【地獄】宝くじ100枚買って前祝いしたら、ほぼ全ハズレだった夜 #note大学新入生🎈
①:「ついに俺、当てにいく。」〜なけなしの資金で100枚購入〜
47歳、独身、夢だけはデカい。そんな俺がついにやった。
そう、宝くじ100枚を一気買い。連番50枚、バラ50枚。合計1万円分の“未来への投資”。

ATMの前で震える指。暗証番号を3回ミスりかけながら、なけなしの1万円を引き出す。
「これが人生を変える資金か…」と自分に言い聞かせる。知らん人が聞いたら、起業でも始めるんかと思う勢い。
宝くじ売り場では、妙に明るいおばちゃんがこう言った。
「うふふ、夢ありますね〜!当たるといいですね♪」
…言ったな、おばちゃん。その言葉、俺は一生忘れない。
「買うのがゴールじゃない、当てるんだ」と、どこかのドラマのセリフみたいなことをつぶやきながら帰宅。
ポケットの中には、ずっしりとした当選の予感と、1万円分の紙切れの束。
だが、この時の俺はまだ知らなかった。
この100枚の宝くじが、まさか“地獄のチケット”になるとは…。

②:前祝いパーティー開始!〜シャンパンじゃなくて炭酸ジュース〜
夢の100枚を握りしめた俺は、帰宅するやいなや叫んだ。
「今日が俺の人生の分岐点だーーッ!」

近所迷惑?知らん。こっちは今から億万長者だ。宝くじの当選発表なんて数日後?そんなの待てるか。
今日、俺は祝うんだ。“未来の俺”の大金持ちデビューを。
まずは部屋の照明を落とし、スマホのライトを天井に向けて「間接照明風」に。完全に100均DIYの限界突破。
BGMはYouTubeで「高級ホテル ラウンジジャズ」と検索。なんかもう、雰囲気だけは最高級。
次に取り出したのは、スーパーで買った冷凍ピザ(税抜298円)。これにバジルっぽい乾燥葉っぱを振りかけ、
「本日はトリュフ香るポルチーニと12年熟成モッツァレラのプレミアムピッツァでございます」と言いながら、皿にドーン。

もはや自分で自分をもてなすスタイル。
飲み物はもちろん「スパークリング・グレープ(※炭酸ぶどうジュース)」だ。
シャンパングラス?ないので、いつものコップをキッチンペーパーで磨いたら、ちょっと高級感出た気がしてくる不思議。
乾杯の音頭はもちろん俺一人。「未来の俺に…乾杯!」って言ったら、グラスが思ったより大きな音でカンって鳴ってビビった。
そして始まった「祝・億万長者前祝いパーティー」。
誰もいない部屋で、俺はピザの耳をかじりながら笑っていた。
笑ってたけど、なんか涙も出てきた。

「いやいや、違う違う。泣いてねぇし!感極まってんだよ、未来の俺が!」
まだ1円も当たってないのに、財布の中は既にスッカラカン。
でも、今日だけは…バカみたいに楽しもうと思った。
この時の俺は、まだ知らない。
この前祝いが、後悔という名のパーティーになることを。
③:抽選結果発表の夜(前半)〜夢から叩き落とされた音がした〜
運命の日が来た。
そう、“億”が現実になるその日が。

俺は朝からずっとソワソワしていた。
仕事も手につかず、トイレに5回。コーヒーこぼして2回。
昼休みに「今日、人生変わるかも」ってポツリと呟いたら、後輩に「転職ですか?」って聞かれた。
違う。もっとデカいやつだ。
俺は今日、“億万長者”になるんだ。
帰宅後、着替えもせずスーツのまま正座。
部屋の中央に、神棚のごとく置かれた宝くじ100枚。
まるでご本尊。合掌しそうになった。
スマホで、いよいよ当選番号の発表ページを開く。
指が震える。タップミス3回目で深呼吸。
「…落ち着け、もとし。これはただの確認作業だ。事務作業、事務作業…億円が事務作業…」
最初は連番ゾーンからいく。
連番50枚、つまり最初の1枚が当たってたら、ドミノ式に億のラッシュだ。
目を皿にして1枚目の番号を見た。
「……違う。」
まぁまぁ、1枚目はおとりだ。次が本命。
「……違う。」
いやいや、連番ってそういうもんじゃないの? って自分で問いかけて、自分で答えが出せない。
「……うん?」
5枚目、10枚目、20枚目…全部、違う。
額から汗が出てきた。
「い、いやいやいや、バラがある!バラは“神が選んだ番号”のはずだろ!」
俺は“連番は仕込み、バラは天命”という、わけのわからない理論を信じていた。
でも心のどこかでは思っていた。
「ここで全部外れてたら、ただのバカだよな」
バラに希望を託して、1枚目を確認。
違う。次も違う。さらに違う。
「……うーん? ちょっと、あれだな…見間違いってあるよな?」と、2枚目を3回見直す。違う。
次第に、心の中で「宝くじ 売り場 呪い」と検索しそうになる。
これ、もしかして“運気を吸う売り場”だったんじゃ…?
そんなことを考えてる時点で、だいぶ来てる。
40枚目、50枚目…全部、ハズレ。

