コミュニティマーケティングはすでに「あたりまえ」になったのか?最新調査で見えた、4つの意外な事実
こんにちは。この記事はコミュニティマーケティング Advent Calendar 2025 2日目の記事です。
コミュニティマーケティングはすでに「あたりまえ」になったのかと言えるのだろうか?
近年、ビジネス界で「コミュニティマーケティング」という言葉を耳にする機会が急激に増えました。コミュニティを活用して顧客との長期的な関係構築を目指すこの手法は、新しいマーケティングの潮流として注目を集めています。
2025年は、「コミュニティマーケティングカンファレンス2025」が開催され、平日日中帯の有料カンファレンスにも関わらず500名を超えるビジネスパーソンが参加するなど、一部の界隈だけでなくビジネス全体における盛り上がりを感じた1年でした。Google検索キーワードのトレンドを見ても、特に直近5年くらいの間で「コミュニティマーケティング」のキーワードの人気度が急激に伸びているのが見てわかります。

しかし、その一方で「本当に多くの企業が実践しているのだろうか?」「結局、一部の界隈だけで盛り上がっているのではないか?」といった疑問を抱いている方も少なくないでしょう。
その答えを確かめるために、コミュニティマーケティング推進協会と、私が代表を務めるコミュニティマーケティング総研では、2066名のビジネスパーソンに対するコミュニティマーケティングの市場調査を共同で行い、その結果を「コミュニティマーケティング白書2025-2026」(速報版)として2025年11月19日に発表しました。
この調査の結果、ビジネスパーソンの7割がこの言葉を認知し、さらに過半数(54%)がその必要性を感じていることが明らかになりました。もはや単なるバズワードを超えて、浸透フェーズに入っていると言えそうです。
本記事では、この最新調査から見えてきた、単なる認知度以上の「4つの意外な事実」を深掘りします。その上で、これらのデータから見るコミュニティマーケティングの現在地と課題を探ってみたいと思います。
「コミュニティマーケティング白書2025-2026」(速報版) 調査概要
調査目的:コミュニティマーケティングの理解や取組み状況を把握するための基となるデータを提供することを目的とする
調査対象:日本国内の企業(大企業〜中小企業、特定8業種)に勤めるビジネスパーソン(20歳〜69歳の男女)で、業務で「マーケティング」または「カスタマーサクセス」に関わる方(回答者:2066名)
調査方法:Webアンケート調査
調査期間:2025年10月16日〜10月21日
調査主体:一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会 / 株式会社コミュニティマーケティング総研
調査実施機関:株式会社インテージ
①驚くべき認知度:「コミュニティマーケティング」は7割が知る言葉に

コミュニティマーケティングは、まだ一部の先進的な企業が取り組むニッチな手法だと思われがちです。しかし、調査結果は全く異なる実態を示しました。なんと、ビジネスパーソン全体の約7割が「コミュニティマーケティング」という言葉を認知していることが明らかになったのです。
さらに詳しく見ると、そのうち35%は「意味もある程度わかる」と回答しており、単に言葉を知っているだけでなく、概念そのものが市場に浸透しつつあることが伺えます。この高い認知度は、コミュニティマーケティングが一時的なトレンドではなく、ビジネスの「常識」として定着し始めていることの表れと言えるでしょう。
②最大の壁は現場より経営層?中小企業に潜む「認識のギャップ」

コミュニティマーケティングの導入において、ボトルネックはどこにあるのでしょうか。調査では、特に中小企業において興味深い「認識のギャップ」が浮き彫りになりました。
データによると、中小企業の現場層(課長クラス以下)では、10.2%が「既に取り組んでいる」、31.9%が「取り組みを検討している」と回答しており、合計で4割以上が前向きな姿勢を示しています。しかし、同条件で中小企業の経営層(部長クラス以上)に目を向けると、その合計は28%にとどまり、調査対象の全セグメントの中で最も低い数値となりました。
このギャップは、戦術的な現場の課題認識と、経営層の戦略的な投資判断との間にタイムラグが生じていることを示唆している可能性があります。現場がコミュニティを活用した顧客エンゲージメントの重要性を肌で感じていても、それがまだ経営アジェンダとして優先順位付けされていないという、中小企業特有の課題を浮き彫りにしている結果であると言えるでしょう。
③牽引役はサブスクリプション・ビジネス

