およそ12万人に1人、主に男の子が発症、指定難病・メンケス病と向き合う、映画『ライフテープ』は、家族愛溢れる。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
5月になると暑いなぁーと感じますね。身体が熱を持ちやすい基礎疾患が多いため、暑さを感じやすくて。
とりあえず、暑くなる前に、夏服を買えて良かったです。私が夏服を買った場所、買った後から買えなくなったものもありました。
とにかく身体に熱を溜めない様に、服は綿100%だけ。私はオシャレが似合う人ではなく、最近はずっとTシャツだけ。昔は他の素材でも良かったのですが、今は基礎疾患で熱中症になるリスクが高すぎて、綿100%じゃないと無理。
Tシャツも同じメーカーでも、柄のバリエーションも増えましたし。
先日母は私の新しいTシャツを観ながら、言いました。『いいなぁ、私も欲しい』。その言葉に、すぐ母用のTシャツを10枚以上買いました。
5月は母の日でもありますし、ギリ母の日には間に合うかな?と思っていますし、張り切って渡しますよ。
私の場合、今髪を伸ばしていて、ボブ寄りのショートが、過去最高のセミロングになったことでも暑いんですけどね。
この記事では、およそ12万人に1人、指定難病を持って生まれた男の子を愛情を持って育てている、ご家族の愛を捉えた、ドキュメンタリー映画のお話をします。
2026年3月28日より、[追い風][夢半ば]の安楽涼監督による初めてのドキュメンタリー映画『ライフテープ』が東京都のユーロスペースほか全国で順次公開中です。
親友との喧嘩をメーンテーマにした[1人のダンス]、映画を撮れなくなった自分を主人公に置いた[夢半ば]など、自身の実人生で直面した出来事を映画に昇華させてきた安楽監督。ドキュメンタリー映画『ライフテープ』で「たとえ短い時間だとしても、幸せに生活している俺ら家族を撮って欲しい」という親友である隆一さんの言葉から、安楽監督が作家として何ができるのか、自身に問い、親友の家族を記録しました。
音楽はドキュメンタリー映画『ライフテープ』の中でも流れるRYUICHI(隆一)さんによる「ONE DAY」を起用しました。
ドキュメンタリー映画『ライフテープ』は2025年の第16回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのコンペティション部門に入賞し、第16回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで審査員を務めていたドキュメンタリー監督の大島新氏がドキュメンタリー映画『ライフテープ』に惚れ込んで、盟友の前田亜紀自身と一緒にプロデューサーを買って出ました。第16回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで上映されたものに、再編集を加えたバージョンが劇場公開され、配給は東風です。
今回は、ドキュメンタリー映画『ライフテープ』のあらすじと、この映画のご夫婦の息子さんが持つ、メンケス病とはどんな難病なのか?を、お伝えします。
あらすじ

2022年10月、幼なじみで親友の隆一から「家族を撮ってほしい」と言われた安楽監督は、彼らの日常にカメラを向けはじめる。隆一と妻・朱香の間に生まれたばかりの珀久は、銅の欠乏によりさまざまな健康問題が生じる先天性代謝異常症「メンケス病」を抱えている。親子3人と猫のフィガロの暮らしには笑顔が絶えないが、出産から診断までの朱香の日記には、現実をなんとか受け止めようとするふたりの切実な言葉がありのままにつづられていた。逃げ場のない孤独と不安に向き合いながら日常を紡いできた彼らは、珀久の喉の切開手術という大きな決断のときを迎える。
画像・引用:ライフテープ 映画.com
予告編も公開中
ここからは、メンケス病の症状などを多角的に紹介します。
メンケス病の主な症状、何が原因で発症するのか?
