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プーチン大統領の掌で踊らされているトランプ大統領

トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領抜きでロシアのプーチン大統領と停戦交渉を進めているというニュースはすでに世界中を駆け巡っており、驚いた方も多いと思います。

トランプ大統領のやり方の特徴

ご本人はどう考えているのかわかりませんが、客観的に見て一国の指導者、世界最強の国の指導者として、近年の大統領にない特徴を持った人です。

理想・理念を持たない人

バシッと筋が通った理想や理念というのもがない。少なくとも内外の報道を読む限り、国際関係において、昨日「白」といったことを翌日には何事もなかったかのように「黒」というなどは珍しくありません。

自分の理念や理想があれば、それから大きく外れることなく最初は「白」といっても、それを「黒」とは覆すのではなく、「白であることは揺らぎないが、時として部分的には「グレー」に染めることもある、しかし基本は「白」でしょうという感じ。

話をもっと身近にして、自分の会社の部長にでも当てはめるとわかると思います。部下や取引先からの信頼を失う人は「ころころ意見を変える人」です。それにより部下や取引先が振り回されます。会社員経験が長いと一度はこういう上司に出会った人も多かろうと思いますが、そういう上司がいきなり脈絡なく大統領になったのがトランプ大統領。

タレントで「視聴率」を非常に気にする人

2004年から2015年まで米NBCのリアリティ番組『アプレンティス』にホスト(MC)として出演しており、視聴率最重視の価値観がトランプ氏に植え込まれたのでしょう。

選挙期間中に当時のトランプ候補が現職バイデン大統領に対して「You're fired!(お前はクビだ)」と言ったのが「失礼な奴だ」と言ったトーンでの報道ばかりがありました。

実は『アプレンティス』にホスト(MC)として出演していた時に、当時のトランプ氏のセリフ「You're fired!」が大変人気があったそうです。

バイデン大統領(当時)に対しての「You're fired!」がこれをもじったものであるのは疑いのないところで、『アプレンティス』ファンだった人には大いに受けたのだと思います。いわばウケ狙いでの「You're fired!」ですが、これが日本のメディアにはうまく報道できなかったようです。

トランプ大統領にとっての視聴率は単に大統領支持率だけではなく、America First、Make America Greate Again(MAGA)の象徴の一つである強い強いアメリカ関連株の株価でしょう。

トランプ大統領になって速攻で株価が暴落したのであればMAGAどころではないのですが、幸か不幸か株価はトランプ大統領に味方しています(今の所は…ですが)。

理想や理念というのもがないが故に、目先の数字に振り回されてしまうのがトランプ大統領。

根っからの不動産デベロッパーでブラフが得意

トランプ氏は1946年に不動産デベロッパーであった父フレッド・トランプの次男として生まれました。1968年に父が経営するエリザベス・クライスト・トランプ(現在のトランプ・オーガニゼーション)に入社、以来不動産デベロッパーの道を歩んでいます。

全てのビジネス交渉においては「ブラフ」がつきものです。相手の行動を抑え込んだり促したりするためにある種の虚栄を張るわけですが、これがブラフです。日本語で言う「ふっかける」に近いニュアンスかもしれません。

ビジネスの交渉に臨む時、例えばこちらが買い手である場合できるだけ安く買いたい、相手はできるだけ高く売りたい。買う方として自分の言い値で相手が売ってくれれば御の字ですが世の中そんなに甘くない。そこで買い手としては頭の中で落とし所をもっておくわけです。売り手も同様です。

関税25%を例外なくかけるぞ!とふっかけるのはおそらくブラフでしょう。しかし相手によってはそれを貫き通すかもしれないし、交渉の成り行きで棚上げにしたり税率を下げたりするかもしれません。

こうしたブラフを連発して相手を混乱に陥れるのがトランプ大統。

内心ほくそ笑むプーチン大統領

ウクライナ戦争を止めるために、最初にロシアにアプローチしたのは正解だと思っていますが、問題はその後です。

ロシアが仕掛けた戦争だから、仕掛けた方を諌めないと戦いは絶対終わりません。知る限りにおいてゼレンスキー大統領がロシアの領有地を侵略しようと考えているということはないでしょう。もちろん過去に奪われたクリミアなどを取り返したいとは思っているはずですが。

トランプ大統領がロシアにアプローチしたのはよかったけれど、ここには得意のブラフは存在せず、どういうわけかプーチン大統領に取り込まれてしまったようです。

トランプ大統領にとって、ロシアとイデオロギー対立をしてもアメリカが得るものは何もないのでしょうが、ゼレンスキー大統領に対してロシアを背景に脅しをかけ(おそらくブラフ)て、ウクライナ地下に眠るレアメタルの権利を得る、かわりにロシアはウクライナ全土ではなく現在実効支配している約20%のウクライナ領土をロシアに割譲するというのが落とし所のように読めます。

しかし、外野から見るとトランプ大統領はまんまとプーチン大統領の思うままに動かされているように見えます。

ほくそ笑むのはプーチン大統領。

ロシアの掌で踊らされるトランプ大統領

さらに、不動産デベロッパーと戦争は相容れない関係なので、トランプ大統領がその地位にある間は大きな戦争が新たに起きる可能性は少ないとも思われます。

ノーベル平和賞を狙っているともいわれ、選挙公約もありとにかく戦争を止めるというその点だけに意識が集中し、その後のことをあまり考えていないように見えます。すごく焦っているように見えます。

その焦りをみすかしたのがプーチン大統領であり、見事にロシアの掌で踊るトランプ大統領の姿が浮かびます。

対中関係と対ロ関係の矛盾

中国に対しては「力による現状変更を許さない」という立場は今の所かわっていません。しかし、ポリシーがない目先の利益で動くトランプ大統領なので、明日にはコロリと変わっているかもしれません。

それに対してウクライナから見て侵略者であるロシアに対してはまぎれもなく「力による現状変更を許す」方向に動いています。

さらに明らかに侵略者であるロシアに対して何らの鉄槌を下さない、つまり罰をあたえないことになり、侵略行為を容認する結果になります。ロシアとしては人的・物質的・金銭的被害は大きかったけれど「戦争してよかった、やったもの勝ち」の結果になっています。

結果的にトランプ大統領はロシアに対しては「力による現状変更を許す」ことを行い中国にはそれを認めないという矛盾が生じます。

ひょっとしたらこの矛盾を避けるために、中国に対しても「力による現状変更を許す」方向に動く可能性も0%とは言い切れません。そうなると日本も無傷ではすまず相当大きな被害が出るのは疑いのないところです。

目先の利益で動くトランプ大統領であり、バシッと通った筋をもたない日和見主義なのですが、相手によって顔をかえる周到さをもっているのかもしれません。それすら見通せない全く発言や行動が予測できないのがトランプ大統領。

国際社会からの信用は?

今の時代、いくら大国アメリカといえども国際社会からの信頼無くして国はなりたちません。

短期的には理念のない日和見主義でもその場は乗り切れるかもしれませんが、いずれは破綻するはずです。

とはいえトランプ大統領にしてみれば4年間の任期中に大きな戦争を止めて、アメリカで株価も上がり違法移民が激減し、ノーベル平和賞でももらえれば、人生最高!なのかもしれません。

自分の政権の後?そんなこと知ったことか!かもしれません。

トランプ大統領の言動を知るためには日本のメディアだけではなく、英米のメディアにもアクセスすることをお勧めします。


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