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「書けない」の正体は、才能を失う恐怖だった。

「書けない」の正体は、才能を失う恐怖だった。
 ──恐怖に名前をつけて、創作と少し距離を取るワークブック

「書けない理由」を探していた。

原稿が進まないと、すぐ検索する。

「小説 書けない」
「集中できない」
「完璧主義 創作」

原因が分かれば、書けるようになると思っていた。

でも、調べれば調べるほど、原稿ではなく不安が増えていった。

ある日、気づいた。

私は「書けない理由」を探しているんじゃない。
「書けない証拠」を集めている。

じゃあ、私は本当は何を怖がっているんだろう。

そこから、自分の中を少しずつ掘っていきました。

出てきたのは、

「才能がないと分かるのが怖い」

という気持ちでした。

このnoteは、その「恐怖」を見つけて、名前をつけて、少し距離を取るためのワークブックです。




📖この本の使い方

この本は、「最後まで一気に読む本」ではありません。
途中で立ち止まり、考えて、少しだけ手を動かすためのワークブックです。
ワークに「正解」はありません。
思いついたことを一言だけ書いてもいい。
今日は何も書けなくても大丈夫。
大切なのは、「自分を分析すること」ではなく、「自分を知ろうとすること」です。
もし途中で苦しくなったら、一度本を閉じてください。
そして、また書けそうな日に戻ってきてください。
この本は、あなたを責めるための本ではありません。
「どうして書けないんだろう」と悩み続けてきたあなたが、自分の恐怖に名前をつけ、少しずつ距離を取れるようになるための一冊です。

焦らなくて大丈夫。
一つのワークを書き終えるたびに、あなたはきっと、自分を少しだけ優しく見られるようになっています。


おすすめの使い方
・気になった章から読んでも大丈夫です。
・ワークは全部埋めなくても構いません。
・一度書いた答えも、あとから変わって大丈夫です。

この本は、「正しい答え」を探す本ではなく、「今のあなた」を知るための本だからです。


第1章 「書けない理由」を探していたら、「書けない自分」を証明していた。

このnoteを読み終える頃には、

  • 「書けない理由」が分かるのではありません。

  • あなたが本当に怖がっていたものが言葉になります。

  • そして、その恐怖との付き合い方を、自分の手で見つけられるようになります。

あなたは今まで、何回検索しましたか?
「小説 書けない」
「集中できない」
「完璧主義 創作」
「ADHD 創作」
「燃え尽き 小説」
私は数え切れません。
検索している間だけは、
「何か答えが見つかる気」がするんです。
だからまた検索します。
でも。
検索が終わる頃には、
原稿は一文字も増えていませんでした。


気付き

ある日ふと思ったんです。
私は書けない理由を探しているんじゃない。
書けない証拠を集めている。
私は一時期、本気で
「書けない理由」を集めていました。

でも
睡眠不足だから。
集中力がないから。
ADHDかも。
完璧主義だから。
調べれば調べるほど
「だから私は書けない」
証拠だけ増えていった。
でも原稿は一文字も増えなかった。

書けない理由を探していた私は、いつの間にか「書けない証拠」を集める名人になっていました。


人間の脳には、
自分が信じたい証拠を集める癖があります。
(※確証バイアスというそうです)
だから一度
「私は書けない人間だ」
と思うと、
書けない証拠ばかり探してしまいます。


ワークの練習 書けない理由

ここで一つだけ書いてみてください。
今日あなたが思いつく
「書けない理由」を5個。
書けたら、
その横にこう書いてください。
「それ、本当に今日だけ?」
すると意外なことに気付きます。

□1
___________________________________
□2
___________________________________
□3
___________________________________
□4
___________________________________
□5
___________________________________


理由を集めることは、
悪いことではありません。
でも。
理由だけ集めても、
未来は変わりません。
この本では、
これから少しずつ
「書けない理由」ではなく
「書ける条件」
を集める練習をしていきます。
この章を読みながら、「私も同じだ」と思ったところへ印をつけてみてください。
その印が、この本で向き合う"恐怖"の入り口になります。



第2章 「才能を失う恐怖」は、本当に才能を守ってくれるのでしょうか?

「もっと書けるようになってから書こう」
「ちゃんと勉強してから書こう」
「もっと上手い人のやり方を知ってから始めよう」
そう思って検索を開いたはずなのに、気づけば一時間。
「書けない理由」
「集中力がない」
「完璧主義」
「才能がない人の特徴」
そんな記事を次から次へと読んでいる。
そして読み終わる頃には、不思議なくらい手が重くなっています。
私は作品を書いているつもりで、実は「書けない理由」を毎日推敲していました。
これは、昔の私そのものでした。


私はずっと、「原因が分かれば書けるようになる」と思っていました。
だから調べました。
脳科学。
心理学。
発達特性。
先延ばし。
完璧主義。
創作論。
時間管理。
集中術。
書籍も読みました。
YouTubeも見ました。
noteも読みました。
SNSも漁りました。
もちろん、その中には役立つ知識もたくさんありました。
でも、ある日ふと気づいたのです。
私は「書ける方法」を集めているようで、本当は「書けない証拠」を集めているだけじゃないか。
原稿ではなく、不安ばかり育てていたんです。


例えば、
「完璧主義だから書けない」
という記事を読む。
「なるほど、私は完璧主義だからなんだ」
少し安心します。
でも次の日も書けない。
すると今度は
「ADHD傾向だと書けない」
という記事を見つける。
「ああ、それかもしれない」
また安心する。
でもやっぱり書けない。
次は
「インプット不足」
「脳疲労」
「ドーパミン」
「自己肯定感」
「トラウマ」
「HSP」
……
気づけば私は、
書けない理由コレクター
になっていました。


