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8月9日、手紙の続き


大好きないっちゃんへ


この前、8月6日の日に「原爆」や「核兵器」についてのお手紙を書いたよね。でもね、あのお手紙を出したあと、じっくり考えてみたの。ちょっと私の一方的な考え方を押し付けちゃったかもしれないな、って反省しました。 


今日、8月9日の「長崎原爆の日(ながさき平和の日)」を迎え、もう一度、あなたに伝えたかったことを、ちゃんとお手紙に書かせてね。 

「ながさき平和の日」という、とても大切な日です。

今から81年前の8月9日、長崎県に「原子爆弾」という、世界で一番強い大きな爆弾が落とされました。

その3日前、8月6日には広島県にも同じような爆弾が落とされて、たくさんの人が傷つき、街がバラバラになってしまいました。

この2つの爆弾のせいで、たくさんの人が亡くなったり、悲しい思いをした人がいます。今もです。

だから毎年8月9日になると、長崎の人も、広島の人も、日本中の人が「戦争はもう絶対にしない」「世界中のみんなが仲良く暮らせますように」とお祈りをします。

この前のお手紙に書いた「核兵器をなくそう」という話、これは、世界中のみんなにとって、ものすごく大切なお話です。

ただね、この「核兵器をなくすかどうか」という一つの問題だけで、自分と意見がちがう人を「あの人は敵だ」と決めつけて、お話しするのをやめたりするのはどうなのかしら、と少し悲しく思っています。 


例えば、お友達と「今度、いっしょにプールに行きたい!」という子と、「私は水族館に行きたいな」という子がいたとするよね。プールに行きたい子からすれば、水族館がいいと言うお友達は、自分の意見に反対する人のように見えちゃうかもしれない。 

でもね、よく考えてみてね。その子も「大好きないっちゃんと、いっしょに楽しく過ごしたい」という、一番大切な気持ちは同じだよね。
ただ「どこに行くか」「何で遊ぶか」という方法がちがうだけなの。 


核兵器のお話も、考え方はこれとよく似ていると思います。

「今すぐ核兵器をなくして、絶対に戦争が起きない平和な世界にしよう」と一生懸命に考えている人がいます。

その一方で、「今すぐなくしたら、もし悪い国が攻めてきたときにみんなを守れないかもしれない。だから、まずは国を守る力をちゃんと持っておかないと、平和が続かないよ」と、みんなの安全を心配して考えている人もいます。 


どちらの人も、心の中にある一番の願いは「世界を平和にしたい」「みんなの命を守りたい」ということ、かもしれません。

誰も「戦争になればいい」なんて思っていません。
それなのに、方法がちがうだけで相手を「悪い人」だと責めてしまうのは、とても寂しいよね。 


だけど、残念なことに、「戦争」が自分たちの国を守る手段だと、信じている人もいます。

それにね、世界には「自分の意見を言うこと」さえ許されない国もあること。
政府とちがう意見を言ったら、警察に捕まってしまったり、危ない目に遭ったりする場所もあるってことを、知っておいてね。

そう考えると、私たちが今、「どうして戦争が起きるんだろう」「何が正しいんだろう」って自由に話し合えたり、自分の言いたいことを言えたりする日本という国は、とてもありがたい環境なんだよね。


ちゃーちゃんくらいの年齢になると、ときどき「自分の意見が正しい」って思い込んでしまいそうになることがあるの。

人間は、ついつい自分の好きな人や、仲良しの人の意見だけを「正しい」ってそのまま信じ込んでしまいがち。でも、どんなに大好きな人の言葉であっても(パパやママの言葉だってそう!)、
それをそのまま鵜呑うのみにするのではなく、「本当にそうなのかな?」って一度立ち止まって、自分の頭でしっかり考えることが、とっても大切だと思います。 


世の中には、マルかバツかだけで決められない、難しい問題がたくさんあります。だからね、「あの人は反対意見だから嫌い」と心にカギをかけてしまうのではなく、「どうしてあの人はそう考えるのかな?」って、まずは優しくいろんな人の意見を聞いてみてほしいな。 


いっちゃんには、これからたくさんの人と出会う中で、色んな人の意見を「なるほど、そういう考え方もあるんだね」って、聞いてあげられる子に、  自分の頭でちゃんと考えて、心の広い優しい子になってほしいと思っています。 


いつもニコニコ笑顔を見せてくれて、元気に過ごしてくれてありがとう。


ちゃーちゃんより  8月9日


これは、ちゃーちゃんという名の私から、遠く離れた小学生の孫への手紙です。
「8月6日の手紙」の続きです。

日ごろ言えないことも、手紙なら伝えやすいと思って書きました。ただ、子どもに「戦争と平和」を教えるのは勇気がいりますし、間違った知識を伝えてしまわないかという不安もあります。

でも、これはどうなんだろう?と考えるきっかけになってくれればと書いてみました。


そして、
気付いたことは、一歩引いて、違う視点を知ること。それが私の今できること。


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