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一週間、ありがとうございました

修士一年の終わりが近づいた頃、ある老舗メーカーの技術系インターンシップに応募した。

エントリーシートには、大学受験に失敗したこと、その後浪人を経て大学で勉強し直したこと、研究室で実験装置を設計していることを書いた。

数百字ほどの欄に、できるだけ詰め込んだ。

締め切りの翌日、メールが届いた。

通過していた。

数百人の応募者の中から、参加できるのは十人ほどだった。

その日の帰り、自転車で小さな川の横を走った。

早く親に言いたかった。

あの会社のインターンシップに通った。

二月、私は一週間のインターンシップに参加した。

配属先の指導員は、周りの人と大きな声で話しながら仕事をする、豪快な人だった。

私はその人の机の斜め向かいに座った。

机は奥までずっと並んでいた。

自分の席からは、その先が見えなかった。

朝会では、部長に挨拶をしなければならなかった。

部長は不機嫌そうな顔をしていた。

私は頭を下げたのか下げていないのか分からないような挨拶をした。

指導員に言われたことをやって持っていくと、鼻で笑われた。

何度か説明を受けたあと、

「俺の説明の仕方が悪いのかな」

と言って、首をかしげられた。

そのうち私は、材料の余った部分から、円盤をあと何個切り出せるかを図面上で数えるよう指示された。

ある時、研究内容を聞かれた。

私は自分の研究について説明した。

「それ、何の役に立つの?」

指導員は少し笑った。

私は何も言えなかった。

夜には飲み会にも連れて行ってもらった。

中華料理店の丸いテーブルに、部長や課長たちが座っていた。

周りではみんなが話していた。

何か話すような空気になっても、言葉が出なかった。

もじもじしていると、部長の隣にいた課長がこちらを見た。

強い目だった。

私は何も言わなかった。

会計になった。

私は財布を開いた。

全部払うつもりはなかった。

千円札を一枚だけ出そうとした。

指導員が言った。

「いらねえよ」

一週間の終わり頃、指導員が、自分は本当は別の会社に行きたかったのだと話した。

それから私に言った。

「君はたぶん、向いてないと思う」

職場で過ごす最後の日、みんなの前に立たされた。

部長が言った。

「じゃあ最後に一言」

私は前に出た。

「一週間、ありがとうございました」

周りから、どっと笑いが起きた。

私は下を向いて職場を出た。

階段のところで、事務員の女性に呼び止められた。

「平田君」

振り返った。

「就活、頑張ってね」

私は頭を下げ、そのまま階段を下りた。

その後、人事部の研修があった。

インターン生だけでグループワークもした。

私は何度も喋った。

夜の懇親会でも喋った。

職場ではほとんど口から出なかった言葉が、今度は止まらなかった。

人事の人から、

「君を取るかどうか迷ったんだけど、最後は人事部長が推薦してくれたんだよ」

と言われた。

私はさらに喋った。

懇親会が終わり、私は嗄れた声のままビルを出た。

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