カメラを買ったまま使うのは、もったいない──ファームウェアアップデートは無料の性能向上
カメラ、レンズ、ストロボを購入したあと、一度もファームウェアを更新せずに使い続けている人は意外と多い。
普通に撮影できているなら、更新しなくても困らない。アップデートに失敗するのが怖い。そもそも、ファームウェアの存在をあまり意識していない人もいるだろう。
しかし、現在の撮影機材は、購入した時点で性能が完全に固定されるものではない。
ファームウェアを更新することで、不具合が解消されるだけでなく、操作性が改善されたり、新しい機能が追加されたりすることがある。機材を買い替えなくても受けられる、無料のアップグレードだ。
ファームウェア更新は不具合修正だけではない
ファームウェアアップデートと聞くと、フリーズや誤作動などの不具合を修正するものという印象が強い。
もちろん、それも大きな目的である。ただし、更新内容はそれだけではない。
カメラであれば、AF性能や被写体認識の改善、新しい撮影機能の追加、メニューや操作性の見直しなどが行われることがある。
レンズであれば、AFの動作、手ぶれ補正、絞り制御、新しいカメラとの互換性などが改善される場合がある。
ストロボであれば、TTL発光、カメラとの通信、ワイヤレス接続、発光の安定性などが見直される可能性がある。
外観はまったく変わらなくても、内部の完成度はファームウェアによって変わる。アップデート後に使ってみると、以前より快適になったと感じることも珍しくない。
新古品のファームウェアは、だいたい古い
特に注意したいのが、新古品や長期在庫品である。
新古品は未使用、あるいは未使用に近い状態なので、機材そのものは非常にきれいである。しかし、中に入っているファームウェアまで新しいとは限らない。
むしろ、新古品を買うと、ファームウェアはだいたい古い。
購入したのが2026年でも、その機材が2024年や2025年に製造されたものであれば、製造時点のファームウェアが入っている可能性がある。購入日と製造日は同じではないからだ。
店舗側も、未使用の商品を開封し、バッテリーを入れて、一台ずつファームウェアを更新することは基本的にない。未開封であること自体が商品の価値になるため、そのまま販売されるのは当然である。
新品、中古、新古品に関係なく、購入したら最初にファームウェアのバージョンを確認したい。外観や付属品を確認するのと同じように、内部の状態も確認する必要がある。
レンズとストロボは忘れられやすい
カメラ本体のファームウェア更新は知っていても、レンズやストロボにもファームウェアがあることを知らない人は多い。
レンズは、カメラ本体を通して更新する製品もあれば、専用ドックやスマートフォンアプリを使用する製品もある。
ストロボも、USBケーブル、パソコン、スマートフォンアプリなど、メーカーや製品によって更新方法が異なる。
普段は問題なく使えてしまうため、確認するきっかけがないのだ。
新しいカメラに買い替えたあと、AFやTTL発光、ワイヤレス通信などが思ったように動かない場合は、カメラ側の設定だけでなく、レンズやストロボ側のファームウェアも確認したい。
同じ機材なのに評価が違う理由
同じカメラやストロボを使っているのに、人によって評価が大きく違うことがある。
個体差や設定、撮影環境の違いもあるが、ファームウェアのバージョンが違っている可能性も考えられる。
すでに修正された不具合を、古いファームウェアのまま抱えている人もいる。新しく追加された機能を知らず、購入時と同じ状態で何年も使い続けている場合もある。
「この機材は動作が不安定だ」
そう判断して設定を何度も変更したり、故障を疑ったりする前に、ファームウェアを確認したい。更新するだけで問題が解決する可能性があるからだ。
大切な撮影の直前には更新しない
最新のファームウェアには大きな価値がある。ただし、更新するタイミングには注意が必要である。
ライブ撮影、旅行、撮影会など、大切な予定の直前にアップデートするのは避けたい。更新後に設定が変わったり、操作感に違いが出たりする可能性がある。
更新するときは、次の点を確認したい。
メーカー公式サイトで更新内容を読む
対象機種と現在のバージョンを確認する
十分に充電したバッテリーを使う
更新中は電源を切らない
必要であれば現在の設定を記録しておく
更新後にAF、記録、通信、発光をテストする
本番まで余裕がある日に更新し、実際に撮影して問題がないことを確認する。アップデートして終わりではなく、動作確認までが更新作業である。
ファームウェア確認も機材のメンテナンス
センサーを掃除する。レンズの前玉を拭く。ストロボのバッテリーを充電する。
それと同じように、ファームウェアの確認も現代の撮影機材に必要なメンテナンスである。
高価なカメラ、レンズ、ストロボを購入しても、古いファームウェアのまま使い続けていては、本来の性能を十分に引き出せていない可能性がある。
操作性が改善され、新機能が追加され、不具合まで解消される。それが無料で提供されているなら、利用しないのはもったいない。
新しい機材を買う前に、いま持っているカメラ、レンズ、ストロボのバージョンを一度確認してみる。
特に新古品を購入した直後は、最初に確認しておきたい。ファームウェアを最新にするだけで、使い慣れた機材が少し新しくなったように感じられるかもしれない。
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