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起きてしまったことは変えられなくても、その時間の感じ方は変えられるかもしれない

読んでいたら突然、添乗員をしていた頃の記憶が、ぶわ〜っと出てきて

そうだ

久しぶりに、添乗員時代のお話を書こうとなりました

VOIDさんの記事👇


観光地の話ではありません

添乗員の思い出なのに、出てくるのは、

渋滞とトイレと集合時間

なんとも華がありません

でも私にとっては、こういうところこそ添乗員の仕事の面白さでした

みなさん、旅行はツアーで行きますか?

それとも個人旅行?

私は自分で旅行するときは個人旅行が多いのですが、ひとりで気軽にふらっと出かけるなら、バスツアーもなかなかおすすめです

何しろ楽チン

乗ってしまえば連れていってくれるし、
移動中は寝ていてもいい

全部お任せできますからね

渋滞

といえば、やっぱりバスです

特にお盆やお正月

中央道も関越も東名も

「はい、ここね」

というくらい、だいたい同じところで渋滞します

交通量そのものが多い場合もありますし、坂道などで自然に速度が落ちて発生する渋滞もあります

個人旅行なら、

「混むから朝4時に出よう」

なんてこともできます

ところがツアーはそうはいきません

集合時間も決まっている

出発時間も決まっている

つまり、

ほぼ渋滞ど真ん中に突っ込んでいく

もう、行くしかない

渋滞中、添乗員が何を考えていると思います?

観光地?

到着時間?

もちろん、それも考えます

かなり重要なのが、

トイレ

これ、本当に大事なんです

何十人というお客さまが乗っているわけですから、

「次の休憩まで大丈夫かな」

「ここで一度入れておいたほうがいいかな」

「でもサービスエリアに入るだけで何十分かかる?」

頭の中でずっと計算しています

そして不思議なもので、

「トイレ」

という言葉を聞くと、急に行きたくなる人がいる

だから私は、必要以上に

「トイレ休憩です」

「次のトイレは……」

なんて言わないようにしていました

言われると、頭がトイレでいっぱいになりますから

「12時10分前集合です」

集合時間の伝え方にも、けっこう神経を使いました

たとえば、

「12時10分前に集合してください」

これ、何時だと思います?

私たち世代なら、

「11時50分」

と思う人が多いのではないでしょうか

ところが今では、

「12時10分の少し前」

つまり12時5分とか9分頃、と受け取る人もいるそうです

考えてみれば確かに、

「12時の10分前」

なら11時50分ですが、

「12時10分前」

は曖昧なんですよね

添乗員にもいろいろおりまして、昔からこの言い方をする人はけっこういました

そして、

必ず誰か遅れてくる

だったら最初から、

「11時50分です」

と言えばいい

人がどう受け取るか

どんな言葉なら間違えないか

曖昧な言葉と、誤解を生む言葉は避けて選んで話していましたね

そうそう、ここでは「15分の休憩です」なんて絶対に言いません

15分が記憶され、12時15分でよかったっけ?ってなるんですよ〜

高速道路が渋滞している

さて、どうするか

行きの場合は、基本、

そのまま渋滞へ

これが帰りになると、ちょっと事情が変わります

中央道などでは、状況によって高速を降りて山道を走ることもありました

実際には、

そのまま高速にいたほうが早かったかもしれない

下道へ降りても到着時間はたいして変わらなかったかもしれない

それでも、

車が動いている

これが大きいんです

ずーっと止まったままの高速道路より、

車が走っているほうが、

「進んでいる」

という感覚がある

人って面白いですよね

時間だけではないんです

もちろん下道へ降りた先で事故や渋滞に遭えば最悪です

なので、

ほぼ賭け

そのあたりはドライバーさんの好みや経験にもよります

東名が動かない。さて、どうする?

まだ新東名がなかった頃だったと思います

東名高速で事故があり、

まったく動かない

ということがありました

待つのか

降りるのか

それとも大きく迂回して中央道から帰るのか

ギリギリまで状況を見ながら、ドライバーさんと相談します

あれこれ考えて、

最終的にはかなり大回りをして、中央道経由で帰ったことがありました

こんなとき私がやっていたのが、

お客さまも巻き込んでしまうこと

もちろん最終判断をするのは添乗員です

お客さまに責任を負わせるわけではありません

でも、

「このまま待つ方法もあります」

「こちらへ大きく回る方法もあります」

「さて、どうしましょうね〜」

なんて話をする

すると、なんとなく車内に一体感が生まれます

そして大回りすることになれば、

お客さまも、

「よし、そっちで行こう」

という気持ちになる

自分たちも決断に参加したような感覚になるのでしょうね

「こっちで正解だったね」

みたいなムードになる

私は、この感じを作るのが好きでした

渋滞日和は、添乗員の腕の見せどころ

もちろん渋滞は好きではありません

予定どおり進んでくれたほうが、そりゃ楽チン

でも仕事となると、

さて、今日はどう攻略しよう

と楽しんでいました

どうやったら退屈させないか

どうやったらイライラを減らせるか

どうやったら、

「渋滞で最悪だった」

ではなく、

「大変だったけど、なんだか面白かったね」

に変えられるか

起きていることは同じでも、

その時間をどう感じるかは変えられる

私はそこを考えるのが、何しろ好きだったのだと思います

こういうところに仕事の面白さってありますよね

変えられない出来事でも、言葉と関わり方で、その時間の記憶は変えられる

添乗員時代に私が楽しんでいたのは、観光地を案内することだけではなく、

「困ったな」を、どうやって「まあ、これも旅だね」に変えるか

だったのかもしれません

お盆時期、お出かけされる方も多いですよね

どうぞ皆さま、安全運転で

ちなみに私は、

高速バスの後ろを走るのが好きです

大概、速いです

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました

どうぞ楽しい夏をお過ごしくださいね


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