乳がんの話、つづき。
入院2日目、術後のICUで
ICUで目が覚めました。術後の胸が痛みます。麻酔が切れているようです。ものすごく痛いです。しかし、全身麻酔がかかっていた割に意識ははっきりしていました。
痛いなーと思っていたら、カーテン越しに隣のベッドでは、私の次に手術を終えられた昨日おしゃべり出来た方の患者さんが手術から戻られたようでした。
すぐに、ご主人のような方が入ってこられたようで、カーテン越しにご夫婦の会話が聞こえてきました。部屋が静かなので、隣の会話が聞こえてきます。
『痛かったー』
と奥様。普通に会話をされていましたが、途中からヒソヒソ話に変わりました。ところどころ聞こえてきた会話で、iDeCoの話をしていることが分かりました。
『どこそこの口座にどうのこうの・・・』
といった内容でした。
術後の容態確認もそこそこに、お金の話をされるあたり、さすが!先輩主婦!と、心強く思いながらお隣の会話に癒されておりました。
そうこうしていると、うちの心配性の夫もやってきたので、
『さっきカーテン越しに、次に手術したおばちゃんがお金の話してたよ。逞しすぎ!』
と、ちょっと明るく喋りました。夫も、元気そうな私を見て安心したようでした。
看護師さんがやってきて、
『痛みますか?』
と聞いてきたので、
『すっごく痛いです。』
と伝えました。
痛み止めの点滴をされ、しばらくすると、痛みは軽くなりました。
また看護師さんに
『痛みますか?』
と聞かれたので、だいぶ痛みは軽くなったけど、
『まだ少し痛いです。』
と答えてしまいました。
そうしたら、もう1回痛み止めの点滴をされました。
その後、急に気持ち悪いような、グルグルとした目眩のような症状に襲われ、とても具合が悪くなってしまったのです。
看護師さん達も、体調の変化を感じ取ったようで、
『細い人(私、身長156cm、体重43kg、痩せ型体型)は、痛み止めの点滴で酔いやすいんだよね。』
と会話が聞こえてきました。
その時は、ま、そんなもんなのかと思いましたが、今考えれば、2回目の痛み止めの点滴は明らかに過剰だったと思います。
痛みますか?と聞かれた時に、痛いけど我慢できるレベルです。と答えておけば、あんなに体調が急変して具合が悪くなることはなかったと思います。
術後、病室へ移動
その後病室へ戻っても、術後の傷は痛むけど意識ははっきりしている状態はどこへやら。ずっと気持ち悪く辛い状態が続きました。
午前中に手術をして、その日の夜もまだ気持ち悪い状態で、少し良くなったのは、次の日の朝方だったと思います。
そんな状態なので、手術後にICUから病室へ戻ってからの記憶が曖昧ですが、夫が、午後の面会の時間帯に病室へ来てくれたのを覚えています。
夫に心配かけないように、ベッドを起こして明るく振る舞っていましたが、本当は体が辛くて、しんどかったです。
夫が病室にいる間に担当看護師さんが巡回に来てくれました。
また無愛想ですが、
『面会の許可はとっていますか?手術後は患者さんの回復を優先して、面会を遠慮していただいています。』
と毅然と伝えてくれました。この時は、正直夫の相手をするのが負担に感じていたので、看護師さんの言葉に少しホッとしました。
看護師さん、無愛想でなんだかなーと思っていましたが、私みたいに症状が軽い患者だけではなく、重症の患者さんのお世話もある中で、気持ちを押し殺して仕事をしてきた結果、綺麗ごとではなく、厳しい態度で仕事に向き合わざるを得ないのだろうなと見方が変わりました。本当に大変なお仕事です。
また、すぐに帰ることになった夫ですが、私は、夜中に目が覚めるまで、昏睡状態のごとく、眠り続けました。途中看護師さんが巡回に来てくれたのは分かりましたが、寝ていても体がグラグラと回る感じがして起き上がれない状態が続きました。
夜中に少し意識が回復して、今度は寝苦しさで目が覚めました。
尿の管やら点滴のチューブやら、身体中に管が巻きつけられているような寝苦しさで、身動きが取れない辛さがありました。ベッドの上半身をリクライニングで高くしたりするしか動く方法がなくて、早く時が過ぎればいいのにな、と考えられるくらいに回復していました。
入院3日目
入院3日目。朝方に尿の管を外してもらいスッキリして、気分も良くなってきました。朝食を食べたかどうか忘れましたが、昨日の具合の悪さがずっと続いたらどうしようかと思っていたので、体調が良くなってホッとしました。その日は、リンパを切った後にリンパ浮腫などが起こるのを防ぐための体操をしたり、DVDを見たり、本を読んで過ごしました。
午後には夫が面会に来てくれました。
お風呂は入ったかどうか忘れてしまいました。
入院4日目
入院4日目。この日もリンパの体操や、屋上までお散歩したり、DVDを見たり、本を読んだりして過ごしました。
入院4日目にもなると、病院食の不味さに限界が訪れます。煮炊きした食べ物ばかりで果物は缶詰の物が出てきます。ビタミンが不足している気がして、無性に果物が食べたくなり、夫に苺とみかんを買ってきてもらって、貪るように食べました。
夫が近所のスーパーに品質の良くない果物しか売ってなくて、別のスーパーに買いに行く時間もなくて、仕方なく買ってきた果物だけど、美味しそうに食べてくれて良かった、と話していました。(夫は私が入院している間リモートワークで仕事をしながら家事もこなしてくれていました。)
入院5日目
入院5日目。退院の日です。
荷物をまとめて、迎えに来てくれた夫とサクッと退院しました。
以前は、乳がんの患者さんは3泊4日の入院で退院させられていたそうです。それだと、手術後に傷口をご自宅で初めて見ることになり、あまりにも可哀想だということで、看護師さん達の配慮により1日入院期間が伸びたそうです。ありがたい。
忘れていることもたくさんありましたが、手術を振り返ってみて、たくさんの方達にお世話になったことを思い出しました。
さりげなく元気になる声かけをしてくれた清掃のおばちゃん、巡回に来て、異常が無いか真剣に確認してくださる看護師さん、美味しくはなかったけれど、患者さんに合わせた食事を作って配膳、片付けをしてくれる調理員さん、いつも優しく声掛けしてくれる主治医の先生。
ありがたい人たちに囲まれた入院生活でした。
これで、入院生活の記録は終わりになります。
本日が皆さまにとって、理想の未来へ向かう素敵な1日でありますことを願って。
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