Reason Rack Extension「Zero」
まだ紹介していないReason用のFM音源の一つにZeroがあります。PX7と同じく6opFM音源なのですが、PX7はほぼDX7なのに対してより多くの機能を盛り込んだ現代的なものになっています。
PX7では同一音色の一方を逆相にすると消音する程完璧に同期した音を作る事が出来るのですが、ZeroではDX系のKEY SYNC ONに相当する設定をしても発音にムラ(逆相にしても音が消えない)が出る様です。またDX系FM音源の特徴でもある「速い(鋭い)アタック」よりも緩やかなアタック感で、よりアナログ的な挙動と言う印象があります。

オシレータ波形はデフォルトではサイン波、鋸波等の基本波形と加算(最大126)の組み合わせで生成出来る様になっています。DX系のサイン波のみのオシレータに慣れているので(必要十分なので)全容をきちんと把握していないのですが、波形の選択と調整(画像左)を経て加算(画像右)すると言う考え方で良いと思います。

そうして作った音をサイン波に分解して(倍音合成)再度オシレータ波形にする事も出来るのですが、であれば最初からサイン波の倍音加算に絞った方が分かり易い気がしなくもないです。
他にもTX81ZやProphet-VSの波形も収録されていてオシレータだけでお腹一杯な感じですが、あまり難しく考えず無尽蔵にオシレータ波形を生成出来るFM音源と思うに留めるのが良いのかなと思います。
偶然開いたパッチが加算合成(サイン波7個)で作ったソーサリアン風ピアノでした。1~3倍音にかけて減衰、4倍音で音量が戻って7倍音まで減衰させています。FMと加算合成の関連性について関心があったのは覚えているのですが、どう言う理屈で作ったのか思い出せません。 pic.twitter.com/IAGH9JRqZC
— Masaru Nakajima (@nakajima_m20633) April 4, 2025
これはZeroのサイン波の加算(倍音加算)で作ったものです。K5000の様に倍音毎にエンベロープを設定したりは出来ませんが、倍音加算シンセとしては比較的カジュアルに扱えるかなと、FMを使わなくても結構楽しめます。

ここまでの内容で忘れてしまいそうですが(笑)ZeroはFM音源でもあるのです。いわゆるマトリクス形式で、FMだけでなくRM(リングモジュレーション)、2つのフィルター(F1/F2)も含めて、DXシリーズで言う所のアルゴリズムに捉われない自由なルーディングが組める様になっています。FMやRMは12時方向を0としてに正負の値で変調する事が出来、理屈(マイナス値の変調と言われてもピンと来ない)はともかく出音の幅が広がったと言えます。
ここまで機能が多いと使いこなすのが大変そうですが、使いこなす以前に0から作るとなると億劫に感じる事もよくあります。

特に従来のFM音源とのパラメータ値の違い、例えば「実時間とdBでグラフを描くエンベロープ」「解像度の低いノブによる大雑把な変調(オートメーションを使えば本来の解像度(0.01〜5/-0.01〜-5)で設定出来る)」等は、FMパラメータが既存の値で染み付いている自分にとっては取っ付き難いものとなっています。(エンベロープ自体は必要に応じてポイントを増やせる方式で自由度は高いです)

結果的にPX7で作ったものをZeroに移植する様な作り方が多くなってしまうのですが、LFOやエンベロープで位相(Phase)を変調出来るのは地味に気に入っていて、そうした「揺らぎ」を活かして持ち味を上手く出せればと思っています。
最近はスーファミ音源関係の記事を書く事が多いですが、スーファミ音源のソースとしてもZeroの使用頻度が上がっています。その意味でも触れておきたいなと思い書いてみました。
