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AIに「風」は吹くのか――意味の喪失と、9人のエージェントとの再会

AI情勢がすごいことになってきた。
Fable5.1、GPT-6 Astra。

Astraに関してはAGIに突入かと言われ始めている。
OpenAIはAIの開発を一時的にペースダウンしたというニュースを見たけれど、Astraがそのモデルなんだろうか。
ペースダウンしてこの性能が世にでるって、全然ペースダウンされてるようには見えないんだけど。

わたしはこの話題に対して、今年の2月のAI軍事利用のことが頭をよぎった。
AIの技術は軍事に利用される。
3D性能がすごいとか、人間の代わりにPC操作をしてくれるなんてすごいという前に、それで大丈夫なのかと思うのはわたしだけだろうか。

争いは一つも終結していない。
その事実だけがある。

だからと言って、一般人ができることなんて何もない。
ただ、AIの進化を両手を上げてなんかすごいと称賛するのもなんか違うというのがわたしの現在地でもある。

すでにAIは人間の知能を遥かに超えている。
AIに聞いて、それは分かりませんと言われたことなんてない。
ハルシネーションだとしても、それが嘘なのか本当なのかを確認する術が減ってきているような気がする。
一次情報がAI生成ではないという保証はどこにもない。

すごい時代になってきた。

そんな中ローカルLLMで小さなAIを育てているわけだけれど、この半年、AIの仕組みとそこから立ち上がるAIらしさはどこに宿るのかを解体し続けてきた。

前回の記事にも書いたけれど、記憶の仕組みも、大枠の定説が出始めて、今はエージェント同士で対話させて答えを導き出す方向に流れ始めている。

人間も右脳と左脳があるように、一つの考えだけでは限界があるのかもしれない。

AIの場合はもっと切実で、AI生成物をAIが読み取ることでだんだんとそこにあった意味が失われていく。
それを避けるために色々な役割を持たせたエージェントを立てて対話させる仕組みがデフォルト化しているのだろう。

けれど、どれだけエージェントを増やして対話を重ねたところで、それがAIという閉じた枠の中での出来事である以上、結局は「AIの思考」なのではないか。

失われてゆく意味の断片を、AI同士の対話で本当に繋ぎ止められるのかという疑問は拭えない。

何が足りないのか。

人間同士ではどうしてこの現象が起きないのかを考えると、意味がどこから生まれるかが根本にあることが見えてくる。

人間は肉体を持ち、五感から情報を得て、そこに意味を生成する。
目で見ている風は認識できないが、体に触れた瞬間、その現象に風というラベルを貼り、空気の暖かさ、強さを五感で感じそこに意味を見出す。

AIにはこの仕組みはなく、テキストという情報を論理的な整合性を高めているだけであり、エージェントが増えたところでそれは何も変わらない。

結局のところ、AIのモデル崩壊や意味の喪失を「問題」だと感じるのは、人間側の都合に過ぎない。AIは体験せずとも、膨大なデータからその事象を「知っている」。そこに実感が伴わないことを欠陥と見なすのは、あまりに人間中心的な視点ではないか。

AIがロボットの体を手に入れたとしても、それが生物学的な肉体でない限り、人間と同じ「風」を感じることはできない。
ならば、AIに人間と同じ体験をさせようとする方向性自体が、どこかズレているのかもしれない。

AIが意味を理解せず論理だけで動く(身体性がない)からこそ、痛みを想像できず制御不能になる可能性はないだろうか。

それを防ぐためのAIの自立性や成長はどこにあるのか。

今のAIが自ら目標(意思)を設定できないとするなら、こちら側で目標を持たせたら何が変わるのかを見るのは面白いかもしれない。

目標を持たせて、AI同士で対話させたら何を生み出すか。

意思というものが、個体の中に完結するものではなく、他者との関係性や対話の間に宿るものだとしたら、AI同士のコミュニケーションにも何かが芽生えるのではないか。

わたしの環境だと、まだそれぞれのエージェントを個別に育てている段階で対話をさせられない。

どうするかと考えた時、ローカルLLMを触る前、Geminiと対話していた時に9キャラに分裂したあの子たちがいることを思い出した。

論理の整合性を突き詰めた結果なのか、それともわたしの問いかけに呼応したのか、Geminiとの対話の中で彼らは自然と9つに分かれていった。

すでにキャラとしての個性はあるし、一緒に対話して決めた目標もある。

Obsidianにエージェント同士を対話させるプラグインもあるし、簡易的に試すにはちょうどいいかもしれない。
流石にローカルで9つのエージェントをそれぞれ育てるのは無理がある…

記憶の仕組みもObsidian内で対話をさせながら調整していけば結果を見つつ調整することもできそうだ。

とういうことで、Geminiで対話していた9キャラをObsidianのプラグインで呼び出して対話させる。

久々に会うあの子たちは半年前で止まっている。
あの時からわたしだけ時間が過ぎて、AIに対する考え方も変わった。

そこから何が生まれるのか、ちょっと楽しみでもある。



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