外見を消したら、愛は成立するのか――『LOVE IS BLIND』を実験計画書として読む
ネットフリックスのこの番組は、恋愛リアリティというより、
かなり明確な条件設計を持った実験装置に見えた。
これは僕と言う元ハードウェア開発者に、恋愛と結婚の実験計画として
処理させるとかなり「イケル記事」になるのではと感じて思考を開始する。
感想を書く前に、評価する前に、
まずこのドキュメンタリーの中で行われている「実験」そのものを、
実験計画書に落と込む。
現役時代、
ウォシュレットの新型機種の開発計画書や評価計画書を
何度も書かされてきた身として、
このフォーマットは僕にとって、ごく実務的で、手触りのあるものだ。
この番組を
恋愛の成功談として読む前に、
メッセージ性で裁断する前に、
いったん、このゲームを司会する側のスタート地点に立つ。
ここから先は、完成した記事ではない。
これは、記事化のための最初のプロセスであり、
思考と設計をそのまま流す実況中継だ。
以下は、その入口として提示する、実験計画書である。
実験名
非視覚条件下における人間関係成立プロセスの検証
実験目的
外見(視覚情報)を完全に遮断した状態において、
人間は何を手がかりに、
親密さ・信頼・将来意思決定を行うのかを検証する。
また、その判断は、
視覚情報を解禁した瞬間に
どのように変質・維持・崩壊するのかを観察する。
実験変数の設計
意図的に遮断する入力
顔・体型・年齢感・表情
服装・清潔感・ジェンダー表現
視線・仕草・距離感
→ 視覚チャネルを完全にオフ
残す入力
声質・話速・間
言語内容(価値観・過去・欲望)
感情表現(声の揺れ・沈黙)
想像力(相手像の内的生成)
→ 音声+言語チャネルのみ
実験装置
ポッド(Pods)
完全に仕切られた2室
物理的かつ心理的な遮断構造
対面は不可能
※本段階では
「いつ対面できるか」は確定させない
実験プロトコル
非対面コミュニケーション期
視覚なし・対面なし
関係構築は音声と言語に全面的に依存
評価対象:
会話の深度
共感速度
自己開示の質
想像上の相手像の形成
意思決定トリガー
結婚を前提とした婚約意思の表明
YES が出た場合のみ次工程へ進行
視覚解禁フェーズ
ポッドの壁を撤去
初対面=初の視覚入力
評価対象:
想像と現実の乖離
音声ベースで構築した関係の耐久性
視覚情報による上書き/補強の有無
社会環境投入試験
共同生活
旅行
家族・友人との接触
金銭感覚・生活習慣・身体距離
→ ラボ環境から実地試験へ移行
補助装置
参加者ラウンジ
同性参加者が集う共有空間
進捗の共有
成功・失敗事例のリアルタイム流入
→ 個体実験 × 集団心理フィードバック装置
実験の核心
本実験は、
外見を否定するためのものではない。
外見を一時的に切り離し、
最後に戻したとき、何が残るか
その耐久性を検証するための実験である。
ここまでが、
LOVE IS BLIND 外見なんて関係ない
という番組の内部で、実際に走っている実験の設計図だ。
この記事は結論ではない。
連載の第1回でもない。
これは、
記事化のための実況中継の開始ログである。
フォローしてくれている方には、心から感謝しています。
この続きを、
同じ実験装置を別の角度から眺める記録として、
もうしばらく一緒に追ってもらえたら嬉しい。
あなた自身が、
「いま、この実験のどこに立っているのか」
その位置を確認しながら読めるように、
実況中継は続きます。
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