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ドキュメンタリー映画『リトル・パレスティナ』感想/ヤムルーク難民キャンプ

2021年制作(レバノン、フランス、カタール)
英題:Little Palestine, Diary of a Siege
監督:アブダッラー・アル=ハティーブ
ドキュメンタリーまとめ

※多くなるため、埋め込みではなく、(参照)という形で関連するニュースをリンクした。

パレスティナ自治区・ガザとイスラエルの間で2025年1月19日停戦が発行された。(参照)しかし、人質解放等をめぐって予断の許せぬ状況が続いている。(参照

そもそも、パレスティナ人が直面する問題は今に始まったわけでもなく、その苦しみはガザだけではない。

ヨルダン自治区もそうだが、本ドキュメンタリーは、シリアの首都・ダマスカス近郊にあるパレスティナの難民キャンプを映し出したドキュメンタリーである。

シリア当局は、ヤムルーク難民キャンプにいる反体制派を追い出すためとヤムルークを封鎖し、食料等の支援を停止した。(参照

まさにその封鎖下にあった2013〜15年のヤムルーク難民キャンプでの日常風景を映し出したのが本ドキュメンタリーである。

草を集めて食べる子供たち、サボテンを売る屋台、人々は食べられるものを探して飢えを凌ごうとする……と、壮絶な日常が映し出されていた。

ただ飢餓で死ぬのを待つだけ、することもない。日常に意味を見出そうとする。危険を顧みず紛争下の中食糧を探しに行く姿も。声を上げても聞き入れられない。刑務所より酷い、あまりにも非人道的な姿がそこにあった。

同じくガザもイスラエルとの紛争以前から、支援物資に頼るほかない生活を余儀なくされていた。逃げ出すことも出来ない地獄。これがパレスティナ人の現実なのである。


ヤムルークの難民キャンプを更なる危機が襲う。2015年にヤムルークはISISに制圧される。住民はISISとシリア政府軍の戦闘に巻き込まれ、取り残された。(参照

本ドキュメンタリーは、ISISが制圧する以前の日常で終わっている。エンドロールで文章による説明があり、映画を制作したアブダッラー・アル=ハティーブは、家族共にドイツに逃れ、ドイツで難民認定されている。

各地を転々とし、やっと編集の作業ができるよつになったのはドイツに辿り着いてから。ヤムルークの住民は散り散りになり、多くの難民同様居場所を求めて各地を転々とする運命を辿ったのだ。


ドキュメンタリーでは触れられていないが、2022年にヤムルーク住民に対しシリア政府は帰還の許可を出し、一部住人が帰還したという。(参照

更に、2024年12月、突如としてシリアのアサド政権が崩壊した。長きにわたる独裁政権の終焉に世界は騒然とし、私も驚いた。今後の動向を引き続き注視していきたい。(参照

そして、その影響はヤムルークにも。(参照)アサド政権下より、帰還のハードルが下がったとはいえ、新政権が不透明な状態で、ヤムルークのパレスティナは今も安心できぬ状態であることに変わりはない。


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