見出し画像

介護は「やるべきこと」。でも、伝えることは「やりたいこと」になった

介護は、私にとって最初から「やりたいこと」だったわけではありません。

要介護4の母を在宅で看ている60代後半の私にとって、それはある日突然、目の前に置かれた重たい「やるべきこと」でした。

病院とのやり取り、介護認定、ケアマネジャーさんとの相談。食事、排泄、入浴、そして終わりの見えない夜間の見守り……。

気がつけば、私の24時間はすべて母の介護を中心に回るようになっていました。

「介護は大変」 その一言で片づけようと思えば、片づけられるのかもしれません。でも実際の介護は、そんなに単純ではありません。
しんどい日も、腹が立つ日も、泣きたくなる日もある。
けれど、母のちょっとした表情に救われる瞬間もある。

そして何より、介護の現場には、経験した人にしか分からない「細かなつまずき」が、暮らしのあちこちにあります。

私自身、そのたびにつまずき、悩み、何度も立ち止まってきました。
その中で、少しずつ思うようになったのです。 この経験を、ただ「消費される苦労」だけで終わらせたくない。
同じように暗闇で迷っている誰かのために、分かりやすい地図として残せないだろうか。

そこから、私の中で介護の見え方が少し変わりました。
介護は、やらなければならないこと。
でも、そこで得た気づきを伝えることは、私にとって「やりたいこと」になっていったのです。

「あかるく介護」なんて、無理にはできません

私は今、在宅介護をがんばるご家族のためのホームページ「あかるく介護」を運営しています。元々は自分の備忘録として細々と書いていたものでしたが、昨年末の休みをすべて返上してリニューアルしました。

「あかるく介護」という名前だけを見ると、介護をキラキラと前向きに見せるサイトのように思われるかもしれません。 でも、きれいごと抜きで言えば、あかるく介護なんて、そう簡単にはできません(笑)。

私が伝えたい「あかるく」は、無理に笑うことでも、つらい現実をなかったことにすることでもありません。

私がよく発信している言葉に、「介護は構造でラクになる」というものがあります。 気持ちだけで抱え込もうとすると、介護はどこまでも重くなってしまいます。

けれど、制度、サービス、道具、相談先への伝え方……そうやって一つずつ「構造」として分解していくと、ほんの少しですが、次に進むべき道が見えてくることがあります。

時間は、有限な「命そのもの」です。
私の過ごした泥臭い時間の中から、一つでも誰かが「今日も1日、穏やかに過ごせた」「前を向けた」と思ってくれたなら、私のこのつまずきだらけの経験にも、大きな価値が生まれるのではないかと思うのです。

介護はワーク。発信はライク。でも、今は心地よく混ざり合っている

今回のテーマである「ワークライクバランス」を見たとき、私にとっての「ワーク」とは、会社に行く仕事だけではありませんでした。暮らしを回すための母の介護、それ自体が切実なワークです。

では、「ライク」は何だろう。 それは私にとって、自分のつまずきを言葉にし、次の誰かが歩きやすいように整理して「書くこと」でした。

最初は自分のためでした。書くことで、ぐちゃぐちゃになった気持ちが整理され、母との日々をただの「消耗」で終わらせずに済むからです。 でも、続けていくうちに、少しずつ誰かに届くようになりました。

「救われました」「読んで少し気持ちが軽くなりました」

そんな言葉をいただくと、介護の日々が、単なる苦労の歴史ではなくなる気がしました。
今は、介護という「ワーク」の中から、発信という「ライク」が生まれています。そしてその発信が、少しずつ私の新しい「仕事」にもつながり始めています。

やるべきこと(ワーク)と、やりたいこと(ライク)が、きれいに分かれているわけではありません。むしろ、ぐちゃっと混ざり合っています。 介護で疲れ切っているのに、誰かに伝えたくてパソコンに向かっている。

本当は休めばいいのに、キーボードを叩いている。でも、書き終えると、自分の中の何かも不思議と整っているのです。

私にとってのワークライクバランスは、この「混ざり合い」の中にあります。

仕事を、もう一度自分の手で作り直している

60代になって、母の介護をしながら、もう一度自分の仕事について真剣に考えるようになるとは、若い頃には想像もしていませんでした。

介護に突入してから、私は仕事をWEB中心にスリム化せざるを得ませんでした。好きな仕事だっただけに、その変化はとてもつらいものでした。

会社に行くことだけが仕事ではない。
誰かの役に立つ形に、自分の経験を丁寧に整えることも、立派な仕事になり得る。
今、私はこの発信を通して、自分の人生の後半戦の仕事を、もう一度新しく作り直している途中なのだと思います。

もちろん、介護をしながらの発信は簡単ではありません。母の体調にすべての予定が左右されます。
だからこそ、私は「AI」という心強い編集の相棒も味方につけました。
情報を整理し、ひとりでは立ち止まってしまう壁を、二人三脚で乗り越えています。介護も、発信も、ひとりで全部抱え込まない。
それも、今の私の新しい働き方の一部です。

ワークとライクのバランスというと、時間をきれいに切り分けて、上手に配分できる器用な人の話のように感じてしまいます。
でも、私の現実はそんなに美しくありません。
介護の途中に発信があり、発信の途中に介護で呼ばれる。

それでも、その重なりの中でしか書けない、血の通った言葉があります。
きれいに分けることではなく、「やるべきこと(現実)」の中に、「やりたいこと(意思)」を少しずつ重ねていくこと。

介護は「やるべきこと」だった。 でも、伝えることは「やりたいこと」になった。 そして今、その「やりたいこと」が、少しずつ私のこれからの仕事になろうとしています。

いいなと思ったら応援しよう!

よしみさん 読んでくださり、ありがとうございます。もし「ちょっと応援してもいいな」と思っていただけたら、チップで励ましてもらえると嬉しいです😊AI学習活動費に使わせていただきます❣️