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シンセとチップチューン 其の3

 これまでFM音源を使った作品を紹介して来ましたが、今回はPCMシンセを使ったチップチューン、ゲームミュージック系の曲について書こうと思います。

 チップチューンとは少し違いますが、往時のゲームミュージックの雰囲気が出ている曲だと思います。ベースや0:20辺りから使われているメロディーの音色はゲームミュージックでよく聞かれたものに似ていますが、それ以外も含めてYAMAHA S30と言うPCMシンセで作ったものです。
 S30のフィルターは掛かり具合を任意の複数音域で設定出来る中々の優れもので、そのフィルターで作り込んだ音をレイヤーして一つの音色にする手法を多用していました。
 フィルターで作り込むと言うのが伝わり難いかもしれませんが、好みの形に成形した部品をくっつけて一つの物として完成させる、みたいな感じかなと思います。個人的にはFMの2op+2op(ニコニコと呼ばれてましたね)の様なFM音源を並列で使う音作りに通じるものがあると思っています。

 一見普通のチップチューンの様に聞こえますがYAMAHA MOTIF XSで作ったものです。PSG5ch+PCMドラム1ch(PCエンジン風?)の想定で内蔵シーケンサーを使ってMOTIFのみで作りました。音色面では特に難しい音作りはせずPSGとして使えそうな波形を選んで使ったと思います。音色によってはフィルターで微妙に味付けをしたかもしれません。
 ただドラムスはゲームミュージックで使われていそうな雰囲気を出す為に作り込みました。80年代のリズムマシンみたいな音になる様にEQの数値を地道に変えていた・・と書いていてS30で作っていたのを思い出しました。それをMOTIFで再現しつつブラッシュアップ、仕上がりの満足度が上がったのを覚えています。

 現行の制作環境でもあるReasonでFM5ch+PSG3ch(メガドライブ風?)を想定して作った曲です。Reason4、5の頃ですね。
 グラニュラーとウェーブテーブルを組み合わせたMalstromと言うReason内製のシンセで作りました。S30やMOTIFと同じ括りでPCMシンセと呼ぶのは乱暴と思いますが、サンプリング波形を使ったものなので記事の主旨からは外れないものとしましょう。(マニュアルにはグラニュラーシンセのオシレーターはサンプリング波形や演算による波形とした記述がありますが、あくまで一般論としての意味と解釈出来、Malstromに関してはサンプリング波形だと思います。(ただ演算波形が含まれる可能性もある事を補足しておきます)

(話は逸れますがメガドライブの音源てFM6ch+矩形波3ch+ノイズ1chだと思うのですが、矩形波が3ch使われているのを聴いた事が無い様な・・)

 多くの音色でFMシンセのサンプルを使っているのですが、S30の時の様にレイヤーして一つの音色にしています。FMベース、クラビ系も有りますが「ギュワーン」みたいなFMの特徴的な音色変化が収録されていて、その時間軸やフォルマントを弄ったりして狙った音にしています。リングモジュレーターやシェイパーも活用しましたね。FMチップチューンとしての雰囲気は結構出せていると思います。
 当時はシンセの一機能としてのFMは別としてReasonにはFM音源が無かったのですが、Malstromが有れば充分かなと思っていました。PX7(DX7系のFM音源)がリリースされると早々に心移りしてしまうのですが。(笑)


 別にPCMでFMみたいな音を作らなくても、と言うのはあると思うのですが、単純にどんなシンセでも使い倒すのが楽しく、その中のアイデアの一つだと思っています。今もFM音源でPSG風の音色を作ったりしていますが、数十年前から現在に至るまで考え方ややっている事はそんなに変わっていないですね。

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