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AIに記事づくりを任せて1週間。エラーは1件も出ていないのに、公開できていたのは2本だけだった


AIに記事づくりを任せて1週間。自分のページを開いたら、公開できていたのは2本でした。下書きのまま止まっていたものが、4本ありました。

エラーは1件も出ていません。仕組みは、最後まで正常に動いていました。

動いていたのに、運ばれている中身のほうが古かった。今日はその4件を、見つけた順に並べます。

記事の話に見えると思います。ただ、これは自分の代わりに何かを動かしている人には、たぶん全員に起きることでした。(8月の終わりから9月のはじめにかけての話です。本数はその時点のものです。)


ずれ1 — 自分のページを開いたら、公開できていたのは2本で、下書きが4本たまっていた

先に前提をひとつ。私の仕組みは、下書きを作るところまでを自動でやります。公開ボタンを押すのは私自身です。ここは人の手に残してあります。

だから記録の上では、こう並んでいました。投入済み、投入済み、投入済み。全部で6本分。

私はそれを、そのまま「6本出ている」と読んでいました。今週はちゃんと回った、という感触まで持っていました。

読んでいただけで、見てはいませんでした。

自分のページを開いたのは、任せはじめて1週間が経った日の午後です。気になったのは、読者からどう見えているのかでした。

並んでいたのは2本。しかも一番新しいものが4日前です。残りの4本は、下書きのところで止まったままでした。

止めていたのは私です。押すのは私の役目なのに、記録が「投入済み」と言っているのを見て、済んだ気になっていた。

投入済みは、公開済みではありませんでした。当たり前の話です。でもその当たり前は、記録を眺めているかぎり一度も目の前に出てきません。記録はそれ自体としては何も間違っていないからです。

もしいま、自分の代わりに何かを動かしているなら、この記事を読み終わる前に出口を1回だけ開いてみてください。記録の画面ではなく、外から見える側です。公開ページでも、送信済みフォルダでも、実際のシートでもいい。

たいてい、思っているのと違うものが入っています。


ずれ2 — 同じ1本が3回運ばれていて、直した版は一度も運ばれていなかった

ある記事の記録に、同じタイトルが3回並んでいました。

最初に思ったのは「3回も送ってしまったのか、下書きが3つできているのでは」でした。重複を消す作業を覚悟して、中を開きました。

そうではありませんでした。3件とも、同じひとつの下書きを指していました。つまり同じ場所を、3回、上書きしていた。増えてはいなかったのです。

問題はそこではなくて、3回とも運ばれていたのが、加筆する前の版だったことです。

その記事は、あとから中身をかなり足していました。足したほうの版は、一度も運ばれていませんでした。1回も、です。

ついでに見つけたのが画像です。指定されていた場所は、フォルダを整理する前の住所のままでした。もうそこには何もありません。引っ越したあとの空き家に、3回、荷物を取りに行っていたようなものです。それでも止まらず、正常に処理されていました。

ここが今日いちばん書きたかったところです。

3回とも、エラーは出ていません。仕組みの側から見れば、3回とも成功しています。やるべきことをやって、最後まで走りきって、成功と記録して終わっている。

壊れたのではありません。3回とも、正常に、古いほうを運びきっていました。

うまくいかなかったものは、こちらを呼びに来ます。止まる、赤くなる、通知が届く。だから気づけます。

うまくいったものは、うまくいった記録しか残しません。中身が正しかったかどうかは、その記録のどこにも書いていない。こちらから探しに行かないかぎり、いつまでも見つかりません。

自動化を1週間放っておけたのは、うまく動いていたからではなく、うまく動いていないことを教えてくれる係が、どこにもいなかったからでした。


ずれ3 — 1本ずつ読めば全部正しいのに、並べたら2件が噛み合わなかった

私の記事には、末尾に次回予告を置いています。これもAIが書きます。

その日、6本ぶんの予告を横に並べて、実際に次に来る記事と突き合わせてみました。表を1つ作っただけです。左に予告、右に実物。

2件、食い違っていました。

予告している内容と、実際の次の記事が別物でした。どちらもまだ公開前だったので、読者には届いていません。ただ、そのまま出していれば、約束したものと違うものが届いていたことになります。

言い訳のしようがないのですが、1本ずつ読んでいるあいだは、まったく気づきませんでした。というより、気づけない。1本ずつ読むと、どれも文章として正しいのです。日本語は整っているし、予告としても自然だし、その記事の中では何ひとつ矛盾していない。

ずれは、記事の中にはありませんでした。記事と記事のあいだにありました。

AIに任せると、1本ずつの品質は落ちません。落ちるのは、並べたときの辻褄のほうでした。

これは記事に限らないと思います。同じ仕組みが作ったものは、1件ずつ検品しているかぎり、たぶんずっと合格し続けます。作った本人(この場合はAI)は、そのつど目の前の1件をきちんと仕上げているだけで、前に何を書いたかも、次に何が来るかも見ていないからです。

全体の整合をとる係は、まだ誰にも割り振られていなかった。それだけの話でした。

見つけた2件は、実物に合わせて予告のほうを直しました。直すこと自体は、たいした作業ではありませんでした。高くついたのは、直すことではなく、1週間気づかなかったことのほうです。


ずれ4 — 自動化を疑っていた私の判定が、いちばん外れていた

ここまで3件、仕組みのずれを並べてきました。最後の1件は、私のずれです。

同じ日の点検で、私はもう1件、報告を書いていました。「回収されていない予告が、公開されたまま残っている」。手元の記録を突き合わせた結論です。約束したものを届けていない状態なので、これは早く直さないと、とも書きました。

念のため、実物を開きました。直っていました。

数日前の私が、公開ボタンを押す前に、その画面の上で書き直していたのです。自分でやったことなのに、すっかり忘れていました。読者から見れば、最初から何の問題も起きていなかった。困っていたのは私だけです。

そして、ここが厄介なところなのですが、2026年9月時点の私のやり方では、公開画面で入れた直しは手元には戻ってきません。自動化の記録にも戻らない。手元にあるのはずっと「送り出した時点の姿」だけです。実物のほうが先に進んでいて、記録は出発点で止まっている。

つまり私は、古い写真を見ながら「まだ直っていない」と判定していたわけです。自動化のずれを4件見つけたと思っていたら、そのうち1件は自分の誤報でした。

公開したものは、手元の記録ではなく、実物を開いて確かめる。

たった1行のことですが、この1行がなかったせいで、直っているものを直っていないと報告し、そのあと直そうとしていました。二度手間で済んだのは運がよかっただけで、上書きしていたら、直したほうが消えていました。


今夜、5分でできる3つの点検

手順は書きません。私の環境の話をしても、たぶんそのままは使えないので。代わりに、自分の仕組みに投げてみる問いを3つ置きます。

  1. 自動で動かしているものの出口を、1回だけ実物で開く。記録の画面ではなく、外から見える側を。

  2. 同じ仕組みが作ったものを、3つ以上、横に並べて読む。1つずつ見ているうちは、たぶん全部合格します。

  3. 直近で自分が手で直したものが1つでもあるなら、その修正が仕組み側に戻っているか確かめる。戻っていないなら、次に上書きされるのはその修正のほうです。

3つとも、5分あれば終わります。私の場合は、この3つをやって4件出てきました。

エラーが出ていないことは、正しく動いている証拠ではありませんでした。出ていなかったのは、間違いだと思っている人が、そこに一人もいなかったからです。


この記事は連載ではなく、今日わかったことをそのまま置いた1本です。

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