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第5章 経営編 第10話        借入をして会社を大きくすることが正解とは限らない 

― 借金が悪いのではない。何のために借り、何を残すのかが経営だ ―


はじめに

「借金はしない方がいい。」

会社を経営していると、こんな話を聞くことがあります。

確かに、返すあてもないお金を借り続ける経営なら危険です。

しかし私は、

事業における借入そのものを悪いとは思っていません。

なぜなら、私自身も金融機関から事業用融資を受けているからです。

現在、新しい事務所を建てたことによる借入が約5,000万円あります。

もちろん、個人的な浪費のために借りたお金ではありません。

事業のための正式な融資です。

そして私は、金融機関から融資を受けられるということは、ある意味では会社が積み重ねてきた信用の証でもあると思っています。

決算内容。

これまでの取引。

返済実績。

事業計画。

会社の将来性。

金融機関も、それらを見ずに何千万円というお金を貸すわけではありません。

ですから今回お話ししたいのは、

「借金をするな。」

という話ではありません。

むしろ逆です。

借入をどう使うのか。

そして、

会社を大きくすることが、本当に自分の目指す経営なのか。

そこを経営者自身が考えなければならないという話です。


会社を大きくする方法は、ある意味では分かりやすい

会社を大きくしようと思えば、やることはある程度見えてきます。

資金を調達する。

設備投資をする。

人を雇う。

教育する。

営業を増やす。

売上を増やす。

店舗を増やす。

さらに事業を拡大する。

もちろん、実際に成功させるのは簡単ではありません。

しかし、方向としては分かりやすいんです。

私も経営を始めて10年くらい経った頃、

「もっと会社を大きくする方法もあるな。」

と考えたことがあります。

金融機関から融資を受けて事業を拡大する。

人を増やす。

多店舗化する。

会社の価値を高める。

そして事業が大きくなったところでM&Aによって会社を売却する。

その資金を不動産などへ投資し、事業経営から少しずつ離れていく。

そんな道もあるだろうと思いました。

私は、それが悪い経営だとは思いません。

実際、その方法で成功している経営者もたくさんいます。

しかし、

自分は本当にそれをやりたいのか。

ここで私は考えました。


借りられる金額と、借りるべき金額は違う

これは経営をしていて、とても大切だと思うことです。

金融機関から、

「これくらいまでなら融資できます。」

と言われた。

だから借りる。

私は、それだけでは判断しません。

借りられることと、借りる必要があることは別だからです。

例えば5,000万円借りる。

その5,000万円で何をするのか。

事務所を建てる。

設備を入れる。

人を増やす。

新しい事業を始める。

では、その投資によって会社はどう変わるのか。

そして何年間掛けて返済するのか。

毎月いくら返すのか。

売上が落ちても返せるのか。

私は、そこまで考えなければ借入とは言えないと思っています。

借りる判断より、返すところまで考えるのが経営です。


私が事務所を建てるために借入をした理由

私は新しい事務所を建てました。

そのために金融機関から事業用融資を受けています。

現在の借入は約5,000万円です。

では、なぜ借りたのか。

私には目的があったからです。

事務所をつくることは、以前から一つの目標でした。

仕事をする場所。

お客様を迎える場所。

会社としての信用を形にする場所。

そして、これまで積み上げてきた事業の一つの形でもあります。

だから私は、

必要な設備投資だと判断して借りました。

借入額だけを見ると、大きいと感じる人もいるでしょう。

でも私は、金額だけでは判断しません。

何のために借りたか。

返済できる事業があるか。

その投資によって何が会社に残るのか。

そこを見ています。


借入は信用の証。でも、借りた瞬間から責任が始まる

私は融資を受けられることを信用の証の一つだと思っています。

しかし、

「5,000万円借りられた。うちの会社はすごい。」

そんな話ではありません。

むしろ借りた瞬間から、

返済する責任が始まります。

毎月返す。

景気が良くても返す。

悪くても返す。

工事が多くても少なくても返す。

そのためには、会社に利益を残さなければなりません。

現金も残さなければなりません。

だから私は、借入があることで経営に対する責任も強くなると思っています。


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会社を長く続けるために、本当に必要な経営とは何か。売上、利益、原価管理、借入、社長の時間、一人社長だからできる経営まで。私が35年以上、実際の会社経営で悩み、失敗し、学んできた経験をまとめました。経営理論ではなく、現場から生まれた実践論です。会社を大きくすることだけが成功ではない。利益と信用を残し、自分らしい会社を長く続けたい経営者へ届ける経営編です。

会社を続けるために、本当に必要な経営とは何か。 売上、利益、原価管理、社長のお金の知識、借入、時間の使い方、一人社長だからできる経営まで…

5年以上、実際に営業・現場・会社経営を続けてきた経験だからこそ書ける、失敗・判断・工夫・経営の考え方をまとめました。建築業だけでなく、営業職、個人事業主、一人社長、店舗経営者、これから独立を目指す方にも活用していただける実践型マガジンです。 この完全版は、**「35年以上の経験を全部まとめた集大成」**という位置づけを強く出すのが一番いいと思います。

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