香港映画のドラマも捨てたもんじゃないと感じる「これからの私たち」
「ソク・ソク」でゲイカップルの老後問題を描いたレイ・ヨン監督が長年連れ添ったレズビアンカップルが、パートナーの急死によって直面する問題を描いたドラマです。
物語は
60代後半のレズビアンカップル、パットとアンジー。パットが急死し、アンジーはパットの兄家族とも家族ぐるみの交際をしていたが、葬儀の形式をめぐって意見が対立する。さらに香港の法律に従い、親族であるパットの兄が彼女の遺産を相続することに。それは、パットとの思い出が詰まったマンションを終の住処と考えていたアンジーにとって、到底受け入れられない現実で…

なかなか切実な老レズビアンの物語
なかなか切実なレズビアンカップルの遺産を巡る戦いのお話でした。
生前は家族同然の付き合いだったのが、法的には家族と認められず、遺産が全て故人の兄が相続することになり、家族のように思っていた人たちに裏切られ、居場所まで失う高齢女性の喪失感たるや絶望的な気分だったと思います。
兄家族の貧困生活も丁寧に描写
兄家族の貧乏な暮らしぶりもしっかり描かれていて、やむなしな気分にさせられるのも上手いなあと感心。
兄は70過ぎて深夜勤務の駐車場の管理人、妻はホテルの掃除人のパートをし、客の吸い殻を拾ってシケモクを吸うほど。息子はタクシー運転手をして、結婚を考えているパートナーはいるけど、貧しくて実家暮らし。結婚している娘は狭い家でネズミと悪臭に悩みながら生活しています。
そんな家族にパットの遺産が入るとなるとそりゃあ目の色が変わります。
逆にアンジーはパットのパートナーとして、生きてきて、彼女がいなくなることを考えていなさ過ぎますが、彼女にはレズビアン仲間が味方になって支えてくれたりします。
そういうディテールの積み重ねが地味だけど見応えに繋がっていました。
香港映画の魅力はアクションだけではない!
アクション映画ばかり語られがちな香港映画ですが、ドラマもまだまだ捨てたもんじゃないと実感させられる作品でした。姪役の女優が「トワイライト・ウォリアーズ」のフィッシュ・リウでびっくり。
