映画『国宝』イタリア プレミアを見に行った
イタリアでもやっと映画『国宝』が公開されることになり、そのプレミアを見にファーイースト映画祭まで日帰りで行ってきました!
最初にこの映画を知ったのはかなり前で、それからいつになったらイタリアで公開されるのかを待ち望んでいたので、この映画祭で上映されることを知り、ぜひ行きたいと思って友人を誘いました。
今の俳優さんやどんなドラマや映画が人気かなど全然知らない私と違って、彼女はこの映画の出演者も監督も知っていて、さらに原作も読もうと努力(読了はできなかったようですが)していたり、私より真摯に取り組んでいたかもしれません。私はただ興味を引かれ、日本でブームを起こし、カンヌ映画祭で大成功、ヨーロッパでも評価が高いらしいこの映画を見たかっただけです。
日帰りするには(私には)ちょっと遠く往復4時間越えなのですが、友人に言われたように、映画1本のために泊まるほど魅力的なロケーションでもなかったので、頑張って日帰りして良かったです。
今年28回目らしいファーイースト映画祭は、東アジアと東南アジアの映画に特化した映画祭で、好きな人には絶大な人気があるらしいです。開催地は私が住む州のお隣の州にあるウディネと言う町で、特に見る物はなさそうな閑散とした(日曜日だったし閉まっているところが多かった)町でした。
途中の駅で友人と待ち合わせ、ウディネ行のローカル電車に乗り継いで1時間半ほど。時間は遅いけれど、上映まで時間があるのでさてお昼ご飯でも、と駅から出てみると目の前に「パキスタン料理」と書いた大きなレストランがありました!エスニック料理好きな友人と、そこまで好きではないけれど、パニーニ食べるよりずっといいなと思った私でこのレストランに入ってみると、ウィンドウに既に完成したお料理やきれいなお菓子が並んでいます!

思っていたより本格的なレストランらしく、色々な種類のお料理が沢山メニューにあり、前はマクドナルドだったらしい地上2階の大きなスペースで、(でもパキスタン人がやっているのでアルコールはメニューにない)テーブルについて、友人のお勧めに従いホワイトカレーとナスのカレー、ライスとナンとタンドールで焼いたパンを頼みました。
お料理は味付けがマイルドでスパイスが効いて、とても美味しかったし、ナンやパンはちゃんとここで焼いている感じの味で大満足でした。
時間はたっぷりあるので食後のコーヒーは場所を変えることにして映画祭の会場に向けて友人の案内で歩き出します。飲食店やお店はほぼすべて閉まっており、歩いているのは外国人ばかり(時間帯のせいもあった)閑散とした中を20分ほど歩くと、バールが2軒向かい合って営業しているのが見えたので、そのどちらかでコーヒーを飲もうという事になり、パスティッチ―二が美味しそうだった方の外のテーブルでコーヒーを飲んで上映時間を待ちました。

友人に中に入っても何も見るものないよと言われたし、そして開場も遅かったので時間を持て余しましたが、30分前ぐらいまでに映画祭の会場に入りました。Teatro Nuovoと言う名通り、いわゆる最近の建築ですが斬新やユニークとまではいかない外観の建築だなと思ったり

中に入ると吹き抜けのいわゆるロビーがあり、向かって左手にはバールが、奥にはブックショップ、右手奥にはチケット売り場があり、上階(バルコニー席)に行く階段を上がってみると奥にこじんまりとしたトーク会場が設けてありました(同通の友人が同通が入るボックスの位置まで教えてくれた)

16時10分からスタートになっているけれど前作が終わらず全然中に入れないので、そのうち列ができ始めて私たちもそこに並びました。中に入れたのが16時10分!友人が「のんびりした映画祭だからあまり追求しないで」と言いましたが、Ryanairの搭乗だって10分では終わらないし、帰りの電車の時間が!と思ったけれど、入場はサクサク進んで、16時20分にはほぼ全員が着席しており、監督が拍手の中入場して壇上に上がって短い挨拶があり(もちろん通訳付き)その後映画が始まったのは16時27分でした(帰りの電車の時間が結構タイトだったので時計を気にした)

映画はとても面白かったです。日本にいたときはそれなりに歌舞伎が好きだったし、浅い知識はあったので、演目は全て知っていました。ただなんというか、このどう考えても今の時代には合わない閉鎖的な環境と女性たちの浮かばれなさ、古い慣行にとらわれた人間関係、芸のためにはすべてを犠牲にするような生き方に、果たしてイタリアの観客が共感できるのかということと、日本人だって若い世代に共感を得られるような世界なのか(原作があるわけですが)、私がこういう感覚が苦手なので気になって称賛はできなかったです。
帰ってから調べたら、歌舞伎も改革は進んでいて、世襲以外の役者の受け入れや養成所(主役級ではないようですが)があったり、歌舞伎役者の他分野への進出やコラボ、今の時代にあった宣伝や演目の開拓はどんどんやっているようで、「ああそうだよね、あのままでは生き残れないし」と思いました。
映画が終了して監督にスポットライトが当たり、満場の観客が熱い拍手で讃えていました。私もこれを撮るのはどれほど大変だったかはよく理解できるので、スタンディングオベーションをし、そのまま駅に急ごうと会場を後にしました。
外に出るとまだ明るく、来た時よりはるかにさっさと駅にたどり着いてしまい、まだ30分ぐらいあるから何か飲もうという事で、「あと10分で閉めるけど」と言われたバールで友人はプロセッコを、私はスプリッツを飲みました。

あとで知ったことですがスプリッツ発祥の地ヴェネツィアのおつまみと美味しいワインを揃えたバール(チッケッテリアと呼ばれる)でスプリッツを注文すると罵倒されるそうで、そういうロケーションではワインを見繕ってもらって飲んだ方がいいようです。わが町では別にそういうことはない気がするのですが、本当はワインを飲むのが通なのかもしれません。喉が渇いていたしアルコール度数が低いと感じるのでスプリッツを飲みました!
軽く1杯飲んだ後は電車で帰宅の途につきました。
