エスティローダー、見た目年齢評価モデルと臨床結果を発表

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エスティローダーが「肌の長寿科学」で新基準を提示
The Estée Lauder Companies(エスティローダー カンパニーズ)は2026年4月20日、査読誌『Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology(JCAD)』に2本の論文を同時公表したと発表しました。1本はフラッグシップブランド「エスティローダー」の高機能スキンケアシリーズ Re-Nutriv Ultimate Diamond の臨床結果、もう1本は多民族コホートで構築した新しい顔年齢評価モデルに関する報告です。両論文は、化粧品メーカーが自ら測定基盤を整備したうえで製品効果を実証するという、近年強まる「臨床的信頼性」志向を体現する内容です。
Re-Nutriv 3製品レジメンの12週間臨床試験
12週間の多民族試験では、Ultimate Diamond Transformative Brilliance Serum、Transformative Brilliance Soft Crème、Age Reversal Eye Crème の3製品レジメンを評価し、算出された「見た目年齢(perceived age)」が統計的有意に低下したと報告されています。レジメンの中核には特許技術 SIRTIVITY-LP™ が据えられており、サーチュイン経路を介した若々しさ指標の改善を狙った設計です。
12週間使用後、算出された見た目年齢の統計的有意な低下と複数の若さ指標の改善が確認された
試験デザイン:12週間の使用試験
対象:多民族コホートの女性
介入:Re-Nutriv Ultimate Diamond の3製品レジメン
主要評価項目:算出見た目年齢の変化、若さ指標
関連技術:SIRTIVITY-LP™(サーチュイン標的)
多民族2,825人で構築した顔年齢評価モデル
もう1本の論文 *Development of a Novel Facial Age Assessment Model in a Multiethnic Population for Evaluation of Topical Anti-Aging Products*(JCAD 2025;18(11):24–29)では、自社が18年間(2005–2023年)にわたり蓄積した5,000枚以上の顔画像データベースから2,825名分を解析しています。内訳は東アジア系1,337名、ヒスパニック/ラティーナ系548名、欧米系490名、アフリカ系米国人450名で、フィッツパトリックスキンタイプI–VIをすべてカバーしました。
評価手法
標準化された VISIA-CR 撮影下で、訓練を受けた評価者が15項目の老化マーカーを0–10点(0.5刻み)の写真スケールで採点し、最小二乗多重回帰で年齢推定への独立寄与を解析しています。最大12名の評価者間で級内相関係数(ICC)が0.95を超え、高い再現性を確認した点が特徴です。
7つのコア指標
回帰分析の結果、見た目年齢の分散の71%を説明する7つの普遍的指標が抽出されました。
鼻唇溝(ほうれい線)
目の下のライン
頬の毛穴の縦伸び(elongated cheek pores)
額のシワ
目の下のたるみ
肌の色ムラ
マリオネットライン(口角下のライン)
SIRTIVITY-LP™とサーチュイン研究の系譜
エスティローダーは創業80年、肌の長寿(skin longevity)研究に17年以上を投じてきたと自社で位置づけています。2000年代以降は肌の概日リズム発見、サーチュイン(SIRT1/SIRT3/SIRT6)研究、細胞エネルギー代謝研究を社内主導で進めてきました。SIRTIVITY-LP™ は同社がRe-Nutrivに搭載する独自技術で、加齢に伴って低下するSIRT活性を補う設計コンセプトに基づいています。今回の試験は、こうした基礎研究を「見た目年齢の数値化」という形で臨床アウトプットに接続した事例として位置づけられます。
サーチュインは健康な加齢と長寿に強く関連する7つのタンパク質群で、エネルギー利用、ストレス応答、恒常性維持の制御に関与します
業界への意味合いと注目点
化粧品の抗老化エビデンスは、評価指標の標準化が長年の課題でした。今回エスティローダーが提示した評価モデルは、自社製品の効果立証だけでなく、業界共通の臨床的物差しとして機能し得る点が注目点となります。同社は7名の皮膚科医からなる Longevity Science Advisory Board を組成し、論文の共著者として外部専門家を巻き込んでいます。一方で、評価モデル自体が同社製品の効果検証用に最適化されている可能性、第三者機関による独立検証の余地など、留意点も残ります。
化粧品の臨床評価に「写真スケール×多民族コホート」の標準を提示
サーチュイン経路を「見た目年齢の改善」という機能的アウトカムへ接続
外部皮膚科医を巻き込んだ Advisory Board 体制で査読論文化を加速
今後は他社・第三者機関による本モデルの独立検証が論点になる見通し
参考ソース
The Estée Lauder Companies プレスリリース(2026年4月20日)
JCAD: Development of a Novel Facial Age Assessment Model(2025;18(11):24–29)
JCAD: Clinical Age-reversal Quantification of a Facial Skincare Regimen with Sirtuin-targeting Ingredients(2025;18(12):34–41)
Personal Care Insights: Longevity-driven skin care
NutraIngredients: SIRT1, SIRT3 and SIRT6 解説記事(2025年12月)