メンケス病は、身体の中の銅の利用や吸収が上手くいかず、生まれつき銅が欠乏し、神経症状以外にも、臓器・関節・血管などを支える結合組織などに色々な症状が引き起こす遺伝性疾患です。
食事中から摂取された銅が身体内に吸収されず、銅を必要とする酵素が機能しなくなることと、中枢神経細胞が銅欠乏に陥ることで色んな症状が出現します。
通常は生まれてから、生後2~3ヵ月頃から、中枢神経障害、結合織異常(膀胱憩室による尿路感染症、血管壁異常による頭蓋内出血、骨粗しょう症に伴う骨折など)と、脳障害(けいれん、発達の退行や遅れなど)、鼠径ヘルニアや臍ヘルニアが重篤となります。メンケス病の診断のきっかけでは頭髪異常(少なく、細く縮れ、色が薄い)が新生児期から認められます。
けいれんは難治性で、退行現象が発生し寝たきり、骨粗しょう症を起こし、骨折しやすくなります。
それ以外の症状で、関節・皮膚が伸びすぎている状態、摂食障害、低体温、知的障害、筋力低下、胸の骨や胸部の軟骨部が凹み、胸がロート状に凹む先天的な胸郭変形疾患(きょうかくへんけいしっかん)の漏斗胸(ろうときょう)、失神や目眩などの自律神経失調症状、てんかん発作、下痢などの症状や特徴が出現し、気付きます。
頭髪は、銅代謝の異常で毛髪が特徴的な状態になることでも理解されていで、髪の毛がチリチリとまばらで縮れたようになったり、脱色したみたいな色素が薄い、淡い色合いになる色素脱毛(赤茶けている)、脱毛・短く粗くねじれた毛で「キンクヘア(kinky hair)」と言われています。眉毛にも認められる時があります。
元々キンキー(kinky)とは、「ねじれた」「変わった」「よれた」「ちぢれた」などという意味がありますが、メンケス病の赤ちゃんは髪の毛の色が金色や赤で、毛質もちぢれています。また早い時から脱毛が認められる時もあります。一般的に日本人では、この毛質はほとんど見られないため、お母さんも早い時期に気付きやすい症状の1つです。
発達遅延もあって、メンケス病の赤ちゃんは3ヵ月を過ぎても首が座らず、5ヵ月を過ぎても寝返りをしません。全身の筋力低下は脳の神経障害が原因で起きます。
2010~2011年度の調査では、過去10年間で62名の患者さんがいます。発症率は男の子の出生100万人当たり8.03人(およそ12万人に1人)です。
メンケス病は、国の指定難病対象疾病で、メンケス(Menkes)病として小児慢性特定疾病の対象疾患となっています。
メンケス病は遺伝します。母親が保因者だと、男の子の1/2に発症します(母親が保因者ではない突然変異例もあります)。極めて珍しいケースで女の子のデータがあります。
◉原因
メンケス病の原因はX染色体上に在るATP7A遺伝子の変異です。ATP7A遺伝子は腸内で銅を運ぶ役割を担当していますが、変異が起きると、腸からの銅の吸収に阻害を受けて、腸粘膜に銅が溜まります。
すると、身体内の銅が欠乏状態になり、結合組織や中枢神経系の発達に必要な酵素の機能が落ちて、メンケス病の症状が出現します。
◉診断基準
セルロプラスミン・血清銅低値で疑います。確定診断は培養皮膚線維芽細胞(ばいようひふせんいがさいぼう)の銅濃度高値か、遺伝子解析を実施します。遺伝子変異部位はかなり多様で、珍しいケースでは変異が特定できない時があります。
主な症状として頭髪異常(縮れ毛、少ない毛、色素減弱)が認められ、それ以外に、
・重度の中枢神経障害(著しい発達遅延)
・筋力低下
・硬膜下出血
・難治性けいれん
・骨折、骨粗しょう症
の中で1つ以上が見られること、加えて、画像検査か、血液検査において、
①ピルビン酸・血清乳酸の上昇
②血清銅値:30µg/dL以下でセルロプラスミン値:15mg/dL以下
③骨折、骨粗しょう症のいずれか
④MRAで血管蛇行、MRIで硬膜下出血・脳萎縮のいずれか
⑤膀胱憩室
の、①~⑤の中で②を含む2つ以上が確認されること、
さらに、ミトコンドリア遺伝子異常症ではないと診断され(鑑別診断)、特殊検査で培養皮膚線維芽細胞の銅濃度の高値が認められるか遺伝学的検査でATP7A遺伝子に変異が認められることでメンケス病だと診断されます。
特殊検査による培養皮膚線維芽細胞の銅濃度、遺伝学的検査のATP7A遺伝子変異が認められない時でも、血液検査または画像検査において、①と②の両方、または②と③~⑤の中で2つ以上が認められた時には、メンケス病の可能性があると診断されます。
参考サイト
メンケス病(Menkes病) 医療法人社団 豊正会 大垣中央病院(2025年)
メンケス病の症状と合併症。症状は多岐にわたる メディカルノート(2016年)
◉メンケス病の治療法とは?
根本的な治療法はありません。現在、実施されている治療は、保険適用はありませんが、神経症状が認められる前の新生児期にヒスチジン銅の皮下注射を、週に2~4回投与します。ヒスチジン銅の皮下注射の治療量の目安は、セルロプラスミンと血清銅を基準範囲に保つことです。ヒスチジン銅治療で、頭髪異常は改善できます。
また、ヒスチジン銅の皮下注射の治療をスタートしたのが新生児時期であれば、中枢神経障害は軽くできたり、防ぐことも可能ですが、治療開始が神経症状が出現した後だと、神経症状の軽減が期待できますが、結合織異常には効果がありません。また、新生児以降にヒスチジン銅の皮下注射の治療をスタートした時は、神経症状への効果は全くありません。
ここまでメンケス病について観てきました。
ドキュメンタリー映画『ライフテープ』の予告編、本当に素敵で。純粋に息子さんに愛を注いでいるご夫婦の優しさに胸が掴まれました。
ここまで書いていて、メンケス病が大変なのは分かりましたが、それまで家族三人で乗り越えようとする姿が感動的で。
ドキュメンタリー映画『ライフテープ』を知ったのは、映画公開からだいぶ後で、福岡県で上映が終わっていました...。
どこかで、このドキュメンタリー映画『ライフテープ』に流れる優しい世界観を体感したいですー。