もちろん、原因を知ることは悪いことではありません。
自分を理解するためには、とても大切です。
でも問題は、
原因探しが終わらなくなること。
理由が一つ見つかるたび、
「じゃあ今は書けなくても仕方ない」
そんな気持ちになります。
すると一時的に安心できます。
でも作品は進みません。
進まないからまた不安になる。
そしてまた検索する。
このループは、本当に強力です。


心理学には、
人は安心できる情報ばかり集めてしまう傾向があると言われています。
自分が
「私は書けない」
と思っていると、
その証拠ばかりが目に入る。
逆に、
「今日は少し書けた」
という事実は見落としてしまう。
だから、
「やっぱり私は書けない人間なんだ」
という物語だけが、どんどん強くなっていくのです。


私はある日、
検索する代わりにノートを開きました。
そしてこう書きました。

今日、本当に書けなかった理由は何? すると、
「眠い」
「昨日寝るのが遅かった」
「SNSを一時間見た」
「昼ご飯を食べていない」
そんなことばかり出てきました。
才能ではありませんでした。
能力でもありませんでした。
ただ、その日のコンディションだったのです。
その瞬間、
私は少し肩の力が抜けました。


ここで、一つ質問です。
あなたは今まで、
「書けない理由」を何個知っていますか?
完璧主義。
集中力。
才能。
発達特性。
環境。
ストレス。
時間不足。
自己肯定感。
たぶん、たくさん知っていると思います。
では、
「書けた理由」は何個言えるでしょうか。
意外とこちらは、すぐには出てきません。


私は、この質問が大きな転機になりました。
書けた日は、
・カフェだった。
・朝だった。
・締切一週間前だった。
・スマホを別室に置いていた。
・30点でいいと思えた。
・散歩のあとだった。
・5分だけタイマーをかけた。
・プロットを無視して書いてみた。
・夜中だった。
そんな小さな共通点が見えてきました。
つまり私に必要だったのは、
書けない理由を集めることではなく、書ける条件を集めることだった。
ということです。


ここで、この本最初のワークをやってみましょう。
ノートを一枚用意してください。
左に
「書けない理由」
右に
「書けた条件」
と書きます。
そして思いつくだけ書いてみてください。
きっと左側は、すぐ埋まります。
でも右側は、最初は空白が多いかもしれません。
それで大丈夫です。
この本では、その右側を少しずつ増やしていきます。


書けない理由を知ることは、自分を責めないためには必要です。
でも、それだけでは作品は完成しません。
完成へ近づくのは、
「私はこういう条件なら書ける」
という、自分だけのデータです。
才能は、そこから育っていきます。
だから、この章を読み終えた今日だけは、一つだけ覚えて帰ってください。
「書けない理由を探すより、書けた条件を一つ集めよう」
その一行が、あなたの「才能を失う恐怖」を少しずつ小さくしてくれるはずです。
あなたは今まで「書けない理由」を探していたと思っていたかもしれません。
でも本当に探していたのは、「傷つかない理由」だったのかもしれません。


コラム あなたは才能を失うのが怖かったんじゃない。

「才能がない」と証明されるのが怖かった。

書けないことは、苦しいです。
でも、本当に苦しかったのは「書けない」ことだったでしょうか。
もしかすると、違います。
書こうとして失敗すること。
完成させても思ったような評価をもらえないこと。
「前の作品のほうが良かった」と言われること。
「自分には才能がなかった」と認めること。
その未来が怖かったのではないでしょうか。
だから私たちは、無意識に理由を探します。
疲れているから。
忙しいから。
環境が悪いから。
集中できないから。
もちろん、それらは本当に理由になる日もあります。
でも時々、その理由探しは、
「まだ本気を出していないだけ」
と思っていたい気持ちを守ってくれます。
本気で書かなければ、
才能があるかどうかも分かりません。
だから安心できます。
でも、その安心は、
作品も止めてしまいます。
私はようやく気づきました。
私が守りたかったのは、
才能ではありません。
"才能があると思っていた自分"
でした。
そう思えた日から、
少しだけ怖さが変わりました。
怖くても書く。
怖いから少しだけ書く。
それでいい。
この本のワークは、
その「怖さ」に名前をつけるためにあります。
「あなたが一番失いたくないものは何ですか?」




第3章 才能を失う恐怖を見つけるワーク

その① あなたは何を検索していましたか?

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
ここからは少しだけ、読むだけではなく「自分のこと」を書いてみましょう。
安心してください。
正解はありません。
誰かに見せるものでもありません。
これは、あなた自身のためだけのワークです。


私はこのワークを書くのが怖かったです。
だって、「本当の理由」が見えたら嫌だったから。
もし「才能がない」って書くことになったらどうしよう。
そう思っていました。
でも実際に書いてみると違いました。
出てきたのは
「笑われたくない」
「期待を裏切りたくない」
「完成したら終わるのが怖い」
そんな気持ちでした。


私はある日、スマートフォンの検索履歴を見返しました。
そこには、こんな言葉が並んでいました。

  • 書けない 

  • 集中力 

  • 完璧主義 

  • 才能がない 

  • 遅筆 

  • 創作 疲れた 

  • やる気が出ない 

  • 燃え尽き 

  • 締切 間に合わない

思わず笑ってしまいました。
「私、書いてないで調べてばっかりじゃん」
そんなことに気づいたのです。
でも、その瞬間もう一つ分かりました。
私は「原因」を探していたのではありません。
安心できる理由を探していたのです。
「私が悪いんじゃない」
「才能がないわけじゃない」
そう言ってほしかったのかもしれません。


では、あなたはどうでしょう。
最近、どんな言葉を検索しましたか?
検索履歴を見てもいいですし、思い出せる範囲でも構いません。
できるだけ正直に書いてみてください。

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