見出し画像

ChatGPT Proユーザーに解放されたo3とo4-miniは「考えて動けるやつ」

OpenAIが2025年4月17日日本時間の午前2時から配信したライブで発表の最新のAIモデル「o3」および「o4-mini」は、同社のAI開発における大きな進化を示すものだった。
これらのモデルは本日よりChatGPTのProおよびTeamユーザー向けに提供開始され、まもなくAPIでも利用可能になる。(しかし、落ちがあり。このNoteの末尾を参照の事)

OpenAIライブに久々登場のCEO・Greg Brockmanをはじめ、Mark Chen、Eric Mitchell、Brandon McKinzie、Wenda Zhou、Fouad Matin、Michael Bolin、Ananya KumarといったOpenAIの主要な研究者たちが登壇し、モデルの実力を実演とともに紹介した。


第1章:未来を先取りするAIシステムとしての「o3」と「o4-mini」

Greg Brockmanは冒頭、「これはGPT-4以来の質的な飛躍」と述べた。今回の「o3」と「o4-mini」は、単なる言語モデルではなく“AIシステム”と呼ぶにふさわしい。これらのモデルは、推論中にツールを自在に呼び出し、複雑な課題解決にあたる。特にo3は600以上のツール呼び出しを連鎖的に行い、独自のアーキテクチャ設計まで導出した例も報告されている。

第2章:画像理解とソフトウェアエンジニアリングの融合

続いてMark Chenが、画像を扱う推論能力の進化を強調した。o3/o4-miniはPythonツールと連携し、画像の切り抜きや回転、変換などを“思考の連鎖”の一部として実行できる。例えば、ある物理ポスターから結果を推定し、さらにウェブ検索で最新文献と比較して評価するまでを一貫して自動で行ったデモは圧巻だった。

物理ポスター画像をもとにした高度な画像理解と数値推定をo3が行っている様子が示されており、「画像を思考の一部として扱う」能力の実演

Ericの例では、ユーザーの嗜好を記憶した上で、興味を引きそうな海洋音楽療法の研究を提示。プロットと文献を組み合わせ、科学と日常を結びつける能力を示した。


コードを実際に読み取り・操作するプロセスを映しており、ツール使用とエージェント的行動の中核

第3章:思考プロセスの進化と人間的な“再考”能力

WendaとAnaのパートでは、ツール活用の意義が数学やコーディングのベンチマークで具体的に示された。AM(高度数学競技)での99%達成、Codeforcesでの世界上位200位相当のスコア、GPQAで83%以上という成績がそれだ。特筆すべきは、モデルが一度「愚直な解法」を試し、その後“よりスマートで簡潔な解法”に自己修正する点だ。これは、単なる答えの生成ではなく、説明や反省といったメタ認知的な振る舞いをも含んでいる。

マルチモーダルベンチマーク比較グラフ(MMMU、MathVista、CharXiv-Reasoning、V*)
  • 左のグラフ(Humanity's Last Exam)は、人間の専門知識レベルの問題への対応力を示しており、ツール使用(Python・Browsing)が明らかに精度を押し上げていることがわかりる。

    • これは、「モデルがツールを使いこなすことで、より深く正確な推論ができる」ことの証拠であり、第3章のテーマそのものです。

  • 右のグラフ(Multi-Turn Instruction Following)は、複数ターンの対話理解と命令追従能力というエージェント的な知性の重要な評価指標。

    • o3が他モデルよりも明確に優れており、マルチステップ思考・自己修正・記憶との統合が示唆される。

第4章:実世界でのコーディングエージェントとしての進化

SweetBenchの実演では、o3が仮想環境内でのバグ修正タスクに挑戦。コードの探索からパッチ作成、ユニットテストの実行までを自律的に行い、平均37回、時に100回以上のツール使用を重ねて最終的に正答へとたどり着く様子が示された。これは、エージェント型AIとしての完成度を象徴する。