いや、正確には、**“夢から完全に叩き落とされた瞬間”**だった。
俺は宝くじを手にしたまま、部屋の天井を見上げていた。
カサカサに乾いたエアコンの風が、ピザの耳の残骸を揺らしていた。
③:抽選結果発表の夜(後半)〜夢から叩き落とされた音がした〜
部屋は静まり返っていた。
ピザの箱が空っぽなのに、夢も財布も同じく空っぽなのが、なんか笑える。
いや、笑えねぇ。けど、笑えてくる。
人間って、こうやって壊れてくんだなと自分で納得した。
「マジで全部ハズレかよ…」
そのとき、1枚だけ、バラの中に微妙な光を放つやつがいた。
なんと、3,000円当たり。
「うおぉぉぉ!!!」
俺は立ち上がった。小躍りした。グレープジュースを一気飲み。
…が、次の瞬間、冷静になった。
「3,000円て。」
100枚=1万円分買って、戻ってきたの3,000円。
つまりリターン率30%。

これ、株式だったら「塩漬け」どころか、もう腐って地中に還元されたレベル。
嬉しいはずなのに、虚無。
俺はその当たりくじをそっと机の上に置いた。
そして、ハズレくじ99枚の山を前に、ポツリと呟いた。
「……君たち、いい紙だったよ。」
部屋の空気が変わった。
笑うわけでも、泣くわけでもなく、ただ静かな夜。
グレープジュースの残りをラッパ飲みしながら、俺は床に寝転がった。
天井のシミをぼんやり見ながら、思った。
「……なんで俺、前祝いとかしたんだっけ?」
あのピザ、あの乾杯、あのジャズ。
すべてがフリだった。壮大なフリ。
そして今、最高に間抜けなオチがここにある。
パーティーの名残で置いていた100均のクラッカーを1つ手に取って、ポンッと鳴らした。
音がデカすぎてビビった。
「やっぱり俺、祝い方が間違ってたんだな…」

でもね、ちょっとだけ、救いがあった。
この全てが**“ネタになる”**ということ。
「よし、noteに書こ…」
涙で滲んだ画面に、最初のタイトルを打ち込んだ。
『【宝くじ100枚】買って、1人で前祝いパーティーしたら地獄を見た話』
なんだこれ、めっちゃオチついたやん。
④:「金持ちの前祝いは、後祝いにしよう」と誓った夜
その夜、俺は静かに心に決めた。
もう、前祝いはしない。
祝いは、当たってからにする。
喜ぶのは、金が手元に来てから。
つまり“後祝い”が正義。
だって、よく考えてみてくれ。
誰だって結婚式は「プロポーズ成功の後」だし、誕生日パーティーは「誕生日の当日」だ。
俺みたいに、まだ当たってもいないのに「億が当たる前提」でグレープジュース開けてる人、いない。
…いや、いてもいいけど、たぶん友達いない。
それに気づけただけで、今日は成長だ。
100枚の宝くじが俺に教えてくれたのは、
「金持ちになるには、祝う前に当てろ」
という、世界一シンプルで痛い教訓だった。
だけどさ、やっぱり俺はこうも思う。
「このバカみたいな挑戦、やっぱ好きだな」って。
3,000円しか当たらなかったけど、
グレープジュースで乾杯したあの夜は、なぜか忘れられない。
次はもっと面白い“後祝い”を用意してやる。

――そう誓って、俺は宝くじの空袋をそっと引き出しにしまった。
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