ、ある程度創業してから走った経営者がよくぶち当たる違和感が

「あるべき姿が腹落ちしていない」

「自分の目指す姿が明確になっていない」

の2つだ。

しかも代表が自ら相談してくることが多い。

なぜ、代表はコアを後にするのか


そもそも最初に見栄や、周囲よりも経済的に有利でありたいとか、
いわゆるトロフィー的なステータスを目的に起業にしてしまう
ことも一種の要因としてあり得るのかもしれない。
(もちろん全ての経営者ではなく一部の経営者が、である。)

ちなみにトロフィー的なステータスは、
日本ならではの幼少期からの環境で培われやすい価値観が
起因していると考えられる。
お金を持っている家は裕福で、旅行やら洋服やら余裕があったり、
奨学金を使わずとも勉学を受けることができるため、
「優っていると見える」ものさしを「お金」にしやすい。

また、日本の学習環境は数字でランキングをつけられる環境だからこそ、
わかりやすい指標、「他者と同じ指標」を
目指そうとする癖がついてしまう。

諸々踏まえて、上記のようなパターンで起業した場合、
「他者より一定優っている」という状況を求めているからこそ、
コア(オリジナリティ)が二の次になる可能性が高まる。

自分がなぜこの会社を続けるのかを探し出す

今後も経営を続ける上で経営者が
コアの重要性に気づくきっかけは、
採用で人を巻き込むシーンだ。

例えば、自社の魅力を訴求しようとした場面で来る。
ありきたりな、他社でも訴求できそうなことしか言えないことに気づき、
面接で口説ける人材のレベルに限界があると知る。
結果的に自社が他社とのバッティングに勝てない時が続き、
「このままありきたりなコアで話してはいけない」と気づくわけだ。

最後に

自分のコアを決めないまま進んだ経営者は、
数ヶ月後もやらなきゃと言っておきながらやれていないことが多い。

自分の内面に向き合う時間がないと言い続ける。
無意識に「緊急ではないタスク」とラベリングしている。
そんな日々を過ごすうちに「多くの採用チャンス」を逃しているのか
理解すれば「緊急で重要なタスク」になるはずだ。

改めてメンバーにはコアを求めているが、
求めている経営者自身が、自分のコアを決めていないだろうか?
よくよく立ち返ってみてほしい。

経営者が現場から自分が離れられない企業、
組織運営に悩みを抱えている企業の特有の課題について、
「解釈のズレ」「認識のズレ」の観点で言語化し、綴っています。

理論だけではなく、リアルをもとにしたノウハウを集めていくので、
お困りの経営者の方々はぜひコメントからお気軽にご連絡ください。

参考文献・出典(*)

*1 Abdelmoula, A., & Gianecchini, M. (2026). Obsessed to succeed: The media depiction of entrepreneurial passion. Journal of Business Venturing Insights, 25, e00601. DOI 10.1016/j.jbvi.2026.e00601 (起業家向けの雑誌2誌に2008〜2025年に掲載された454本の記事を分析。起業の道のりを美化すること、苦労を省くことが、主要な主題として確認された)

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