どのようなビジネスモデルがコミュニティマーケティングと特に親和性が高いのでしょうか。調査結果は、その答えが「サブスクリプション・ビジネス」にあることを明確に示しています。
B2B(法人向け)、B2C(消費者向け)を問わず、サブスクリプション型ビジネスは、非サブスクリプション型ビジネスに比べてコミュニティマーケティングの認知度、取り組み意向が共に高い傾向にありました。前提としてサブスクリプション型ビジネスはストックビジネスであり、顧客との関係性を長期に保ち、他社へのスイッチングを防いで自社につなぎ止める必要があることを考えると、非常に納得感のある結果だと言えるでしょう。
並行して注目すべきは、B2Bサブスクリプション型ビジネスが「既に取り組んでいる」割合(29.4%)でトップに立ち、B2Cサブスクリプション型ビジネスが「意味も理解している」割合(45.6%)でトップだった点です。
この違いについて推論すると、B2Bの組織購買においては対人取引が基本であり、顧客を招いた勉強会や懇親会なども従来行われている流れがあるため、顧客との長期的な関係を考えるときにコミュニティづくりが実現可能性の高い選択肢として成立するため、認知度に比して取り組み度合いが高い結果になったことが考えられます。
一方B2Cでは、コミュニティだけでなくファンマーケティングやSNSマーケティングなど、コミュニティマーケティングに関連するマーケティング手法が広く語られています。そのため、コミュニティマーケティングの認知度は高い一方、マス顧客をコミュニティに巻き込むという実践の難易度はB2B以上に高く、取り組み度合いとしてはB2Bよりも低くなったのかもしれません。
推測ですが、これらの差が上記の認知度と取り組み意向の差に現れている可能性もありそうです。
④期待する効果は「売上」だけじゃない。IT・製造業が見据える「顧客との共創」

企業がコミュニティマーケティングに期待する効果として、「既存顧客の売上拡大」や「ロイヤルティ向上」「クチコミ促進」が上位に挙がるのは想像に難くありません。しかし、一部の業界では、その期待はさらに先を見据えています。
今回の調査では、特に「消費財系製造業」と「IT・ソフトウェア業」において、「顧客との共創」に対する期待が他の業界よりも高く期待されていることがわかりました。これは、コミュニティを単なる顧客維持やクチコミ産出のツールとしてだけでなく、顧客からのフィードバックやアイデアを製品開発やサービス改善に活かす「イノベーションの源泉」として捉えていることを意味します。コミュニティマーケティングの実践が先行している業界ならではの特徴と言えるかもしれません。
まとめ:浸透期から「実践・定着期」へ

今回の調査は、回答者の業界・規模・職位などの偏りできるだけ排除し、市場調査を専門とする第三者の調査機関に委託した結果であることから、結果の信頼性は十分に担保されていると言えます。
7割の認知度、過半数が必要性を感じ、実に74%もの企業が取り組みに前向きな姿勢を示す今、コミュニティマーケティングは「あたりまえ」になりつつあると言って良いのではないでしょうか。市場は明らかに「概念の浸透期」を終えつつあり、本格的な「実践・定着期」へと移行しています。
しかし、「あたりまえ」になったからこそ、次のフェーズである「実践」における新たな課題も見えてきました。中小企業における経営層の巻き込みや、効果の認識などがそれにあたります。
最後に:「コミュニティマーケティングの実態調査」アンケート実施中です
コミュニティマーケティングを「知る」フェーズから「実践」フェーズへと移行する中、どのような企業がどのようなコミュニティ戦略を築き、競争優位性を確保しているのか?
その答えは、私たちが次に取り組んでいる「コミュニティマーケティング白書2025-2026」の本調査の中で明らかになるはずです。本調査では、コミュニティマーケティングの実践者だけでなく、支援者や参加者も含め、包括的な角度からコミュニティマーケティングの実態を浮き彫りにすることを目指しています。
回答URL https://www.surveymonkey.com/r/QRVBCPL
謝礼 回答いただいた方のうち、抽選で20名様に1,000円分のAmazonギフト券をお送りします
調査対象者 以下のいずれかに該当する方
・コミュニティを運営・管理するコミュニティマネージャー
・コミュニティ運営部門の責任者
・コミュニティ立ち上げを検討中の方
・コミュニティマーケティング支援者(プラットフォーム事業者、広告代理店、マーケ支援会社、個人事業主等)
・コミュニティの参加者
今回ご紹介した認知度調査の結果の詳細および本調査の結果については、2026年春に刊行予定の「コミュニティマーケティング白書2025-2026」に掲載予定です。皆さまからアンケートでいただくご回答は、今後3年間にわたり発行する白書の基盤となり、コミュニティマーケティングの価値可視化・発展に大きな力となります。ぜひご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは2025年も残り1ヶ月となりましたが、身体に気を付けつつ、駆け抜けていきましょう。また来年の春に「白書」本リリースをご報告できるよう、がんばります💪