実用性(スケーラビリティ)を軸とした指標
「推論性能 × コスト効率」の可視化だが、こちらは o3とo1の比較にフォーカス
「AIME(数学オリンピック準拠)2022/2023」の正答率(Pass@1)を使用した
計算リソース(Compute)との関係で可視化

第5章:CodeX CLIとASCIIアートの驚愕デモ

FouadとMichaelは、CodeX CLI(注01)の発表とともに、o4-miniによるASCIIアートジェネレーターをライブで構築。画像をドラッグ&ドロップするだけで、モデルが即座に実装・実行し、ライブカメラも取り込んで動作する軽量CLIエージェントが完成する様子は、未来のプログラミングの姿を垣間見せた。

※注01:CodeX CLI は「Codex(コーデックス)」というCodex = OpenAIが2021年に発表したコード生成AIモデルモデルの系譜に連なるツールであり、ライブ中でもその継承が明言された。名称としての “X” は、機能の拡張性や実行可能性の新次元を象徴している。

発表に先立ち、o3を用いたASCIIアート変換ツールを構築したユーザーの投稿がX上で話題となっていた。わずか1時間の試行で理想の変換器を実装し、その完成度に「insane」と表現する反応が相次いだ。
デモは、画像を渡すだけでモデルが全自動で処理を進める「full-autoモード」でスタート。 o4-miniに画像ファイルを与え、実行環境内で即座に解析・出力が開始された。
CodeX CLIによる推論の「思考プロセス」が可視化された瞬間
CodeX CLIが自動生成した ascii.html を完成させた場面で、ローカルHTMLファイルへのリアルタイムASCIIアート出力機能が構築された直後の瞬間
生成された ascii.html がブラウザで開かれ、Webカメラ使用の許可を求めている初期状態
生成されたascii.htmlを開くと、Webカメラからのライブ映像が即座にASCIIアートへと変換され、インタラクティブなUIで表示された。
アートはコントラストや解像度、文字セットを即時調整でき、変化する明暗に応じて文字の大きさや濃度も滑らかに変化する。

このCodeX CLIは、GitHubでのコード公開と、100万ドル規模のオープンソース支援プログラムの開始も含めて紹介された。

尚、o3 + CodeX CLIでエージェント化する方法は、別のNoteに書きましたので合わせてご覧ください。


第6章:モデルの提供と移行方針

o3/o4-mini/o4-mini-highは、すでにPro・Teamユーザー向けにChatGPT内で提供開始されており、順次APIでも利用可能になる。また、o1およびo3-miniのモデル群は新モデルに置き換えられる。ベンチマーク特化型というよりは、実用性と応答速度を優先した最適化が施されている。

終章:AGIに向けた次なる一歩

この2つの新モデルは、推論、ツール活用、エージェント性、多モーダル理解の全領域において、OpenAIがAGIへと進む足取りを象徴するものである。Gregが語った「予測タスクの上に世界とつながる接点をつくる」こと――それが現実のものとなりつつある。

実はPlusユーザーにも順次展開されている

7時現在、ライブで紹介されたo3とo4-miniは筆者の、Plusアカウントで使用可能になっていた。

  • ライブ中の公式発言では:

    1. “available in ChatGPT for Pro and Team users starting today”

  • しかし実際のChatGPT UI(ZunのPlusアカウント)では:
    o3 / o4-mini / o4-mini-high 全部使える状態になっている

と確かに言っていたのだが、字幕で言っていた「ProとTeamユーザーに提供開始」という表現は、厳密には:

  • ライブ時点での 「最初の開放対象」 を指していた

  • しかし、その数時間〜半日以内にPlusユーザーにも展開が始まった

という可能性が高い。OpenAIのロールアウトでは、こうした「段階的リリース → 全体開放」という流れはよくあるパターンだ。

いいなと思ったら応援しよう!

Zun-Beho このNoteの視点を面白いと思ったら、ぜひチップで応援を!知性とAIの共創を深めるために、あなたの力を貸してください!✨ チップは「もっと知りたい!」のメッセージとして受け取ります。🔥