【完全版】デュアルモメンタム投資〜ETF3つだけで市場平均を上回る資産運用を目指す
※この記事は有料記事です。 第4章以降(Excelテンプレート・過去シグナル一覧・新NISA最適化・カスタマイズ手法)が有料公開になっています。 第1章〜第3章は無料でお読みいただけます。
この戦略を実際に動かすには、毎月のシグナルを正確に計算する必要があります。手作業でもできますが、かなり面倒です。そこでこの記事ではその作業を自動化したExcelテンプレートを配布しています。
あなたは、こんな投資経験をしたことがないだろうか。
買ったとたんに下がる。売ったとたんに上がる。
なぜかいつも、そのくり返し。
これは運が悪いから起きているわけじゃない。
感情で動いてしまっているから起きていること。
この記事では、その問題をルールで解決していく方法をお伝えしたい。
はじめに|なぜ個人投資家の多くは市場に負けてしまうのか
投資で損をしたとき、こんなふうに思ったことはないだろうか。
「次こそうまくやろう」
でも次もうまくいかなかった、という経験をお持ちの方は多いと思う。
その理由は、多くの人が考えているものとは少し違うかもしれない。 知識が足りないからじゃない。 情報が少ないからでもない。
原因のほとんどは、たったひとつのことに集約されている。
「感情が判断を狂わせている」こと。
アメリカのファイナンシャルリサーチ会社DALBARが毎年発表しているデータがある。 過去20年間で見ると、
S&P500の年率リターン:約7.4%
個人投資家の平均リターン:約2.9%
という結果が出ている。
市場が7%以上のびているのに、 個人投資家は平均するとその半分以下しか取れていないことになる。
これはなぜなのか。
答えはシンプルで、 高いときに買い、安いときに売ってしまうから。
上がっているニュースを見て飛びつく。 暴落すると恐怖で損切りする。 その行動が、じわじわとリターンを削っていく。
この問題を解決するために必要なのは、 新しい知識でも、すごい銘柄情報でもないと思う。
感情を排除する「ルール」。
そのルールを体系化した戦略が、今日紹介する
「デュアルモメンタム投資」
です。
第1章|モメンタム効果とは何か
まず、この戦略の土台となる「モメンタム効果」から話していきたい。
モメンタムとは、簡単に言うとこういう現象のことだ。
「上がっている資産は、しばらく上がり続けやすい」
直感に反するように思えるかもしれない。 でもこれは、世界中の学術研究で繰り返し確認されてきた事実でもある。
有名なのは、1993年にJegadeeshとTitmanが発表した研究で、 米国株市場のデータを分析した結果、
「過去6〜12ヶ月のリターンが高い株は、 その後も平均を上回るリターンを出しやすい」
という傾向が示されている。
この研究は、のちにGary Antonacciという投資家によって ETFレベルで実用化された。 彼の著書『デュアル・モメンタム投資』は、いまも多くの投資家に読まれている。
なぜモメンタムは機能するのか
モメンタムが機能する理由として、よく挙げられるのは3つある。
① 人間心理のクセ
利益が出ているポジションは「まだ伸びるかも」と持ち続ける。 損が出ているポジションは「もう少し待てば戻るかも」と売れない。
こうした心理的なクセが、トレンドを強化していく側面がある。
② 機関投資家の資金フロー
年金や保険などの巨大な資金は、 リターンが出ている資産クラスに継続的に流入しやすい傾向がある。 この資金の動きがモメンタムを補強する、という見方もある。
③ 情報伝達の遅延
市場は完全に効率的ではない、という指摘は以前からある。 良いニュースや業績改善が、すべての投資家に即座に織り込まれるとは限らない。 情報の広がりに時間差があるため、上昇トレンドが数ヶ月単位で続くことがある。
これら3つの理由が重なって、 モメンタム効果は長期にわたって観察され続けているのかもしれない。
第2章|デュアルモメンタムの仕組み
デュアルモメンタム投資の特徴は、 モメンタムを「2種類」組み合わせている点にある。
その2つとは何か、順番に見ていこう。
相対モメンタム(Relative Momentum)
複数の資産クラスを比較して、 より強い方を選ぶという考え方だ。
たとえば
米国株(VTI)
世界株(VXUS)
この2つを毎月比較する。 過去12ヶ月のリターンが高い方を保有する、というシンプルなルールになる。
絶対モメンタム(Absolute Momentum)
相対モメンタムだけだと、 「2つとも下がっているときにどうするか」という問題が残る。
そこで使うのが絶対モメンタムだ。
選んだ資産のリターンをゼロ(または短期国債利回り)と比較する。 もし選んだ資産のリターンがマイナスなら、 株式から安全資産(債券:BND)に退避する。
これが絶対モメンタムの役割だ。
戦略の全体像
毎月1回、以下の流れで判断する。
① VTIとVXUSの12ヶ月リターンを計算する
② リターンが高い方を選ぶ(相対モメンタム)
③ 選んだ資産のリターンがマイナスなら→BNDへ退避(絶対モメンタム)
④ プラスなら→選んだ資産をそのまま保有
シグナルはこれだけ。 難しい分析もいらない。 必要なのは「月1回、5〜10分の確認」だけになる。
第3章|必要なETF(3つだけ)
この戦略に必要なETFは3つだけで、それ以外は不要になる。

なぜこの3つなのか
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
米国上場の株式約3,600銘柄に分散投資できる。 経費率は0.03%と非常に低コストなのも魅力のひとつだ。
VXUS(バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF)
米国以外の先進国・新興国を合わせた約8,000銘柄に投資できる。 新興国の成長を取り込める点が特徴で、 米国株が低迷しているときに頼りになるケースも多い。
BND(バンガード・トータル・ボンド・マーケットETF)
米国の国債・社債など約1万本の債券に分散投資できる。 株式市場が不調なときの「避難先」として機能する、という位置づけになる。
第4章|実際の運用ルール
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